TPPが日本の食に与える影響 | ポーターのローカーボダイエット実践記

TPPが日本の食に与える影響

私には、日本を代表する農業法人や、農業資材会社等に数名の知り合いがいます。


TPP加入に関して、新聞やTVではバケツをひっくり返したような話になっていますが、彼らから話を聞くと大分様相が異なっています。


日本の農家数は253万戸ありますが、内 「自給的農家」 つまり、自家消費や親せきに配る為だけに趣味的に農業をしている農家が90万戸もあります。


残りは「販売農家」と言われる農家ですが、農業が主たる収入となっている「主業農家」は僅か36万戸に過ぎません。


多くの農家は、副業的に農業をおこなっているサラリーマン家庭です。


欧米の農家1戸当たりの耕地面積を日本の耕地面積に当てはめると、日本の農業者は今の1/10の30万戸もあれば十分だとの研究結果があります。


ところが、将来高速道路が通ったり、工場が進出することによって農地が高値で売れることを期待する農家は決して土地を手放そうとはしません。果樹などをちょこんと栽培したり、JA任せでコメを作っている限りは土地にかかる税金も払わなくて済むので、農地の流動性は失われています。


日本農業の近代化、低コスト化には大規模化が必要だと言われるにも関わらず、やる気のある大規模農家に土地が集約できないのはこのためです。


TPPによって一気に海外の安い農作物が入ってくれば、やる気のない農家は淘汰される一方で、競争力を増した企業からの給与所得が増加すると考えられますから、兼業農家としては収支が合うはずだという見識者も多くいます。


競争力を増した企業が、工場や倉庫を増設することによって、農地が高値で売れて億単位のお金を手に入れてホクホクの農家もでてくるかもしれません。


従って、新聞やTVが言うように「250万戸の農家の多くが職を失ってしまう」というのはウソ。本当のところはそうした農家の「農業票」が獲得できなくなる国会議員や地方議員が一番困るということの様です。


ということでTPPが巻き起こす問題は、真剣に農業に取り組んでいる主業農家だけだと思って良いようです。


そして、そうした主業農家では、WTO、FTA進展による競争激化を見込んで、以前から低コストで低農薬な農業に取り組んでいるところも多いようです。


もちろん危機であることには違いないのですが、これを絶好のチャンスととらえている有能な農家もいるようです。


そして、なんと言っても我々消費者にとっては、海外から安くて低農薬な農産物が大量に入ってくればこんな嬉しい話はありません。


因みに、ある農業資材メーカーの社長さん曰く、「海外の農産物は安心できない。日本の農産物の方が安心だ」というのは実は大間違いだそうです。


欧米では、IPM(総合的病虫害管理)が相当定着しており、環境にも人体にも優しい低化学農薬農業が実現されつつあるのに対し、日本では欧米に比べて7倍もの農薬が使われ、かつ過大な窒素肥料の施肥により発癌物質の酸態窒素にひどく汚染されているそうです。


また、ローカーボ食イーターの我々にとって、豚肉や牛肉、そしてバターやチーズ等の乳製品も約半値程度で輸入が可能になるとのことですので、大歓迎すべきことです。


食糧自給率を心配する人も多いのですが、それなら僅か4%のエネルギー自給率の方を心配すべきでしょう。


ある学者は、万が一食糧が輸入できなくなっても、耕作放棄地を耕し、日本の総面積の6割を占める原野・山林を使って耕作すれば、なんの問題もない。そもそも、国際分業が進んでいる現代社会において、食糧自給率を心配しているのは世界中で日本だけだ と喝破しています。


世界に飢餓人口が10億人いて、食糧危機が来る。という説も全く根拠のない話だと言うことは、農業専門家なら皆知っていることです。あのアメリカでさえ飢餓人口が3千万人いることが示すように、あくまでも貧富格差問題、政治問題であり、世界の休耕地は全耕地面積の20%に及ぶ中で、食糧は供給過剰になっています。


我々一般人のみならずマスコミ各社もこうした現実を知らずして、あるいはそれを知りながら、農水省発表のプロパガンダを丸のみし洗脳され、または迎合してしまっているのではないかと思うのです。