前日の夜、入院して、手続きを終えた後は、すぐに眠りについた。

その夜、入った部屋は、精神科救急ダイヤルのオッサンの言ったような拘束室でもなく、手足の拘束もなく、一般にはデイゾーンと呼ばれているらしい個室だった。細長い小さな部屋にベッドがひとつだけ置いてあった。
棚も引き出しも、何にも、なんにも!なかった。
理由を聞くと、患者に刺激を与えない為に何にもおかないのですと、後で看護師さんから聞いた。

翌朝、その個室より、4人部屋に移動した。食事等は、自由に使えるデイルームと呼ばれている開放的な広いスペースもあった。
入院してから、食事の時間以外はひたすら横になっていた。

…と言いながらも、私は入院を決めた時、落ち着いたら2日ぐらいで退院するつもりでいた。
なので、下着は2組ぐらい、パジャマも、普段着も(着たきり)1セット、それに最低の洗面具、化粧品しか持って行っていなかった。にもかかわらず、単行本2冊といつも仲良しのクロッキー帳と色鉛筆をバッグに入れていた。

その日の夕方、やっと、本当の主治医(前夜は深夜担当医)の診察を受け、それまでの経過等、ひととおりの事を伝えた後、最後に、…
「先生、ワタシはこんなに眠り続けて、生活のリズムを考えると、昼に寝るとあんまり良くないような気もしていますし…でも、まだ本も読めないんです。まだ何もする気が起きなくて、何もできないんです。」と、言ってしまった…
すると主治医は呆れ顔で、「アナタ、苦しくて苦しくて大変な思いをしたから、ここに来たのでしょう???!    読書なんて、まだまだ。休む為にここに居るのですから、昼間でも眠れるだけ眠って下さい。身体を十分に休ませて下さい。夜は夜でちゃんと眠剤を出しますからーーーーー。」と言われた。それで、わずかに残る欲を抑え、それからひたすら眠った。


ここでは、もう私はがんばらなくてもいいんだ。


何をするでもなく、ベッドに横たわりながら、
長い長い1日のすき間に、知らず知らず、たらたらと涙がこぼれた。



なんとな……2日ぐらいでは済まない気がした。

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↑こんな景色を眺めて、ご飯を食べていました。

オマケ
昼12時と夜6時の食事の味付けは美味しかった。
量は少ない感じがした。白いご飯が残ることが多く、私は痩せているので、振りかけをかけて全部食べるように努力した。
朝ごはんは7時、朝は私は暖かいカフェオレを飲むのが習慣だったのに、病院では、ロールパン2個とスライスチーズ1枚と、バナナかオレンジ、それとブリックパックの飲み物。そのパターンが多かった。暖かい飲み物がひたすら恋しかったが、さすがに閉鎖病棟、私には付き添いがないと、下の売店にも行けず、しばらくはコーヒーも紅茶もなしで我慢して過ごした。




追記、
先日、予想より早く退院できました。皆様、ご心配おかけして、すみません。
暖かいコメント、本当にありがとうございました。ここの場所を借りてお礼の言葉とさせてもらうことをおゆるし下さい。
携帯電話等は、ナースステーションにお預けで、10分程度のチェックしか許されなかったので…。

夜眠れない時間等に、そこいらの紙切れにミミズのはったような文字で走り書きしたメモから、精神科閉鎖病棟の様子を良かったところも含めて、お伝えしたいと思います。
世の中の偏見がなくなればと願っています。




「はるかの絵の本」できました。
➡️こちらです    http :/kopeka.thebase.in/
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