矢 6~世話役であるビーシュマ(逆位置)
ーKeywordー
【逃避】
逃げようとしているのでしょうか、進もうとしているのでしょうか?
-恋愛-
行動することを先延ばしにしそうです。
-仕事-
「私は、十分にやっているか?私は、十分に忍耐強いか?」そう自分に問いかけてみて下さい。
-対人-
自分の責任をとることを拒み、運命や相手のせいにしたくなりそうです。
カードの意味
ビーシュマは、彼の最愛の王国を相対的には安全な状態へとうまく導いていきましたが、彼の義理の孫たちは、彼らの祖父たちと同じようにはうまくいきませんでした。
クル一族の目の不自由な王、ドリタラーシュトラには、長男のドゥルヨーダナ以下100人の王子がいて、 カウラヴァ一族を持っていました。
ドリタラーシュトラの亡くなった弟、パーンドゥには、長男ユディシュティラ以下5人の王子がいて、パンダヴァ一族を残しました。彼らは、祖父の行き届いた世話を受けながら、修行をしていました。
パーンダヴァ国の首都のハスティナープラの繁栄と豊かさは保証されていました。 彼ら自身が、彼らが招きよせるであろう明るい未来を射止める技術的な可能性を秘めた鋭い矢だったからです。
しかし、その方程式には苦い、嫉妬深い、悪意のある要素がありました。そしてその要素によって、全てが破壊されることでしょう。クルー族王子、ドゥルヨーダナは、彼のいとこを残酷なまでに憎んでいました。すべての事柄において、彼らの方が優位に立っているのを知って、煮えくり返っていました。
無意識のうちに、彼の矢はパーンダヴァ国、一族の中心を指していました。彼は忠実な祖父ビーシュマを恐れず、誰ともハスティナープラを分かち合おうとはしませんでした。
ドゥルヨーダナは、実際に多くの才能を持っていましたが、それを凌駕する能力を妄想していたので、常にナンバー2であるという陳腐な現実に行き詰まっていきました。
*『マハーバーラタ』は世界3大叙事詩の1つとされています。(他の2つは、イーリアス、オデュッセイア)。『ラーマーヤナ』と並び、インド2大叙事詩の1つです。サンスクリットで書かれており、全18巻あります。
マハー=偉大な、バーラタ=バラタ族、偉大なバラタ族の物語です。バラタ族のなかのカウラヴァ家(クル家)とパンダヴァ家(パーンドゥ家)の争いを軸に物語は進められます。
物語の登場人物が誰かに教訓を施したり、諭したりするときに、神との対話や賢者の助言として、たくさんの教訓が入っています。それらが、インドの哲学、宗教の原点となっており、特に有名なのが神の歌を意味する「バガバッド・ギーター」です。
「バガバッド・ギーター」は、パンダヴァ家の5王子の一人、アルジュナが戦いを前に、親族でありながら敵対し戦うことの虚しさを嘆くのを聴いた賢者クリシュナが語りかける巻を指します。神へ通じる道として、執着を捨て、もろもろの行為をせよとクリシュナは説きます。アルジュナはすべてを神クリシュナに委ねます。
【Mercury Hiromi 書籍のご案内】