11日の夕方出発し昨日東京から帰ってきました。
昨夜、テレビ東京のガイアの夜明けという番組で北海道の酪
農の事を放送ていました。
北海道は酪農が盛んですが、それを一手に仕切っているのが
ホクレンという農協の組織です。
飼料の販売から生産した牛乳の買い付け、牛の繁殖、費用の
貸付など農家が必要とする事は全て農協が関わっています。
一人の人が牛乳の買い付けをする会社を起こしました。
都会から北海道に移り住み酪農を始めた人が最初は農協を利
用していたのですが、買い付ける単価が農協の方が安いので
その会社に変えようとしましたが農協はあらゆる手を使い、
妨害してきたそうです。それでも其れに負けずその会社に売
る事になったのですが、農協は一リットル当たり6円の組合
負担金を納めるように請求してきました。其れを収めないの
なら今まで通り農協に出荷するように言ったそうです。
その人は公正取引委員会に訴え、委員会は独占禁止法の強者
が弱者に立場を利用する事に当たると改善命令を出し、結局
農協からその会社に販売する事になりました。その後数軒の
酪農農家が農協からその会社に乗り換えたのですが、農協は
その会社から牛乳を購入しバターなどの乳製品を作る会社の
営業を妨害しその乳製品会社を倒産に追い込んだそうです。
牛乳を買い付ける会社はバターなどの乳製品を作る準備をし
ました。そして酪農家がその会社に牛乳を納め、その会社が
新しく作る乳製品を製造する会社に牛乳を売りバターを作る
と今日本での乳製品は全て農協を通して製造販売しています
が、その会社の販売価格は今までの流れのバターが250円
/100gなのに対し150円/100gで販売できるそう
です。
日本のバターは世界でも飛びぬけて高いそうです。日本以外
で次に高いフィンランドに比べても倍以上の価格だそうです。
結局日本の農業は全てを取り仕切る農協が搾取する制度にな
っているようです。農家は農協に収めている限り収入が少な
く後継者が居なくなる、消費者は農協が取る中間マージンで
農産物が世界でも飛びぬけて高い物を買わされています。
今年私が出荷した梅で見ると43本の内10本を梅干し製造
会社に販売して得た金額が約5万円なのに対し農協に納めた
33本ぶんは農協から手数料などを引かれ得た金額が約
1700円でした。肥料、消毒薬、出荷する為の資材の合計
はその10倍以上になります。
農協を相手にして農業をしていても成り立たないと思って来
年からは違う方法を考えていたのですが、ガイアの夜明けを
見て、その考えが正しかったと思いました。
企業が農業法人を作り独自のルートで生産から販売まで行う
様になりましたが、その農業法人は土地を購入し従業員を雇
い営業していますが立派に経営が成り立っています。
日本の農家が衰退するのも消費者が高い農産物を買わなけれ
ばならないのも日本の農業の殆どを牛耳る農協と言う巨大な
シンジケートが存在する事が原因ですね。
都会の周辺で農家が賃貸マンション等を造る場合でも金融か
ら設計、工事まで農協が絡んできます。農協の取るマージン
が設計から工事、入居まで関係する会社にとって重荷と
なっています。しかし農家は農協を通さないと嫌がらせをさ
れ事を恐れて農協に任せています。
本来農家の為の団体に筈の農協が農家、消費者を食い物にし
ている現実を改めて確認しました。