■「この薬には副作用があります その副作用にはこの薬があります」 その現実を わたしも体験しました■




大学病院のすべての診療科に、それぞれ研究室や医者のグループがあります。それを医局と呼んでいます。教授を頂点とするピラミッド型の組織を連想してもらうと、実態に近いと思います。その医局が、薬を増やす研究をしているとはどういうことなのか、首をかしげる人もいるかもしれません。

端的に言うと、お金のために薬を増やす研究をしているわけですこれは薬を増やす研究をしている限りは、製薬会社から医局にお金が回ってくるからです。多くは研究費という名目のお金ですが、教授秘書や医局秘書、あるいは研究室のお手伝いをする研究助手も、研究予算の中から給料が支払われています。

つまり、製薬会社からもらうお金で、医局は賄われているということです。ですから、薬で儲ける製薬会社の意向に沿うように、薬を増やす研究や売れる薬を作る研究をしているということなのです

本来、文部科学省や厚生労働省がもっと研究予算を出せば、そういうことをしなくて済む、真面目な医局もあるのでしょうが、与えられる研究予算があまりに少ないために、医局を維持するためには、製薬会社に頼らざるを得ないという気の毒な側面もあります。いずれにせよ、これも薬が減らない理由の1つと言うことができるでしょう…