生徒が、作文が全く思いつかないというので、手伝っていました。

何について書きたいというのも無い。じゃあ部活で学んだことにする?

テニス部に入った理由は?
辛い時はどんな時?
楽しい時は?
憧れの先輩は?
どんな選手になりたい?
自分の弱点は?
そのためにはどんな練習が必要だと思う?

色々、インタビューをしてました。

原稿用紙4枚強というのは、文章を書き慣れてない子には、なかなか辛い量のようで、筆が全然進まず大苦戦。

だけど、一緒に文を考えながら、私も色々思うことがあったのでした。

心にもない、それっぽい事を器用に文章にできる子もいるだろう。それはそれでテクニックだし、原稿用紙を前に少しも気取らず、本音を赤裸々に書ける子もまた少ない。

思う事は色々あっても、テレビカメラの前では何も話せなくなるように。気持ちは晴れてなくても、カメラの前では笑顔でピースをするように。

私たちは、かっこつける。取り繕う。記録として残るものに弱い。無難なものを求められていると勝手に思う。赤裸々な本音を言えば問題になる、と身構える。

だけど、ありきたりな無難な取り繕った言葉は、誰の心にも響かない。皆同じようなことを言うから。個性がないから。

人が言わないことを発信するのは、勇気はいるけど、届く人の心には届く。

とは言え、赤裸々に挑発的なことを書けばいいわけでもなくて、人の心に響く内容は難しい。

そんなことを思いながら。

負けそうな試合でも、諦めずに戦えるような選手になりたい、という作文を手伝っていた。

スポーツなんて、何でもそう。流れが悪い試合を経験したことのない選手なんていないでしょう。

じゃあ、人生の他の場面でも、そうやって体調やメンタルの不調をパフォーマンスに響かせずにいられるかというと、正直難しい。

それとこれとは別だ、と全力をいつも出せる人がプロなんだろう。私も不安に負けずに割り切らなきゃ。強くならなきゃ。

と、頭では思うのに、結局いつも自分の感情に振り回されている。

感情と上手く付き合っていくのは、本当に難しい。一生の課題なのでしょう。