矢 8~
ビーシュマは、彼の人生をクリシュナに捧げる(逆位置)
ーKeywordー
【エネルギーの浪費】
「気になっていることは、本当に重要なことかどうか?」一旦立ち止まって見てみてください。
-恋愛-
何度根絶しても出てくる障害が、また現れそうです。
-仕事-
自分自身を信じる気持ちが欠如していませんか。
-対人-
既に終わっている人間関係に執着していませんか。または、その事実を目の当たりにすることを、拒否していませんか。
カードの意味
ハスティナプラに戦争が起こりました。ビーシュマの長い生涯にわたる犠牲と平和への努力は、廃墟の中にあったといえます。インドの王たちは、パンダヴァまたはカウラヴァの野営地に身を寄せていました。そして、彼らは、恐ろしい神々の黄昏の中で、虐殺や破壊を行いました。ひとつの時代、ひとつの文明自体が絶滅し、最高の皮肉といえますが、ビーシュマが、大虐殺を導くことになりました。神クリシュナが、この恐ろしい結末を企んだからです。彼は、この国家には欠点があると感じて、急速に腐敗している貴族を解散させ、平等ではないにしても人道的といえる、パンダヴァ族のルールに置き換えようとしました。その企てはうまくいきましたが、この無敵の老人ビーシュマは、戦闘において信じられないほどの技量をもっており、破壊という恐ろしい潮の流れを引き戻そうとしました。
ビーシュマはしぶしぶカウラヴァ側についていましたが、いざ戦いが始まると全力を尽くしました。ビーシュマは戦いにおいて、パーンダヴァを殺さないことを誓っていました。彼は孫たちを愛していたからです。パンダヴァ族も、ビーシュマに勝って、生き残るつもりはありません。そこで、クリシュナは、戦車で彼を殺すと脅して、自分でことにあたることにしたのです。ビーシュマは、そのことに大喜びでした。彼の戦術のせいで、クリシュナ(ビシュヌのアバター)が、一度だけではなく三度も、戦争で武器をとらないという彼の約束を破る結果となったのです。クリシュナの手による死は、魂を即座に解放することを意味します。ビーシュマは、人生にうんざりしていて、そのような壮大な出口を提供されるということは信じられない幸運に思えました。しかし、アルジュナが、クリシュナと和解させたので、ビーシュマは、彼の運命から逃れられませんでした。彼の死は、アルジュナの運命の一部となりました。
*『マハーバーラタ』は世界3大叙事詩の1つとされています。(他の2つは、イーリアス、オデュッセイア)。『ラーマーヤナ』と並び、インド2大叙事詩の1つです。サンスクリットで書かれており、全18巻あります。
マハー=偉大な、バーラタ=バラタ族、偉大なバラタ族の物語です。バラタ族のなかのカウラヴァ家(クル家)とパンダヴァ家(パーンドゥ家)の争いを軸に物語は進められます。
物語の登場人物が誰かに教訓を施したり、諭したりするときに、神との対話や賢者の助言として、たくさんの教訓が入っています。それらが、インドの哲学、宗教の原点となっており、特に有名なのが神の歌を意味する「バガバッド・ギーター」です。
「バガバッド・ギーター」は、パンダヴァ家の5王子の一人、アルジュナが戦いを前に、親族でありながら敵対し戦うことの虚しさを嘆くのを聴いた賢者クリシュナが語りかける巻を指します。神へ通じる道として、執着を捨て、もろもろの行為をせよとクリシュナは説きます。アルジュナはすべてを神クリシュナに委ねます。
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