子供の運動会を観に行った。

 

 

 

すごく久しぶりに子供の暮らす土地へ行ったので

 

降りる駅を間違えて

 

開始時刻に間に合わなくなったと思い

 

とても慌てた。

 

田舎なので、次の電車まで30分。

 

タクシーを拾った方が早いかと探しても

 

車1台も 人一人の影もなかったので

 

諦めて電車の時間を調べてみたら

 

朝の通勤時間帯だったので思ったよりもずっと早く次の電車が来て

 

子供の出番には間に合った。(よかった。)

 

 

 

 

 

子供の学校へ行くのは

 

いつも勇気が必要だった。

 

好奇の目で見られているような気がした。

 

だから精一杯の虚勢を張って

 

自分を奮い立たせて出かけていた。

 

でも今の私は不思議と

 

肩の力が抜けてきていて

 

どこへ行っても「ただの私」でいられることができるような気がしていて

 

そんなモードだったので

 

学校へも、そのモードのまま行ってみた。

 

(大好きな人のお店で買ったお気に入りの服を着て。

 

そこだけは、ちょっと武装した。)

 

 

 

 

楽だった。

 

だれも私のことなんか知らない。

 

だれも私のことなんか気にかけない。

 

それが良かった。

 

ずっとそうだったのかな。

 

 

 

 

 

元旦那さんと

 

子供たちのおもしろ話をしあって笑った。

 

こんな人だった。と思った。

 

たぶんこの人はずっと、こんな人だった。

 

酷いことをした。

 

酷いことをされた。

 

そこから、今日を描くことはできなかったけれど

 

なぜか今日はやってきた。

 

子供たちへの愛情がきっと同じぐらいあるから

 

私たちは共感で繋がれるのだった。

 

子供たちの話を

 

こんなにもできるのはきっと、この人だけだ。

 

 

 

 

 

グラデーションだ

 

と思った。

 

急には変わらないけれど

 

何かが少しずつ

 

何かと混じり合って

 

確かに変わっていくのだ。

 

 

 

 

 

運動会は午前中だけで終わり

 

いつもと違って明るい帰り道を歩いていると

 

「あぁ。今、完璧にしあわせだ。」

 

と思った。

 

 

 

 

 

暖かく晴れて

 

心地よく風が吹き

 

時間に追われず

 

なにをしても良く

 

自由な時間がある。

 

そして子供たちにたくさん愛情を与え、受け取った。

 

好きなものを買って

 

好きなものを食べ

 

家を整えた。

 

大好きな人への贈り物を準備し

 

大好きな人から贈り物を受け取った。

 

 

 

 

 

しあわせだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっとしあわせに感じた今日という日は

 

色々なことが

 

大きなことも 小さなことも

 

少しずつ影響して

 

重なり合って 混じり合って

 

グラデーションになって出来上がった

 

愛しい一日。

 

 

 

 

 

もう二度とこない

 

愛しい愛しい 一日。