矢 女王~ドラウパディ(正位置)
ーKeywordー
【偉大な女性】
尊敬されるが孤独な存在。
-恋愛-
魅力的だけど、冷たさを感じる人に惹かれそう。
-仕事-
あなた一人ですべてをやろうとしていますか?その必要がありますか?その視点から、もう一度考えてみてください。
-対人-
人の冷たさをみて、一人で居たい気持ちになるかもしれません。
カードの意味
インド神話で、もっとも偉大で最も悲しい女性の一人はドラウパディ(ダーク・ビューティ)です。パンチャーラ王ドルパダのもとに、火の神として生まれた娘です。
彼女は、清らかで敬虔な献身(サティの原義)の5つの模範の一つですが、彼女のカルマによって、同時にクル族の王パーンドゥの5王子の妻となりました。憎しみと嫉妬の蔓延していた一夫多妻制の時代に、ドラウパディは普遍的に称賛されました。なぜなら、彼女の夫や他の妻たちと平和に暮らすだけでなく、彼らの圧倒的な愛と尊敬を得たからです。皆にとって、彼女は最高の存在でした。
彼女の親友で、当時、唯一彼女と同等といえる知識人は、クリシュナ神でした。ドラウパディは、夫のアルジュナと同じくらい偉大な戦士でした。彼の長兄のユディスタラほど賢明で、真ん中の兄弟のビマのように激しく寛大で、最年少の双子、ナクラとサハデバのように国政と芸術に精通していました。
彼女は、また当時の最も美しい女性の一人でした。そして彼女の偉大な霊的な力は、彼女にNitya-yauvani(永遠の若々しさ)を与えていました。
圧力の下でのこととはいえ、彼女は軽く許したり、忘れたりはしませんでした。すべての負傷や些細な事でも、復讐しなければなりませんでした。できれば、血を流して。彼女の前を横切ることは通常死刑でした。しかし、誰もが血に飢えていたとき、彼女は静かな慈悲を示すこともできました。彼女の最も壮大な瞬間は、彼女の子どもを殺したアシュヴァッターマンの命を助けたときでした。
*『マハーバーラタ』は世界3大叙事詩の1つとされています。(他の2つは、イーリアス、オデュッセイア)。『ラーマーヤナ』と並び、インド2大叙事詩の1つです。サンスクリットで書かれており、全18巻あります。
マハー=偉大な、バーラタ=バラタ族、偉大なバラタ族の物語です。バラタ族のなかのカウラヴァ家(クル家)とパンダヴァ家(パーンドゥ家)の争いを軸に物語は進められます。
物語の登場人物が誰かに教訓を施したり、諭したりするときに、神との対話や賢者の助言として、たくさんの教訓が入っています。それらが、インドの哲学、宗教の原点となっており、特に有名なのが神の歌を意味する「バガバッド・ギーター」です。
「バガバッド・ギーター」は、パンダヴァ家の5王子の一人、アルジュナが戦いを前に、親族でありながら敵対し戦うことの虚しさを嘆くのを聴いた賢者クリシュナが語りかける巻を指します。神へ通じる道として、執着を捨て、もろもろの行為をせよとクリシュナは説きます。アルジュナは、すべてを神クリシュナに委ねます。
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