転院先は車で一時間ほど、面会制限があり、平日午後14時から17時の間の10分以内。
面会者は一日に家族13歳以上の2名のみと決められている。
駐車場はどんな理由があれど、時間に応じた料金がかかる。
病院によっては入退院日や、医師からの説明など病院側が来訪を求めた際には駐車場代を無料にしてくれるところもあるため、そうでないことにこのチリツモが家計に堪える。
看病で私の仕事復帰が危ぶまれる将来への不安があり、節約意識が高まる。
子の想定外のことに、次女が産まれる前に描いていた生活はすでに異なりこれから大きく離れていく。
悲しみで涙があふれるが気持ちを強くもたないといけない。
娘は、排便障害があり、腸閉塞の状態で胆汁を嘔吐し、口から栄養がとれない。
ヒルシュスプルング病を疑い外科治療が可能な病院に転院してきたが
転院先の医師からの話では
注腸造影検査を行ったが明らかな狭窄部位などの原因と考えられる結果が得られない。
そのため、まずは自然排便を浣腸や整腸剤の投与で促す。
経口摂取はひとまず中止とし腸管の安静をはかる。栄養は点滴で補う。
それで腸閉塞が軽快すれば一番よいとのこと。
娘は未熟児ではないため、消化器機能の未熟性はなさそうだが、分娩時のストレスにて一過性の消化器機能の低下が原因で腸閉塞がおきている可能性も現時点では否定できない。
新生児の場合、時間経過で自然に治ることも少なくないと。
三週間ほど経過をみて改善がない、原因が検査(注腸造影、造影CT、胃透視)でわかりかねる際は、手術にて試験開腹をする。
こうして保存的に(手術をしない)、症状に対する治療を行うことになった。
排便は定期的なグリセリン浣腸を行っていたが、実施しなくとも自然に出ることもあった。
NGチューブからの排液も減り、嘔吐がないことから、EDチューブ(チューブの先端が空腸にある)から母乳の投与が始まった。
母乳はシリンジポンプから時間をかけて、少ない量から始まり、後に30mlまで増量することができた。
このときは、このまま軽快することへの希望が持てていた。
しかし、面会に行くと、母乳のシリンジポンプはなくなり、代わりに脂肪乳剤の点滴がついている。
NGチューブからの排液も増えている。
看護師に尋ねると嘔吐もしていると。
腸閉塞症状は悪化していた。
転院から3週間目に入る頃、発熱がみられた。腸閉塞が改善せず、腸炎を起こしていると考えられる。
原因検索のための試験開腹と腸閉塞を解除するため、原因となる狭窄などがあれば切除し吻合、明らかな閉塞部位がなければ腸の機能的な障害とし人工肛門の造設と生検をする。
医師からはこう告げられる。
一部の狭窄があって切ってつなげられればいいが、何度もやった造影検査でわからなかったことだ。
機能障害があって人工肛門の造設、
それはヒルシュスプルング病か類縁疾患であることを意味しており、
それが濃厚だろうと思いつつも僅かな希望にかけたかった。