【THE ALUCARD SHOW】(2013/初演)台本風レポ③ | 雪丸、夢うつつ。

雪丸、夢うつつ。

気まぐれに観劇レポなど。

サラ、下手客席中扉の黒いカーテンから顔だけ出して、

「ここかなあ…?ここでいいのかなあ…」
恐る恐る中に入ってくる。ばっちり【あるかーど(ハァト)】Tシャツを着ているw
「ここで合ってるかなあ…暗いなあ…。ていうか、なんか匂うな。妙に女臭いな、ここ」

横通路を歩いて角を曲がり、ゆっくりと縦通路を歩いてステージの方へ。
「ああっ、あたしはどうしてもブラド様に聞きたいことがあるんだ!」

急にテンションだだ上がりのサラさんwでかい声出しながらお客さんにちょっかいかけるw(わたしもすごい勢いで肩をはたかれたw)
「こんなとこまで来ちまって…あたしゃどうしたらいいんだ?!」(近い近いwお客さんとの顔の距離が近いww)
「…って、あたしゃ誰に話しかけてんだか…」


そんなこんなでステージへ上がる。

「ここかなあ… あたしなんかがブラド様の館に入れるなんて…!それにしても暗いなあ…これじゃあ何が何だか…」

手探りで進もうとすると、突然の大音量とライトアップ!
「ぅわあああああ!」

びっくりしすぎて飛び上がるサラw
「(音響ルームに向かって)卑怯だぞ!急にそんな大きな音出して…!」(客席笑)

すかさず大音量再びw
「わああぁぁああ!だから!あたしゃ心臓には、じ、自信がないんだからねっ」(客席笑笑)

下手隅に灯りを見つける。
「あ、蝋燭…。よかった、ちょっとでも、心強い…」

そのとき燭台の下に何か見つける。
「ん?オルゴール?」

拾い上げてネジを回す。
「いい音…」

その音色を聴きつけて、亡者と化したアルカドニアたちが近づいてくる。

何も知らないサラはオルゴールを置いて、一息つこうと体を伸ばす。

サラと目が合うのが早いか、一斉に襲い掛かるアルカドニア。
「う、うわああああああ!!!」

ステージ上をあちらへこちらへ逃げ惑うサラ。


もう駄目かと思われたそのとき、


だるそうにウォルターが現れて、銀の十字架をかざす。
悲鳴を上げてあっという間にその場から逃げ去るアルカドニアたち。

「食べ残しのあと始末も大変だ…」
状況が飲みこめず、座り込んだままのサラに、
「君は…なんて言ったっけ…?」と、ウォルターが声を掛ける。
「サラ…」
「サラ、僕はもう、疲れてしまったよ…」 
「さっきの連中、いったい何なんだい?!」
「聞こえなかったかい?食べ残しだよ」
立ち上がって、ゆっくりとウォルターのほうに歩み寄るサラ。
「きっちり最後まで吸いきればあんなことにはならないんだが…」
そう言って例の液体が入ったボトルを開けて飲むウォルター。相変わらず美味そうではない。
不思議そうに眺めるサラ。

「飲んでみるかい?アルカードの大好物だ」
少し戸惑いながらもウォルターから差し出されたボトルを受け取るサラ。一口含んでむせる。
「なんだいっ…これっ……、…まさか!」
「そうさ?アルカードに心酔した若い娘たちの生き血だ」
猛烈な吐き気に襲われるサラ。
「彼女たちが彼らのことを求めれば求めるほど、その味に深みが出て美味くなるらしいが、僕にはさっぱり分からない」
「ブラド様もこれを…?!けほっ」
「いいや、ブラドだけは飲まない。変わったやつだ」
「ブラド様はどこ?!あの人に会わせて!」
「ブラドに会いたいだって?笑」
「あの人はきっと誰かに脅されているだけなんだよ!でなきゃそんな… こんなところ、早く逃げ出さなくっちゃ!」
「それならここを真っ直ぐ進むといい。きっとブラドに会える」
「ありがとう!」
「それと、もうひとつ言い忘れたんだが…」
「え?」

振り返ったサラに突然ボトルで殴りかかるウォルター。サラは額を抑えて倒れこむ。


「な…にを…」
「お前みたいな泥臭い女をブラドに会わせるもんか!僕だってろくに口を聞いてもらえないのに!」
苦しそうに体をよじるサラにウォルターは怒り・悲しみをぶつける。

「僕はずっと彼らに尽くしてきた。全てを捧げて尽くしてきた!それなのに、どうして彼らは僕に何も話してくれないんだ!」
怒りのままにサラを殴りつける。必死に這って下手セット中段に逃げるサラを追い、躊躇うことなくボトルを振り下ろすウォルター。
「どうしてだ!何とか言え!言え!!言え!!!」

何度も何度もサラを殴り続ける。それでもまだ息があるサラ。
「ど、うしても…、き…きたいことが…ある…んだ…」

呻くサラにウォルターが止めをさそうとした瞬間、


パン!!


目が覚めるような大きな発砲音がして、ウォルターの胸から血が流れ出す。

銃口をウォルターに向けたマリアが上手に立っている。


「マリア…、君か…」
「ウォルター、すっかり彼らの操り人形に成り果ててしまったのね…」
「操り人形か…、君に言われるとは…」

そう言って自嘲するウォルター、ふらふらとセット下に降りてきて倒れる。

「聞いてくれよマリアぁ…彼らが僕を必要としてくれないんだ…この、僕をだよぉ?!」
銃口を向けたまま黙って聞いているマリア。

「せめて…、この血を吸ってくれたらいいのに…」

「血は吸ってもらえなかったけど、代わりにたっぷり吸ってもらえたものがあるわ」
「なんだい…?それは…」


「魂よ」


それを聞いてふっと肩の力が抜けたように見えたが、一瞬ののち、まるで理性の糸が切れたかのように獣のような雄叫びを上げながらマリアへ向かっていくウォルター。

その胸に2発目の銃弾が撃ち込まれる。それでも止まらない。

さらにもう1発。

撃たれた反動で後ろにあった椅子に体を沈め、ウォルターは完全に動かなくなった。


そこへ上手セット上段からブラド登場。

「いいよ、マリア。いい覚悟だ」
「この二人はよく似てるわ。アルカードなしじゃ生きられない。でも私は違う」
「すっかり満ち足りたようだね」
「わたしに足りなかったもの、それは、どんなことをしてもアルカードをこの世から消し去りたいと願う強い気持ち」
「手放しの愛は掃いて捨てるほど浴びてきたからね。一度は向けられてみたいと思っていたんだ。ぞくぞくするような憎しみの刃を」
「でもこんな銃じゃあなたたちは死なない。あなたたちは化け物よ。さあ、お仲間はどこ?」
「カーミラたちなら食事を終えてほら、」

ブラドがぱちんと指を鳴らすと、カーテンの向こうに天井からぶら下がっている塊のような影。
「なんなの…あれじゃまるで…」
「蝙蝠のお昼寝っ♪ははは」声を上げて嗤うブラド。
「ひとつ、聞いてもいいかしら」
「…どうぞ(笑)」
「あなたたちのような存在がなぜいま姿を現したの」
「僕たちはいつだって存在するさ!姿形を変えてね。それは君たちが弱いからさ!」「どうやら人間という生き物は盲目的に愛情を注ぐ対象が必要らしい」「そのために戦争だって引き起こす。僕らは、そんな愚かな人間たちに罰を与えるために神様から遣わされた…呪いの使徒♪」
「とんだ神様ね」
「続きは君が再び僕の前に立てたら教えてあげるよ」
「どういう意味?」
「さっきの銃声はカーミラたちの眠りを妨げた。君が言った通り、銃で僕らは殺せない。さあ、君はどう戦う?」


銃声で目覚めたメンバー、吸血鬼らしく白シャツに裏地が赤の黒マントを羽織って登場。
ブラドは挑発するような笑みを浮かべたまま椅子に腰掛けセットの奥へ。

メンバーたちはマントを翻し、マリアに襲い掛かる。

素手で応戦するマリア。

カーミラに正面から噛み付かれようとしたそのとき、グサッと何かが刺さる鈍い音。

カーミラの表情が歪む。


「き、貴様ぁ…!」


ふらふらとマリアから離れたカーミラの胸には銀の杭が。


「教会の十字架を溶かして作った特注品よ!」

瞬く間にカーミラの体は炎に包まれ、凄まじい断末魔の叫びを残して灰となる。(のイメージでセットの中へはける)


「安心しなさい、…人数分あるわ!」

そう言ってコートを広げて見せるマリア。
マントを脱ぎ捨てなりふり構わないモードのメンバー。

(両者、睨み合って一歩も引かず、みたいな状況をダンスで表現してるんだけど、ダンスの知識が浅すぎてうまく言葉にできないわたくしめをお許し下さい(土下座))

激しい攻防の末、オルロックまで杭で打たれ(しかも2本)、セット後ろの梯子から飛び立つようにして蝙蝠の姿に戻って逃げ回るジルド・サンジェルミ・ポプシー・バットの4人(というイメージの映像がセット後ろのスクリーンに映し出されている)
しかし抵抗も虚しく、マリアがカーテンをはがしたことにより聖なる日の光を浴びてしまい炎上(セット上段の天井から下げられた布がマリアの動きに合わせて落ち、ひときわ眩しいライトの光でこれを表現)

これで終わった、と息をつくマリア。

そこへ、


「朝の光は清々しいけど、目に沁みるね」


寝ぼけたようなトーンでブラドが現れる。驚くマリア。

「あなた…!日の光を浴びても平気なの…?!」
「見ての通り、僕は炎に包まれない。もちろん十字架も効かない」
「あなた一体…!」

と、ここで瀕死のサラが突然現れてマリアの足を掴む。再び驚くマリア。

「あんたばっかりずるいよぉ…わたしだってブラド様に、聞きたいことが…ブラド様…ブラドさまぁ…」

弱った体で必死にブラドに手を伸ばそうとする。
「ひどく血が出てる。もう喋らない方がいい」と、優しく声を掛けるブラド。
「初めて会ったときから、気になっていたんだ…、あんた、どうしてそんな哀しそうな眼をしているんだい…」

「…てっぺんからの眺めっていうのはね、サラ。とても退屈なんだ」

そう言ってサラの元へ歩み寄る。

「でも今回は君たちのおかげで退屈せずに済んだ。…おやすみ、サラ」
「ああ、ブラド…さま…」

そっと撫でるようにサラのサングラスを外して自分の胸元に差すブラド。

そのままマリアに背を向けて立ち去ろうとするが、

「待って!まだわたしの質問に答えていないわ!」遮るように「マリア!!」

「よーく思い出してごらん?もう答えたじゃないか」

納得いかないマリアはブラドを追うが、逆に捕らえられる。


「僕を楽しませてくれたご褒美をあげよう」


マリアの首筋に牙を立てるブラド、そして耳元で何か囁いた?

はっとしたような表情のあと、その場に崩れ落ちるマリア。

ブラド、髪を耳にかけながら、


「美味しかったよ…君の、愛は」


そして燃える館の中へ消えてゆくブラド。

呆然とするマリアを残して幕が下りる-


上手からオルゴールの婦人、
「こうしてアルカードは忽然と姿を消し、彼らと世界を繋ぐ唯一の架け橋だったサイトも、この日を境に消滅したそうです。嘆き悲しんだアルカドニアたちは各地で暴動を起し、一大スキャンダルとなりました。しかし、それでも彼らが戻ってくることはありませんでした」

下手から紳士、

「謎の大量失踪事件に関わったであろうアルカードの存在は汚点とされ、その名を後世に残さぬよう、人々は必死で口を噤んだのです。しかしどんな時代も熱狂的な信者は生き残るもの。まさに今日ここにお集まりのみなさまのように」

中央幕から車椅子の婦人、
「我々はブラドに永遠の命を吹き込まれた選ばれし者」


オルゴールの婦人→サラ
紳士→ウォルター
車椅子の婦人→マリア


サラ「天使だって悪魔だって、なんだっていいじゃないか!」
ウォルター「聞き分けのない者には彼らからきつーくお仕置きをしてもらわないといけないな」

マリア「彼を退屈させちゃだめよ。彼は今も、遥か遠い彼方の頂から、わたしたちを見ていてくださるのだから…」


マリア「そうでしょう?ブラド…!」


暗転-


からの、2階通路柵から手を伸ばして蠢くグールアルカドニアたち。

闇に響くブラドの声。

「ようこそ。親愛なる、そして最悪なるアルカドニア」

照らされたステージ上にブラド、イントロとともに客席後方からメンバーがステージへ向かう。

カーミラとオルロックは一段下でポーズをとる。そして全員ステージ中央へ。


LAST ALUCARD SHOW-


ブラドの歌声とともに力強いダンスで魅せるカーミラ・オルロック・ジルド・サンジェルミ・ポプシー・バット。

間奏部分の激しいリズムに合わせて狂ったアルカドニアたちもステージへ。

アルカード、そしてアルカドニアたち、まさに狂演のショー。


そしてアウトロ前、音が途切れた瞬間、ブラドの最後の言葉。


「これは全て、君たちが望んだことさ…!」


アウトロに乗せて舞い散る赤い羽根。(しばらくしてメンバーはけたと思う)

最後はセットをスクリーンに見立て、音楽・振付・演出のクレジットを映して、客席から大きな拍手。


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音楽…篤志

振付…MIKIKO

演出…河原雅彦


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THE ALUCARD SHOW-

終幕.