「見捨てないで」
「ちゃんと出来なかったとしても、見捨てないで」
「守って」
「自分のことを自分で出来なかったとしても、ボクのことを守ってよ」
「好きなことをさせて!」
「お父さんがボクの人生をコントロールしないでよ!」
これらは、私の中から出てきた言葉です。
私(かずちゃん)の子どもの頃に、父親に対して、言いたかった言葉。
伝えたかったけど、伝えられなかった思い。
それらがふとしたきっかけで、ぶわ~っと出てくることがあります。
そういう時は、次から次へと感情が溢れてきちゃうので、
自分を受け止める時間をつくることにしています。
うちの父は、厳格な人でした。
(でした…というのは、今はもうだいぶ性格が変わっちゃったからです)
できない、ということに過剰に反応するところがあって、
「なんでお前は、そんなこともできないんだ!」
「もういい、俺は先に行く!」
「もういいから、やるな!!」
こういう言葉を、私はしょっちゅう浴びせられていました。
突き放すことによって、こちらを怯えさせて
もし出来なければ、見捨てるかもしれないという恐怖感をチラつかせ
物事を半ば強制的に教え込もうとする。
強引に出来るようにさせようとする。
…そういう手法の子育てをしていた父。
子どもの頃、自分が感じていた思いは
不満や怒り、理不尽な扱いを受けた悲しみ、
自分の気持ちを理解してくれなかった父への、憎しみに似たような気持ち。
こういう気持ちが出てきた日は、自分がもういいと思えるまで、
徹底して口に出して吐き出していきます。
「助けてよ」「守ってよ」「見捨てないでよ」
小さい頃に感じていた、自分の気持ちをひとしきり言っていくと…
だんだん気持ちが落ち着いてきます。
そうやって自分の気持ちをある程度言い切って、落ち着いてくるころ
予想外に、今度はべつの気持ちが
言葉になって口から出てきたりします。
「だけど… 」
お父さんも大変だったんだ。
仕事が忙しくて、悩みを抱えて、ボクのことまで手を掛けられなかったんだ。
だけどボクのことを心配していた。
だから束縛したんだ。
束縛して、自由を奪って、自由にさせないことで、ボクを守ろうとしたんだ。
安全な自分の目が届くところに、ボクを縛り付けたんだ。
それは、ボクのことを愛していたからだ。
ボクのことを心配していたからだ。
忙しくて悩みを抱えていたお父さんは、ボクのために、そういうことしか出来なかったんだ。
お父さんも大変だったんだ。
ここに書いた言葉がぜんぶ口から出て、しばらく経つと
私の気持ちは軽くなっていました。
なぜかテンションが高くって、今まで沈んでいたのがウソみたいな気分だった。
子どもの頃に言いたくて、でも言えなかった言葉の数々。
それらに気づき、言えたことで、
自分の感情に蓋をしていた、思いの塊のようなものが、
言葉といっしょに流れて出たのでしだ。
ごほうび…という訳ではないけれど、
私は、気晴らしに外へと遊びに行きました。
外は晴れていて、清々しい気分だった。