あの事件から一夜明けた。(前日ブログ参照)
気が付いたら彼に電話をし、彼の家にいた。
「ねぇ、なんでさっきからずっと目閉じてるの?」
『え、はずいじゃん』
「ちゃんと目開けて?キスする時は相手のこと見るの。」
『うん・・・』
7個も年下の彼。
そのおぼつかない手つきが経験値を物語っていた。
― 緊張してんだろうな ―
旦那以外の人に抱かれるのは、4年ぶりか。。。
彼が日本を発って、
だんだん寒くなってきて、
自分の部屋に一人でいることが苦痛で仕方なかった。
― そんなこと、言い訳にしかならないか ―
感情のコントロールが出来なくて、誰かに頼りたかったのは間違いない。
「ゴム持ってるよね?」
『え、持ってないよ』
「なんで持ってないの?」
『いらないでしょ?』
「何言ってんの。良い男はちゃんと女の子のことを考えるの。ちゃんとしなきゃダメだよ。」
口調が姉のような、もはや母親の様になっていた。
最後まではしなかった。
シャワーを浴びた後、私はタバコを吸った。
『ちゃんとベランダで吸ってね。そんで戸も絶対閉めて。』
彼は匂いや汚れをひどく嫌う性格らしい。
それでも、時々そのガラス戸を開けて後ろから抱きついてきた。
― かわいい。ホント子どもみたい ―
心の中でつぶやいた。
「ほんと潔癖症なんだね。」
『うん、だって女の子と付き合ってもキスが嫌で、それでいつも別れちゃうんだ』
「は!?それって、汚いとかで??」
『うん・・・』
「もうそれ病気じゃん!」
彼の眼が悲しくなるのが、暗闇の中でもわかった。
きっといつも、自分と他人の間にある違和感や、溝を感じてるんだ。
― もう潔癖のことで彼に何か言うのは辞めよう・・・ ―
「いや~、今まで見たことのある男の子の部屋で、一番きれいでお洒落だよ~」
何も違くないよ。ちょっと綺麗好きなだけ。
それを伝えたかった。
外見を気にし、部屋のインテリアにこだわり、洗剤や柔軟剤、消臭剤をたくさん持ってる。
彼は人からどう思われ、評価されるかを異常に気にするんだろう。
休みは月に4,5日。
休日は服を買いに行って、掃除、洗濯、ゲーム。
『ごめん、このゲーム毎日やらないといけないんだ。』
スマホとタブレットを使って、私の横で真剣にゲームをしていた。
― 友達もいないのかな。寂しいな・・・ ―
「なんかさ、夢とか見つけなよ。英語勉強して海外行くとかさ!」
ドラマみたいなクサいセリフが自分の口から出た。
同時に恥ずかしくなった。
『え、いいよそんなの。今のままで』
思いのほか普通に答える彼。
「それは、今の仕事とか生活が楽しいってこと?」
『楽しくないよ仕事なんて。別にいつ死んだっていいし。』
「・・・なんでそんなこと言うの。」
『・・・』
あたしは一体、何がしたいんだろう。
彼に対して。
そしてそれによって自分が満たされたいとでも思っているのか。
― 君は人に、自分がいいと思ったことをすぐ押し付けるよね ―
旦那の言葉を思い出した。
隣にいる年下の彼には、もう何も言えなかった。
― この子は、私の弟でもペットでも、愛人でもないんだから。。―
前ぶれもなく始まったこの関係に対して、
