夫の遺影を見ながら想い出す
4年前の桜の季節
夫の遺影は
4年前の3月
息子の大学キャンパス前で撮影した写真
コロナの影響で卒業式は中止になってしまったけど
学位授与式はあり
夫婦で大学迄行きました
スーツ姿の息子と2人並んで撮した写真
卒業を喜び安心したような穏やかな笑顔の夫です
私が撮した卒業を祝う記念写真
後にそれが夫の遺影になるなんて
勿論、思いもよりませんでした
この年の桜の開花は観測史上最も早く
この日は満開
キャンパス付近は桜の名所があり
来たついでに夫をお花見に誘いました
夫婦で神社と緑道の咲き誇る桜を見ながらの散歩
水面にしなだれる綺麗な桜に感動している私に
「桜と一緒に写真撮ってやろうか？」と夫
お花全般に無関心な人でしたが
夫婦でお花見のタイミングが出来て嬉しかった
30年以上一緒に過ごして来たのに
驚かれるかも知れませんが
夫とお花見はこの日が初めてで、この一度きり
良い想い出となりました
毎年桜の季節は
遠回りでも沢山咲いてる道を選んで通っていました
家から少し離れた所にある桜並木は大好きで
桜のトンネルが綺麗だったなぁ
夫とお別れしてからの自分は
桜を見るとなんだか心が苦しくなり
目に飛び込んで来る桜には目を逸らし
避けて通るようになってしまった
死別間もないな昨年の春は
綺麗であろう桜が綺麗には見えず怖く感じた
私の住まいの方では
すでに葉桜になりました
あっと言う間の花の命
儚さ潔さ
咲いてる時の圧倒的な存在感
夫の太くて短い人生と重ねてしまう
でも桜はまた季節がくれば咲くけれど
もう夫は夫としてこの世に戻って来てくれないんだよね…
戻って来て欲しいよ…
遺影の夫をボーと見ながら思ってます