EAST ASIA U-25

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東アジアの均質化が、日々、猛スピードで、進行している。

とりわけ、U-25世代の均質化を、香港、澳門の巷間を闊歩する度に、強く感じさせられる。

いずれの雑踏にも、地元居留民の他に、東京以上の割合で、大陸沿岸都市部、台湾、韓国、日本等、東アジア各国からやって来た人々が紛れているが、なし崩し的に、体躯、面構えはいうまでもない、服装、挙動、風采などのケジメがなくなってきているようで、口を開くまで、はて何処から来た人間なのかしら、という局面が多くある。

中でも、U-25世代の国籍特定が困難で、大陸内部からのオノボリさんと思ったら、正真正銘の日本人だったなんて極端な例もあるが、日本人の学生の一群れだと思っていたら、上海、ソウル周辺からやってきたグループだったり、台湾の女学生かなと思ったら、実は日本人なんてことが、しばしばである。

東アジアの住民同士でないと、なかなかケジメのつけにくい特徴が、さらに微妙な違いになってきた案配である。

極東の地方都市だけでなく、東アジアの各国主要都市の人々が、極東の首都に憧れ、積極的に前倣えをした結果と見る向きもあろう。

とはいえ、極東が、むしろ、アジア各国に倣い、見境なく、さかんに様々な事物、生活様式を移入している側面もある。

各国の現場を闊歩すればするほど、アジアの盟主＝極東という従来の枠組みで、現在進行中の東アジアの均質化を捉えるのは、アナクロニズムの極みとも思わざるをえない。

いつ果てるとも知れない、岸田秀にならって言うなら、アジア各国を対象にした《内的自己の暴発》、NET上の罵詈雑言、泥沼中傷合戦とは裏腹に、今後、東アジアの均質化は、ますます進行していくのはまぎれもなかろう。

U-25世代の外見上の均質化を、彼らが中心になって、時流の舵取りを始める頃には、AU構築への流れが急激に加速する兆候ではないか、と推察するのも、あながち早合点ではあるまい。

また、各国の現場で、東アジア均質化の現実を、目の当たりにすればするほど、強く思い知らされたことといえば、NET上のアジア各国を罵り尽くす言葉の多数が、いかに経験によって裏打ちされていないかにつきる。

李登輝学校の教え (小学館文庫)/李登輝