「忍」の一字。

 

60〜70代前半くらいの主婦の方が

よく言われることではないでしょうか?^^;

 

うちはカナダに住んでますが

ケーブルテレビで日本の番組を見る事が

出来ます。

先日、子供と「家族に乾杯」という番組を

見ていました。

現地校での日本人メイトが出身県という

ことで、”ちゃんと”見ていたような?

あ〜こういう方言だったね、と。

 

そこで、70代の主婦の方の言葉が

気になった。

”家族に乾杯”らしく

「でもご主人とは仲良いんでしょ?」という

質問に対し、

 

「いいえ、そんなことない。」

「もうね、忍の一字!」

 

・・・”お母さん”空気読もうか?と

思ったシーン。。。

それでも、番組進行のために

家族の良さを引き出そうとする

質問をあれこれしていた”○るべさん”。

その”お母さん”から、

ご主人に関しての良いお答えが

出ないとなると、「良い加減」で

他の人に質問をふっていたので、

さすがだな、と

思って見ていました。。。

 

それにしてもなんとなくひっかかった、

この主婦の方の言葉。

 

「”忍”の一字。」

 

これね、良かれと思って言ってると思うんです。

だって、全国ネットですよ。

忍耐は美徳!っていう世代。

だから、ある意味、武勇伝なのでしょう。

 

その会話の前に、

「いやーおキレイですね。」

「観光課の人か何かでしょ?」

 

って色々ゲストさんにも褒められているのに

「いいえ、そんなことない。」

「ちがいます。主婦です。」

と、一切否定。

 

これも、きっとその年代の価値観では

そこで素直にありがとうと喜んでしまっては

自分の価値が下がるのでしょうね。

謙遜ってやつですか。

 

でも、何かを犠牲にしてまで

謙遜しなくても、その場にいる人に

何にも悪影響を与える事がないなら

素直に喜んじゃっても、

いいんじゃないですかね?

(ジェネレーションギャップ?)

 

この人の言葉に、ご主人に対する

不満あふれる言葉に、自分の母を重ねました。

この方は70代中盤だそうでしたが

母は、まだかろうじて60代後半。

 

まー年代的にはだいたい同じ。

一応シニアだけど、60代ってまだまだ

元気。

人生80年、もしくは女性なら90代まで

元気でもおかしくない時代。

我が子(孫)が30歳になっても元気

かもしれない。

 

そう思うと、まだまだ余生が残っているなら

”ご主人”の文句言いながら、

「忍の一字!」を美辞麗句として我慢の人生を

送っているよりも、

 

「お母さんには、幸せになってもらいたい!」

 

これが子供からのメッセージなんだけど

いかんせん届かないんだね。。。

 

いや、もしかすると、これで案外幸せなのかも。

年金暮しで、自分たちの生活は質素にしておけば

とくに不自由していないし、いつもおうちは

ピッカピカで、

主婦の鏡としての人生を、謳歌してるのかも。

 

”ご主人”を悪者にして

「自分が我慢してやってるんだから、

エライでしょ?」という形が、気分が良くて

好きなのかもしれない・・・。

 

シニアライフになってからの母を観察していて

そんな気もしてきました。

 

今は、家族以外に話す人が

ほとんどいないシニアライフを過ごしている

けれども、エネルギーが有り余っているのでしょう。

孫の進路などにも首突っ込んできそうで

怖い。。。

だから、自然と足が遠のく

「おばあちゃんち」。

孫同士の会話からも、「おじいちゃんの方が好き」

と全会一致な意見が出ているそうで、

なんだかなあ。。。

 

そんなこと露知らず、

ご主人に「尽くしている」(←自己満レベル)

つもりなおばあちゃん。孫にもそれを

強要するような言動は、ちょっと頂けないと

おもったけど、孫もバカではない。

 

きちんとスルーできる!

自分を大切にすることができる子に

育って良かった!

 

しかしおばあちゃん、家族以外で何かの

折に話が弾もうものなら、

「我慢が美徳!」と人との会話の中に、今までの

苦労=我慢してきた自分を美化する

「美談」をとくとくと話して聞かせる。

・・・他に話題はないのか?

 

ないんだね。

外に出ないから・・・。

 

だからもし仮に、うちの母が、

あの番組に偶然出て、ご主人のことを

聞かれたら、延々に我慢してきたことを

語りだして、カットされるだろうな、と

思ったのでした。

そもそもあんまり外に出ないから

偶然取材にあう機会すら確立は少ないかも

しれないけど💦。。。

 

父親よりも頑固で人の意見を享受できない

シニア母・・・これから介護問題が

出て来た時、ちょっと先が思いやられるけど

親子逆転で、最後の人生徳を積めるように

説得できると、いいなあ。

 

・・・ってことは、同じ人生を

歩んではダメだ。

頼まれた仕事はきちんとこなして

ママだってしっかり稼がないとね。

 

無理のない範囲で。

「忍」は一時的で、いいんです。

 

「忍」の一字をずっと持ってなくなっていい。

積もり積もって、どんどん固くなっていっちゃうから。

けんかして発散したって、いいんです。

ちょこちょこ吐き出すこと。

 

 

かたや、90歳前後の仲良し夫婦は、

 

「けんかするから、仲が良いんですよ。」

 

と、ケロッと言ってのける。

それを笑い話にしておしゃべりに花が咲く。

周りにはご近所の人が大勢、自然に集まって

わいわいおしゃべりしに来ている。

だからこそ、元気で長生き、なんだろな。

 

・・・そういう長生き、目指したい。

目指して欲しい。

シニアの親にも外に目を向けて欲しい。

そういえば義理のうちも、意外と

そんなに社交的では、無かったな・・・。

 

ご近所さんとか、ボランティア活動の人としか

会話していないし。ご近所さんとは中国語しか

話さないから、ボランティアで英語忘れないように

会話できるところに行っている、と。

うちの親よりよっぽどパワフルだけどさ。

 

年を取ると

自分のポリシーが強すぎて、

柔軟に周りに合わせる事が、

苦手になるのかも?

それがどれだけできるかが、元気で

長生きの、「鍵」かもしれない。

 

いや、シニアだけじゃあ無いか・・・。

 

人見知りがある人は、勇気を持って

克服したほうが、いいね。

外は敵だらけ、かもしれないけど、

案外味方のほうが、たくさんいるんだよ。

 

自分が発信するエネルギーが、返ってくるだけ

だから。

助けが欲しい!っていうエネルギーを発していたら

手を差し伸べてくれる人が、必ず現れるはず。

待ってるだけじゃ、ダメ。

自分から、まずは外に出ないとね。

 

これを親に勧める事が、難しい・・・。