相の浜のある家の・話


昔・昔ね、

今のカントリーの下に、うえしの弁天様があってね、そのほら穴に6軒の落武者が住みついたと。

(そのうちの一軒の孫が家の祖先だよ。)

初代の嫁子が近くの神余地区から日蓮様のお掛け軸を持って嫁に来たと。

これを家に掛けておいたら、ある日訪ねてきた御前様が門で身震いしてね。

どうしたことと聞くと、なぜかあまりにありがたすぎるといわれたと、

それで、その家ではそれからそのお曼荼羅の掛け軸を床の間に掛けず大切にしまうことにしたと。

そのご、大正12年の津波のときは、相の浜はあんもかも全部流されてしまった。

子供はみんな代官山へ逃げ、その親は流されてなにもない、家にいくと、あんもねえのに

なんとお曼荼羅掛け軸のみが、ぴらぴらと木にかかっていたと。

そいでね。今でもその家ではお曼荼羅を大切に大切にしまってあるとさ。おしまい。


お家の宗派は聞くと?    浄土宗・・・法然様だよと、これまた不思議?不思議?なお話でした。