令和4年9月30日
証券取引等監視委員会は、マーチャントブレインズ投資顧問株式会社に行政処分を行うよう勧告しました。

マーチャントブレインズ投資顧問株式会社といえば、個人投資家に人気の株情報サイト「株エヴァンジェリスト」の運営会社です。
一体何が原因で行政処分勧告が出されてしまったのでしょうか?

そして株エヴァンジェリストは、今後どうなってしまうのでしょうか?
この記事では、現在分かっている情報や過去の事例を基に徹底検証しています。

 

なぜ行政処分勧告が下されたのか?

 
株エヴァンジェリストは、無料会員に対しても手厚いサポートがあることで、個人投資家からの支持が高かった株情報サイトです。
今回の行政処分勧告で驚いた会員も多かったのではないでしょうか?

一体どうして行政処分勧告が下されることになってしまったのでしょうか?
証券取引等監視委員会のウェブサイトの情報を紐解いていきましょう。
 

確認された事実関係

行政処分勧告の原因としてあげられているのが「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽のことを告げる行為等」です。

どういうことかというと、簡単に言えば無料会員向けに配信されているメールマガジンや会員が閲覧できるウェブサイト上に掲載されている助言実績に虚偽の内容があったということです。
その詳細をこの記事で紹介してしまうと、大きく紙面を割いてしまうことになるので、内容を詳しく知りたい人は「マーチャントブレインズ投資顧問株式会社に対する検査結果に基づく勧告について」をご覧ください。
 

なぜ虚偽の内容が記載されてしまったのか?

 
それでは何故虚偽の内容が記載されてしまったのでしょうか?

証券取引等監視委員会のウェブサイトによれば、広告等の審査担当者に営業部の業務を行わせていたことから、メールマガジン及び助言サイトに掲載される助言実績に対する同担当者による広告等審査がほとんど実施されておらず、相互けん制が機能していなかったことに起因して発生したとのことです。
また代表が営業を優先してしまったこと、経営陣の法令等遵守意識が欠如していたこともあげられています。
 

どのような行政処分が下されるのか?

マーチャントブレインズ投資顧問株式会社に今後どのような行政処分が下されるのでしょうか?

通例であれば1か月ほどで、金融庁から正式な行政処分が下されることになるでしょう。
内容については正確にはどんな処分内容になるのか分かりません。

しかし過去に類似した事実関係で、行政処分を受けた投資顧問会社の例から推測することは可能です。

実名を出してしまい申し訳ないのですが、株マイスターを運営するSQIジャパンは平成28年11月に「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、虚偽のことを告げる行為等」を理由に行政処分を受けています。
処分を受けるに至った理由は、マーチャントブレインズ投資顧問株式会社と同様です。

その際に下された行政処分の内容は、1か月の業務停止命令。
そして業務改善命令でした。
 
上記内容はSQIジャパンに下された行政処分の内容です。

ゆえにマーチャントブレインズ投資顧問株式会社も同程度の処分内容になるのではないかと予想されます。
 

追記

令和4年10月21日、関東財務局よりマーチャントブレインズ投資顧問株式会社に対して行政処分が下されました。
処分内容を以下に引用します。
 

(1)業務停止命令

新たな投資顧問契約(契約金額の増額を伴う変更契約を含む。)の締結に係る勧誘・契約締結を令和4年10月21日から同年11月20日まで停止すること。

 (2)業務改善命令

  1. 不適切な広告の掲載を直ちに停止すること。
  2. 本件の発生原因を分析し、適切な業務運営態勢及び内部管理態勢の構築を含む再発防止策を策定・実施すること。
  3. 全ての顧客に対し、今回の行政処分の内容を説明し、適切な対応を行うこと。
  4. 本件法令違反行為の責任の所在を明確にすること。
  5. 上記1)から4)の対応状況について、令和4年11月21日までに書面により報告すること。
 

株エヴァンジェリストの今後は?既存会員はサービス受けられなくなるの?

 
既に株エヴァンジェリストの会員としてサービスを受けている人は

「今受けているサービスが受けれなくなってしまうの?」
「有料サービスの申し込みをしたばかりなんだけど?」


などの不安があるかもしれません。

結論から言えば、その心配はしなくても良いです。

業務が停止するのは、新たな投資顧問契約の締結に係る勧誘・契約締結です。
既存会員はこれまで通りのサービスを受けることができます。

マーチャントブレインズ投資顧問株式会社の今後についてはどうなってしまうのでしょうか?

今回犯してしまった行為は決して褒められるものではありません。
しかしマーチャントブレインズ投資顧問株式会社は、悪質な投資顧問会社ではありません。

行政処分の内容を真摯に受け止めて、業務改善したのちに健全に運営してくれることでしょう。

例えばSQIジャパンは過去に行政処分を受けてしまいましたが、現在は健全な運営を続けています。
一方で悪質な投資顧問会社は行政処分を機に業務を縮小、実質休業状態になってしまう会社も少なくありません。

マーチャントブレインズ投資顧問株式会社の場合は前者のケースが当てはまると思われます。
株エヴァンジェリストは、生まれ変わって健全な運営を続けていくことでしょう。
 

追記

マーチャントブレインズ投資顧問株式会社が運営する株エヴァンジェリストのウェブサイトにて、代表の加藤雄太郎氏から今回の行政処分についての謝罪文が掲載されました。
 
令和4年9月30日付で、証券取引等監視委員会から行政処分を求める勧告がなされておりましたが、本日当社に対して以下の行政処分が行われました。このような行政処分を受け会員様をはじめ、関係者の皆様に多大なご心配ならびにご迷惑をおかけしましたことを改めて深くお詫び申し上げます。

当社では、この度の業務停止命令および業務改善命令を重く受け止め深く反省すると共に、今後このようなことが起きないよう、早急に当社の業務運営および内部管理体制を見直し、意識改革を含む改善策を責任を持って実行して参ります。そして、一日も早く会員様へ今まで以上にご満足頂けるサービスをお届けできるよう、当社役職員一同全力で取り組んで参る所存です。
 
(中略)
 
なお、業務停止期間中につきましても「現在ご契約を締結されている会員様におかれましては、契約期間中は従来通りのサービスはご利用頂けます」ので、ご安心くださいませ。

また、その他の会員様へも無償にて朝夕刊レポートや市況コラムなどの情報配信をさせて頂きます。行政処分が明けた際には一新した当社サービスをご提供できますよう努めさせて頂きますので何卒、宜しくお願い申し上げます。
 
会員の皆さんは、生まれ変わった株エヴァンジェリストに期待して待ちましょう。