テスラが「6兆円企業」と評価される4つの理由 | 権利収入@月収10万円

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テスラが「6兆円企業」と評価される4つの理由

 

Business Insider Australiaによると、自動車メーカーは2016年に8,800万台の車を出荷しました。そのうち、テスラが出荷した台数は7万6000台にすぎません。けれども、ウォール街はテスラを、アメリカの他のどの自動車メーカーよりも高く評価しています。

この評価の違いはどこから生まれるのでしょうか?

それは「将来性」です。テスラを既存企業と比べる人があまりにも多いのですが、それは間違いです。テスラは単なる自動車会社ではありません。

20世紀ころ、ほとんどの人は、新興の自動車会社を既存の馬車製造業者と比べていました。馬車も自動車も輸送手段であることに変わりはなく、なんとなく似ていましたが、たった1つはっきり異なる点がありました。それは乗り物を動かすのが、車の前に取り付けられた馬なのか、それとも信頼性が高くなかったうえに騒々しい内燃機関(エンジン)なのかという点です。

自動車は、馬車とはまったく異なるものでした。そして今では、馬車は博物館でしか見ることができません。内燃機関を中心に築かれたビジネスモデルの企業が、馬を使ったビジネスモデルを破壊したのです。そして今、既存の自動車メーカーすべてが、それと同じような結末を迎える恐れがあります。テスラが、既存企業を破壊に追い込む新しい輸送方法を提案しているからです。

テスラが評価される4つの理由

電気自動車は今使われている車に比べて、大気汚染や部品の数が少なくより静かでスピードも上回っています。現在では、電気自動車を実現可能なビジネスにするために必要な技術(十分な性能を持つ手頃な価格なバッテリー)がそろっています。専門家や自動車業界に興味を持つ人の大半は、今世紀中ごろには自動電気自動車が主な輸送手段になっているだろうという点で、意見が一致しています。既存の自動車メーカーにとっては悪い知らせです。

 

第1に、自動車メーカーは、1世紀以上にわたって専門技術を積み重ね、効率的な機械的推進システム(動力を生み出す内燃機関と車輪を動かす伝導装置)のデザインと製造を行ってきましたが、電気自動車を製造する際、そういうデザイン技能やサプライチェーン、専門的な製造技術のほとんどは役に立ちません。いや、役に立たないどころか、資本設備と膨大な社員数という負の遺産が会社にとって重荷になります。数年もすれば、従来型の車を製造している既存の工場で役に立つのは、屋根と壁だけになってしまうでしょう。

第2に、現在の自動車産業はテスラの1,000倍もの規模があるかもしれませんが、電気自動車エコシステムの専門知識と注ぎ込む資金の量に関していえば、テスラはどの既存メーカーにも負けていないといえます。テスラがリチウムイオン電池工場「ギガファクトリー」と電気ドライブトレイン設計に投資した額、そしてその生産量は、全自動車メーカーの総額を上回っているのです。

第3に、車の未来を担うのは電気自動車だけではありません。自動運転技術やインターネット接続性も重要です。自動運転車に関する記事はたくさんありますが、念のため、自動運転のレベルをここでおさらいしましょう。

  • レベル0:車は警告を出しますが、運転者が車をコントロールし続けます――例:死角を知らせる警告。
  • レベル1:運転者と車が協力してコントロールします――例:アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)では、運転者がハンドル操作をコントロールし、自動運転システムがスピードをコントロールします。
  • レベル2:自動運転システムが車を完全にコントロールします(アクセル、ブレーキ、ハンドル操作)。運転者は監視し、自動運転システムが反応しない場合には割り込みます。
  • レベル3:運転者は携帯電話の操作をしたり、映画を見たりできます。急ブレーキなど、ただちに反応しなければいけない状況にも車が対処します。ただし運転者は車の要請に応じて、限られた時間内に割り込めるよう準備しておかなければいけません。
  • レベル4:安全のために運転者が注意を払う必要はありません。運転者は眠ったり、運転席を離れたりできます。
  • レベル5:人間が関与する必要はありません――例:ロボットタクシー。

自動化のレベルが1段階上がるたびに、ソフトウェアの工学的なデザインとイノベーションが大幅に必要となります。車に搭載されるソフトウェアの容量は増える一方です。次世代の乗り物は文字通り、「車輪のついたコンピューター」となるでしょう。既存の自動車会社にとって電気ドライブトレイン、自動化、インターネット接続性などは、コア・コンピテンシー(競合他社を 圧倒的に上まわるレベルの能力)ではありません。

第4に、既存の大企業は、確立されたビジネスモデルを展開しており、さまざまな工程や手順、進捗状況を判断するための重要な指標を築き上げてきました。けれども、電気ドライブトレイン、自動運転などの「破壊的」な技術が生じるなかで、ビジネスモデルを変えるのはきわめて難しいという事態になります。ビジネスモデルを新しいものへ変えることに成功する企業はほとんどありません。

さらに、テスラは輸送業界の破壊を牽引する最初の企業になるかもしれませんが、最終的に業界のリーダーになれる保証はありません。いずれにせよ、尋ねるべき問いは、「なぜテスラがこれほど高く評価されているか」ではありません。「なぜ既存の自動車メーカーは、馬車メーカーと同じように評価されないでいるのか」と尋ねるべきなのです。