クリップ 房日新聞 2009.10.7付け
blog 布良・相浜の漁村日記


 民話を研究する全国組織の「民話の研究会」(松谷みよ子代表)が3日から1泊2日で、館山市に語り継がれう伝承などを聞き取る採話を目的に訪れた。松谷代表をはじめとする15人が参加。相浜や布良、稲地区に分かれ、地元の民家を訪ね話を聞いた。

 松谷さんは、「貝になった子供」で児童文学者協会新人賞、「龍の子太郎」で講談社児童文学新人賞、国際アンデルセン賞優良賞など受賞している、日本を代表する児童文学作家の1人。信州や秋田、和歌山など各地で、地元の人から土地の伝説を聞き取るために自身で採話する。「土地でしか知られていないような、地元の人の話に魅力を感じる。10年くらい同じ地域に通って、作品になったものもある」と松谷さんは話す。

 今回は、採話のほか、NPO法人安房文化遺産フォーラムの講座や南房総市白浜地域の「お勝節」実演などを見学、また2日目は、館山市里見八犬伝博物館や八犬士の墓地なども訪ねた。

 採話では、松谷さんらは布良に住む船大工の豊崎栄吉さん宅を訪れた。地元の人を集め、日常使っている方言や祝いの席で歌う歌などを聞き取った。地元の話を語るために集まった8人の中には91歳になる女性もおり、結婚式や七五三など人が集まる祝いの席で歌われる「めでたいもの」や「あらたま」など口上を交えて歌ってみせた。研究会のメンバーは、さっそく録音したり、ノートに言葉を書き取って記録していた。



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写真は布良の人びと。左側から、

・青木善吉さん(昭和3.7 81歳)
・小谷栄さん(大正13. 85歳)

・満田多恵子さん(昭和5.5 79歳)

・豊崎美代さん(昭和5.4 79歳)

・豊崎栄吉さん(昭和3.12 80歳)

・松谷みよ子さん(児童文学者)

・島田よねさん(大正11.2 87歳)

・丸山たかさん(大正7.11 90歳)

・青木みよさん(大正6.11 91歳)

・嶋田きみさん(大正11.12 86歳)

写真に映らなかった布良の協力者

・山口栄彦さん(昭和5.9 79歳)

・青木辰一さん(昭和6.8 78歳)

・青木美代子さん(昭和11. 73歳)


相浜の協力者は、