はるかは、上のお兄ちゃんの五才違いの妹だった。お兄ちゃんは、特別にかっこいいとかそんな訳でもなく、妹に特別に優しいわけでもなかったが、はるかはお兄ちゃんか大好きだった。なぜならお兄ちゃんは、特別CUTEだったのだ。
一人目の子供の写真は多く、次の子は少し減る、私はその例にもれず、(突然の転勤やら、行った先で長期間の断水とか、色んなトラブルが重なり)はるかちゃんの写真は、上のお兄ちゃんのそれよりぐぅんと少なかった。
はるかは、その事をひがむでもなく、ずっとずっとお兄ちゃんが大好きだった。
 
お兄ちゃんの初めて発した言葉は「まんま」だったけど、はるかの初めて発した言葉は「んぺっ」(兄の名前、シンペイの省略形)だった。
 
はるかはだいぶ大きくなってからでも、ソファに座ってビデオを見てるなと思ったら、お兄ちゃんの小さい頃のビデオだった。
お兄ちゃんが社会人になって、家を出てから、たまに家に帰ってくる時も、お兄ちゃんは駅まではるかを自転車で迎えに来させ、また戻る時もはるかを連れ、はるかはいつもお兄ちゃんの言いなりで、ずっと従順な子分だった。・・・・シンペイ、そうだったよね。
思春期、反抗期になった時でも、不思議な事に兄への愛は変わらなかったと思う。
自分に、好きな彼氏ができても、お兄ちゃんは大好きだった。たぶん、母より父親よりずっと。
お兄ちゃんは、甘えたで、ちょっとわがままな男の子だったけど、はるかはそんな兄を適当にうまく交わしながら、ずっと仲良くしてお兄ちゃんに尽くしていた。母親の目から見ても、よーやるなーと感心していた。はるかは、それぐらいお兄ちゃんが好きだった。
 
はるかが小さい時、お兄ちゃんが学校から帰ってくると、お兄ちゃんは靴下をはるかに脱がせてその靴下の匂いまでかいでニコニコしてるはるかちゃん。私は臭いのが嫌いだったから、絶句したけど、見ていてとても不思議に思ったよ。
 
お兄ちゃんの写真の服とポーズと、私が持っていた絵本の男の子のそれらが全く同じだと発見したのもはるかだった。

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あの発見には驚いたね!全く同じ服に同じボーズだったね。
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他のどんな男の人を見ても、お兄ちゃんはカワイイと言っていたはるかちゃん。
お兄ちゃんは、いつもはるかに偉そうにしてたけど、小学校の給食の残りのパンをいつもお土産だとはるかに持ってきてくれていて、私はそれは余ったのを持ってきてるだけだと思ってたけど、実は違うかった。クラスで余ったパンは、じゃんけんになって、シンペイはとても美味しいからはるかにも食べさせたくて、じゃんけん、すごくがんばってはるかの為に持ってきてくれていた事が後からわかった。
シンペイもはるかもわかってたんだ……
「はるかの絵の本」できました。
➡️こちらです

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今日はその本からぽろんとでてきた落書きです。
はるかは何故か、「酢こんぶ」が好物でした。笑