ごきげんよう。栗毛馬です。

少し前のこと。うさぎやのどら焼きが食べたくて、日本橋へ買いに行きました。

ところが、11時過ぎに着くと、既に売り切れの貼り紙が。

次回以降焼成分の予約はできるそうですが、私は買うや否やとんぼ返りするつもりだったのです。待てません。

せっかく、これを買いに来たのに…！

どらやき！どらやき！

どら焼き買わなきゃ、帰れない。

こうなったら仕方ない。

私は泣きながら走り出しました。

目的地は日本橋タカシマヤ、目指すは巖邑堂です。

以前、素敵などら焼きが山積みになっていたことを思い出したのです。

小ぶりなのに結構なお値段だったから購入はしなかったけど、記憶にはしっかり残っていたのでした。

あれを買おう。

それがこちら。

白い袋に黒々と『巖』の字。

どら焼き本体に焼き印はなく、とてもシンプル。

ああ、素敵だ。

いただきます。

どちらかと言うとやや薄めの生地は、引きがありつつ歯切れがいい。

ふわふわとは違い、もう少し意志的な感じのする生地。ほのかに漂う香ばしさも魅力的。

黒糖入りのようですが、黒糖の風味は前面には出て来ず、味に深みとしっとり感を与える程度にとどめている印象。

あんこは、ゆるからずかたからず、ややほっくり。

ああ、これは…。おいしいあんこだねぇ。

どこよりも、豆の味が生きている。

生地とあんこの相性、バランスが絶妙です。

なんておいしいんだろう！

力強く、確かな主張があり、誇らしげな顔をしたどら焼き。

洗練されていながら素朴さを失わず、奇をてらわず、しかしどことなく新しい。

さすが巖邑堂…！

おいしかったです。

またすぐに買いに行きたくなるほどの。

もうすっかり巖邑堂のとりこです。

巖邑堂のどら焼き