キーエンス。
570万円ないと投資できない銘柄。
誰が買うん。
自分には関係ない。
でもね、興味あるじゃないですか。
この会社はなんで社員に平均年収2000万円を払えるのか。
その給料にふさわしい社員をどうやって育てて管理してるのか。
まさかどこぞの宗教みたいに洗脳したり、
軍隊よろしく厳しい規律で縛って、
使い物にならなくなったらすぐポイしてるってことはないよね。
面白かった。
筆者は検出・計測制御機械のあれこれを理解したうえで、社員、顧客、競合他社など多方面にインタビューしておられます。
会社の広報を通して取材してるためか、悪いことは一切書かれてなくて、宣伝本チックな部分はありますが、それを差し引いてもタメになる。
内容は盛りだくさんなんですが、
誤解を恐れずざっくりイメージを語ると…
工場で生産管理担当者が部品の急な故障で途方に暮れている。
そこにキーエンスの営業が「お困りですか」とどこからともなく現れ、
代替品をその場でデモして、
よしこれでいこうとお客が決めたら、その日に製品を出荷する。
もしくはお客の決裁がおりるより先に設備導入にとりかかる、みたいな。
そして一旦納品が終われば、もっと簡単な操作で時短しませんかとか、ここはセンサーを使って自動化して欠損率を下げましょうとか、かどんどん先回りして提案してくる。
他社が問い合わせを受けて、ではカタログを送りましょうと言ってそれが届く間に、これだけのことがなされていたとしたら…。
あー、怖い。
キーエンスのライバルたち、そして委託されてる販売会社さんたち、大丈夫ですか?
呑気にしてるとお客さんをとことんひっぺがされるよ!
そういうデューク東郷みたいな仕事人が営業の最前線、そして多分製造サイドにもわんさかいるのがこの会社ということになる。
キーエンスのものまねをすればキーエンスになれるわけではない、という。
キーエンスの哲学が採用、教育訓練、営業支援などのすべてにおいてゆきわたっているからこそらしい。
ところがキーエンスが海外進出する際に、この流儀をどんどん移植している。米国でも中国でも。
読んだ後、あらゆるお仕事にはかぎりなき改革改善余地があるんだなと改めて認識させられる。
ただ多くの場合、日々の業務に追われてたり、実行する発想とか意欲がなくて、心が感じられない製品やらサービスにとどまってる、そういうことなのかなと。
良かったら読んでみて。