19時。まだ明るさが残っている。宵待ち草がいきいきとしている。
巴橋を歩きはじめてきづく。足元をなにかごそごそ動いては散っている。
小さな小さな蟹がたくさんいた。なぜ?
富崎橋に立つ。細い月だ。寂しい色のない月。
そばに低く金星だけがはっきり光っている。
筆ではいたような雲。その雲のあいだに明るさ残っている。
その下は広い海だ。私だけかと思ったら”こんばんわ”中年の女性だ。
見知らぬ方だ。私も”こんばんわ”
「ここの海、ここの風景かしら、私は好きでね、もう20年になるかしら。
でも浜が変わったわ。砂浜が少なくなったわね。この歳になると先がみえるから、
夫婦お互いに自由に生きているの。今は一人で生活を楽しんでいるのよ」とその方は話す。
私は海を眺め”そうですか” 浪の音がここちよい。