ほうちしない言いながら、おもっきし放置したな、私。




一旦、長編のほぼ毎日更新を止めます。このままでは駄文しか産まれませんの。
あと、小説家になろう、っていうサイトでも書き始めました。
そんなに書きたいなら新人賞いけよ、って感じですが、多分いつかやります。
私は更新せずとも、ペタ返しはやりますのでご安心を。
でわでわ、また会う日まで

「…ごちそうさま」

空になった茶碗の上に箸を置いて、俺はリビングを出る。

悠がこちらを横目で見てきたが、気づかないふりをした。まだ悠や、両親は半分も食べ終わっていなかった。

しかしそれは、この三人の食べる速さが遅いということじゃなく、俺が速く食べただけのことで。

なに一つ言葉を漏らさず、手と口を機械的に動かしていた結果、俺が一番速かっただけの話。

---。

…………!

アハハハハ。

夕食を続ける三人は、変わらず家族らしい談笑を続ける。

俺は居ても居なくても変わらない。

だって俺は、すべからく背景なんだから。

…………。。。。。。。




「おはよう、赤坂君。昨日はいきなり消えちゃってごめんね」

朝、俺が席に着くなり、前に座っていた彼女-青木園枝が体を反転させて、話しかけてきた。

-朝から美少女に話しかけられるシチュエーションというのは、なんとも主人公のようだなぁ。

ぼー、と適当にそんなことを考える。

-主人公。

皆一度は考えたことがあるのではないだろうか。自分は「主人公」なんだと。

なんの主人公かは、なんでもいい。

スポーツだろうが音楽だろうが勉学だろうが青春だろうが、なんでもいい。

ただ人より突出した部分があると、考えたことはないだろうか。

ないわけないよな?

「赤坂君?無視するほど怒ってた?」

自分には、何かあるんじゃないかと、思ったことがあるだろう?

人とは違う。周りとは一線を画した能力。

期待しただろう?

「あー…赤坂くーん?あのー反省はしてます、はい」

体の半分以上が水で出来た自分に。

期待を…。

「う…ぅう…。赤坂君…、ごめんなさい…」

「っ!?」

と、気がつくと、目の前に半泣きの少女がいた。

「お願いだから無視しないでください…」

……どうやら考え事に没頭して、彼女に返答していなかったみたいだ。

そもそも朝、誰かから話しかけられることなど無かったからな。

うん、言い訳だな。

「うん、ごめん、大丈夫。ちょっと考え事してただけだから」

「…本当ですか?怒ってませんか?」

彼女は目を潤わしながら、上目づかいで聞いてくる。

美少女だと、こんな仕草も絵になるんだなぁ。こういうので高校生男児は恋に落ちちゃったりするのだろうか。確かに分からないこともない。

あぁ、勿論、『高校生男児』とは、主人公やその周りのサブキャラ、モブキャラのことで。

背景は含まない。

「あぁ、怒ってない。本当に」

俺がそういうと、彼女は安心したのか、「ならよかった」と言って笑った。

感情の移り変わりが激しい奴だな。

そういえば、毎朝姦しい連中もいきなり怒ったり笑ったりしていたな。

なんだろうか。落ち着きがないと、主人公の周りにいるような人間になれるのか?

どうでもいいけど。





一週間。

同じ生活が続いた。

凹凸も山も谷もない日常が続いた。

毎日『彼女』と喋る。何んでもない。どうでもいい話を。

そして、分かった。

青木園枝は主人公だということを。

誰にでも優しくて、明るくて、新しいクラスに慣れ始めた皆からの人気を、勝ち得ていた。

--眩しかった。

目が眩んで。

視界のほとんどが見えなくなって。

それが不快で。

彼女と一緒にいるのが重荷で。

辛かった。

だから。

俺と彼女の間にある分厚い壁は、無くならない。

手を伸ばせば触れるほどの彼女との距離が。

余りにも遠いのだ。