このまま検討せずに終わったらきっと後悔する!と思い、急遽連絡を入れさせてもらった藏持さん。
早速、住宅展示場で担当さんと会って相談することになった。
既に話を進めている住友林業やアキュラホームのモデルハウスが建っているのと同じ展示場なので、担当してもらっている営業さんにウッカリ会いやしないかとなんとなく気まずい気持ち…。
(まぁ、こういうのは仕方ないか…。)
約束は16時だったのだが、10分前に現地に着いたところもう担当さんが玄関前で待っていてくれた。
名前を告げると、
「お待ちしておりました。」
とにこやかな笑顔。
落ち着いた、それでいて精悍な印象を受ける男性営業マンで、くりっとした両の瞳がキラキラしている。営業さんは見た目じゃないけど、明らかに見た目でも得していそうな感じである。
(体力がありそうで、かつ、爽やかな前向きエネルギーを感じられる見た目の営業さんだと、やっぱりお客としては安心できるよね…。)
早速、モデルハウスの中に入りがてら、会社や家作りの特徴について案内してもらう。
イメージしてもらっている通り、「和」の要素を大切にしていること、でも、洋風の要素も織り交ぜて自由に設計できること、無垢材の良さを感じてもらいたいということ、空間の使い方に遊び心を忘れずにいること…。
ダイニングの大きな窓を開けると、濡れ縁とダイニングが繋がったような広がりを感じられる空間になる。
床はヒノキだ。そこに座って、風を感じながら中庭を眺めていると、なるほど、とても居心地が良い。
和室は、大壁(おおかべ)というモダンな現代スタイルのものもあれば、真壁(しんかべ)というクラシックな造りのものもあった。
この真壁の和室は、他のモデルハウスではなかなか見ることができないのでちょっと感動すら覚えてしまった。
現代のハウスメーカーさんが前線に置く家では、こういった古き良き日本スタイルは全く推していない。
私達の生活が変化したからそれはまぁ当たり前のことなのだけれど、でも、
本当にそれは当たり前なの?
こんな素敵な空間を切り捨ててしまっていいの?
と、自問自答してしまうくらいに藏持さんの和室は素敵だった。
建築系のYouTuberの方々の配信でも、よく「和室、本当に要りますか?」系のテーマを見かけるけど、そもそも和室が推されていない環境下で育ったり考えたりしてきた人達が、自分の経験をもとに振り返った場合、積極的に「要る」という選択肢は選べないんじゃないだろうか。
「今までも和室はなくても過ごせてきたし、検討しているハウスメーカーさんのモデルハウスでもクラシックな和室は無いし、別に作らなくてもいいか…」となるのが自然な気がする。
でもそれは、経験が無かったり、ステレオタイプのイメージにとらわれたりしているがゆえに、和室のある生活をイメージできなくて出てくる結論のようにも思う。
犬を飼ったことが無い人は、犬との生活をなかなかイメージできないし、「本当に犬を飼う必要があるの?」と言われたら「そう言われると…」と尻込みしてしまう。
でも、犬と触れ合ったり実際に飼っている人に話を聞いたりして、経験値として犬との生活をイメージできるようになれば、犬のいる生活を前向きに検討できるようになるし、今の自分に犬を合わせるのではなく、犬に自分を寄り添わせる生活もできるようになる。
私は、なんとなく和室、というのではなくて、積極的に和室を生活に取り入れていきたいなぁと思った。
や、前々からそれはそう思っていたのだけど、藏持さんが改めてそう認識させてくれたというか。
ちなみに、この展示場の和室の近くには、一人書斎スペースというか、ちょっと物を書いたり本を読んだりできるような空間もこっそり仕込まれていて、これまたとっても素敵だった。
うん、「遊び心」、効いてますね!
さて、あらかた見学が終わった後は、より具体的なプランの話。瞳キラキラ営業さんが、時にユーモアも交えつつ、楽しく前向きに話を聞き取ってまとめてくれる。
私は基本的に、「営業さんでハウスメーカーを決める」みたいな感覚は持っていないのだけど、でも、この人なら安心して一緒に作っていけるような気がした。
もともとは異業種の業界にいらっしゃったようで、でも逆にその経験が、細やかな気配りやグッとくる言葉遣い、楽しい商談に生かされていてとても良かった。
「御要望は、まとまっていなくても構いません、点でいいです。それを線にしていくのが我々の仕事です。」
(キリッ)
「お二人の生活やこれから大事にしていきたいことを念頭において、設計士と2人であれこれ練ってきますね!次回を楽しみにしていてください。」
(ニコッ)
うん、頼りになりそう。
次会うのが楽しみになる!
結構タイトなスケジュールでプラン提案をお願いしたにも関わらず、前向きに、頼もしく対応してくれた。
希望の間取りや外構以外にも、長期優良住宅を希望していることや、ZEHの可能性、土地が高くついてしまったためあまり派手に家の予算が取れない旨なども相談したが、それらに関しても、どこまで対応可能かきちんと調べて次回返答してもらえるとのこと。
やっぱり、「もう住友林業かアキュラホームでいいか」という結論に落ち着きかけていた心を吹っ切って、藏持をスルーせずに実際に来てみて良かった。
最終的に縁があるかどうかは別として、とりあえず気になることは後回しにしない方がいいね。
今回相談させて頂いたついでに、近々引き渡し直前の面白い平家があるから、今度是非見学にどうかというお誘いも頂き、これまた非常にありがたい申し出だったので早速お願いしたのであった。