blog 布良・相浜の漁村日記

クリップ房日新聞 2009.12.16

ミニ公園のアロエ

 朱色の花鮮やかに


 館山市の最南端に位置する富崎漁港近くのミニ公園で、数百株のアロエが満開に咲き誇っている。太平洋をバックに朱色の花のコントラストも鮮やかで、道行く人たちの目を楽しませている。

 富崎地区は江戸時代、紀州から移り住んだ漁民がマグロ延縄漁を伝え、明治時代に栄えた。遭難も相次ぎ、漁師たちが厳しい自然と格闘しながら士気を鼓舞するために歌ったのが「安房節」。こうした海の男たちの歴史を残すため、平成5年に地元の人たちが中心となってこの地に安房節の記念碑が建立された。

 その際、水の供給が充分にできない環境でも生長が早いといわれるアロエを周囲に植栽し、ミニ公園とした。4年後には地元に住む鈴木馨さんが作詞した「相浜音頭」が、当時の文部大臣賞を受賞。 その歌詞にも「冬もアロエが真っ赤に咲いて」と歌われるほど見事に根づき、受賞記念にさらに増植された。

 最近では塩害のためか葉がやや赤みを帯びてきたが、花はしっかりと

咲き誇っている。太平洋を行き来する船と遠く大島も見渡せ、平砂浦も一望できる地元でも

自慢の景勝地にあり、一度足を運んでみては・・・。