世間を騒がせている例の祭り。


実は私も、それとは別の祭りに翻弄された被害者の一人である。


クズ元夫が生まれ育った町は、ある有名な祭りで知られている。


毎年のように怪我人が出るのは当たり前。救急車も警察も待機しているほどだ。


クズ元夫はもともとおとなしい男だったので、もちろん、そんな野蛮な祭りには一切参加していなかった。


祭りの寄付を集めるために朝早くから人が訪ねてきても、平気で居留守を使っていたくらいである。


ところが、人間というものは、ここまで変わるものなのだろうか。


ババァと関係を持つようになってから、クズ元夫は悪友に誘われ、なんと祭りに参加するようになったのだ。


10月初めに行われるこの祭りのために、6月頃から「会合」という名の飲み会が始まり、年末まで反省会が続く。


つまり、1年の半分以上が祭りのための会合、もとい飲み会で費やされるのである。


クズ元夫は数年前からその集まりに参加するようになり、泥酔して車で帰ってくることもあった。


そして、いつしか「祭り」を口実に、ババァとの不倫に狂っていった。


もしババァとの不倫がなければ、今でも祭りに参加することはなかったのではないか。私はそう思っている。

しかし、祭りが先かババァが先かは今となってはわからない爆笑


もちろん、今年も例外ではなかった。


今年も多くの怪我人が出ている。


その中の一人は、私も知っている子だった。


手術を受け、現在も入院しているという。


その子は、自分の怪我を「名誉の負傷」と称してSNSに投稿していた。


一昨年には、28歳の若者が祭りでくも膜下出血を起こし、障害が残ったと聞いた。


その影響もあってか、昨年だけは多少なりとも祭りが静かだったようだ。


ところが、今年になると、また以前と何ら変わらない状態に戻ってしまった。


この祭りでは動物も使われる。


しかも、普段はおとなしい動物を興奮させるために、わざわざ注射を打つという。


動物虐待ではないかと声を上げる人もいるが、そんな意見にはまったく耳を貸そうとしない。


ちなみに、クズ元夫の悪友だけでなく、幼馴染もほぼ全員がこの祭りに参加している。


一体、何がそんなに楽しいのだろう。


私には、まったく理解できない。


何より、動物たちがかわいそうでならない。


だから私は、この祭りを一度しか見に行ったことがない。


同じ動物を使った祭りが、別の町内でも行われている。


しかし、そちらはまったく違う。


おとなしい動物がいて、子供たちとゆっくり歩いたりする、のどかな祭りなのだ。


同じ動物を使っていても、やり方ひとつで、こんなにも違うものになる。


だったら、同じようにすればいいではないか。


やろうと思えば、できるはずなのだ。


私は、すべての祭りをなくすべきだと言っているわけではない。


実際、私の実家のある町では、花をたくさん飾った車をゆっくりと引きながら、近所を練り歩く祭りがある。


はっぴ姿の子供たちを見ていると、本当に癒やされる。


私は、そんな祭りのある町で育った人間だ。


だからこそ、クズ元夫の地元で行われている祭りには、どうしても納得がいかないのである。


もっとも、私の地元の近くにも、少々危険な祭りはある。


ただし、祭りそのものが危険というわけではない。


祭りで酒に酔った男たちが喧嘩をするのだ。


私の同級生にも、そのたびに巻き込まれて病院送りになる子がいた。


怪我人が出れば祭りが中止になってしまうため、周囲の人たちは「参加するのはやめろ」と止めていた。


それでも本人は、


「自分の1年間は祭りのためにある」


と言って聞かず、毎年のように病院送りになっていた。


ここまで聞けば、本人が好きで参加しているのだから、自己責任だと思う部分もある。


少なくとも、私の知るその祭りでは、他人の家のフェンスを壊すようなことまでは起きていなかった。


そう考えれば、まだマシなのかもしれない。


伝統だの、地域の誇りだのと言うけれど、クズ元夫の姿を見ていると、結局のところ、酒を飲んで騒ぐための口実にしているだけではないかと思えてくる。