ごきげんよう。栗毛馬です。
とらやの季節の生菓子「椿餅」を食べましたので、その感想を。
本当は、販売されるもの全てを食べたいとらやの生菓子だけど、そんなことは無理な相談とわかっています(お金、手間、体への負担。…甘いものは控えた方がいいですからね…)。
でも、せめてひと月かふた月に一回は食べたい。「これぞ」と思う逸品を選んで。
というわけで、二月は「椿餅」。
「椿餅」というお菓子、名前だけは知っていて、長らく憧れていたのです…。
↓この本で知りました
それが「とらや」で出ると知ったら、買わずにはいられないでしょう?
興味津々で読んだ公式サイトの説明文を見て、私はさらに「食べる!」決意を確かなものにしました。
椿餅の歴史は古く、『源氏物語』にもその名が見えます。とらやの『椿餅』は、煎った道明寺粉と肉桂を混ぜて蒸した生地で御膳餡を包み、椿の葉で挟んでおり、独特の香ばしさが特徴です。
(公式サイトから引用)
「煎った道明寺粉」ですって!
煎り道明寺粉なんて初耳です。
煎ると、どうなるんだろう?
「独特の香ばしさ」も気になる。実に気になる!
それで、いそいそと買いに行きました。
わあ…、なんと、なんと美しい!
両端をスパッとカットされた椿の葉は、なぜか裏面を表に向けている。
つややかな濃い緑の表面は、内向き。
なんでだろう…?
これみよがしの艶を粋としない奥ゆかしさか、それともツヤツヤ面の方が餅がくっつきにくい、などの実用的な理由か。
カポ、と容器の蓋を取ると、ブワワ!と広がったのは、肉桂の香り。
シナモン大好き人間にはたまらぬ香りです。
でも、「シナモン」というよりはやはり「肉桂」の香り。
シナモンより甘さが少なく、より力強く濃厚な感じがします。
調べると、「シナモン」と「肉桂」はクスノキ科であることは一緒ですが、違う種類とのこと。なるほど。
椿の葉に挟まれているのは、道明寺粉製のまるまるとしたおもち。
結構な大きさで、ずっしりと持ち重りがします。
そして、思いのほか硬めです。
持ち上げても崩れることなく、しっかりとその姿を保ちます。
断面の画像が欲しくて、カットを試みましたが…。
硬すぎてうまくいかない。
木のナイフをめり込ませるのも、切り分けるのも至難の業…!
悪戦苦闘し、なんとか体裁を整えてやっとこさ撮ったのがこちらの写真。
断面がきれいじゃなくて申し訳ないです(かじってはいないです!)。
粒子の細かい道明寺粉がびっしりとひしめき合って、強固なタッグを組んでいるかのよう。
そして、厚みもある。
この立派な装甲だもの、木製ナイフなんぞでは文字どおり太刀打ちできないに決まっています。
無粋ではありますが、金属製ナイフの方がよかったかも…。
例によって先に食べ始めた、うちの老婦人こと母は。
「椿餅なんて、ただ椿の葉っぱに挟んであるだけでしょ?ただのおはぎじゃない。つまらないわ。わざわざ買うほどのことないんじゃない」
またまた例によって否定的でしたが(この人はいつもそうです)、
ばくりと一口食べて。
「!!!これはおいしい!」
一声叫んであとは黙って食べ進み、食べ終わって、
「椿餅、すばらしい!」
一声吠えて、
「もう、なくなっちゃった!」
満足と不満の両方が入り混じったため息をついたところ。
「あんこが甘いのがすごくいいわ。肉桂の香りも最高。今まで知らなくて損したわ」
だそうですが、どんな味かな?
では、いただきます!
わっ…。
半ば予想はしていましたが、餅の密具合がすごい!
ぎゅっとひしめき合って、ギュギュっと詰まって…すごい弾力です。
かみ切ろうとすると、
「むがあっ!餅っ」
という感じで強烈に抵抗してくる。
肉桂の香りも手伝って、かなり力強さを感じる餅。
あんは、甘めで食感もしっかりめ。これまたしっかり詰まってる…!
一筋縄ではいかない「剛の者」のよう。「力餅」に負けていません。そのくせとてもお上品。
見た目からは想像もつかないワイルドさを秘めたお菓子です。
肝心の「煎った道明寺粉」の香ばしさは、私には正直言ってよくわからなかったです。
ガビガビ感は、特にありません。
ただ、道明寺粉特有のえぐみのようなものは全く感じられず、それはもしかしたら煎ったせいなのかも?
また、粒子が細かくこんなにも密なのは、煎ることで水分が飛び、また粒が小さくなったためなのかも…などと思いました(素人の勝手な感想です)。
販売期間は2026年2月1日〜2月24日。
もう一度食べてみたいけれど…日程的にちょっと難しいかな。