今年度の赤字、1兆5000億円程度見込んでるらしいです。

 

こんな数字、ちょっと聞いたことがない。

 

調べると2011年の東電、2017年の東芝、2020年のソフトバンクグループあたりが1兆円超えの赤字を出してたらしい。

 

農林中金はちょっと変わった金融機関。

 

全国のJAバンクから集めた農家や漁師さんおよび一般家庭からの預金を主とした80兆円規模の資金を運用する。

 

低金利の国内で貸付は行わず、

 

ほとんどが海外で資産運用してるらしい。

 

特別な人材が必要、ということでMBA保有者を300人くらい雇ってて、国内最大のヘッジファンドと言われています。

 

 

そんな農中、大赤字。

 

安全な投資ということで主に債券で運用してるらしいけど、米国の金利が高止まりして保有債券の価値が下がって含み損になってたらしい。

 

それだけじゃなさそう。

 

大前研一さんは、とはいえ米ドルで運用してるんだから為替差益だけでもウハウハのはず。

 

なにやらとんでもないものを隠し持ってるんじゃないのと勘ぐっている。

 

 

さらにちょっと前の本ですがこれ。

 

農中は、債券以外にもCLO(ローン担保証券)というサブプライム並にハイリスクハイリターンの商品を大量に買って持っててやばい、と警鐘を鳴らしてます。

 

書いてるのは、黒川敦彦さん。

 

そう、あの迷惑系政治団体「つばさの党」の人ですよ。

 

こう書くと信頼性に疑問を持たれるかもしれないけど、本人は阪大工学部卒で、この本を読む限り極端な仮説を打ち出してはいるものの情報通のようです。

 

なんであんな風になっちゃったかな。

 

それはともかく農中、大赤字をくらいます。

 

上場してる会社じゃないので、国内の株式市場が影響を受けることはなさそうですが。

 

気になってるのはJAバンクの預金者でしょう。

 

いちおう、JAとネゴって1.2兆円の資本増強をしてそれで損失をまかなおうとしているみたい。

 

でも損失がこのレベルにとどまらなかったとしても、多分ツケは預金者じゃなく広く国民が負って、税金で損失の補填がなされるんじゃないでしょうか。

 

と言うのもこの農中、バブル崩壊時もリーマンショックでも、筋の悪い投資案件を他行以上に持ってたんですが、一次産業従事者の大事なお金ということもあってか、政府は手厚く救済してきたとのこと。

 

あと農中の頭取にあたるのが理事長ですが、ずっと農水省からの天下りだった。

 

2009年からその慣行がなくなって、

 

直近ふたりは農学部出身の生え抜き社員。

 

海外で運用する機関投資家なんだから、もっと海千山千を経験したこの道のプロでないと、情報が入ってこないだけでなくいいカモにされるんじゃないでしょうかね。