あるメンバーが、学校で来週控えてる器楽のテスト曲について言いました。

「朝学校に行ったら、この曲練習してる子がいて、「朝からこんな暗い曲吹いてるんじゃない!ダウン」、って言ったんだ」

 

 来週のテストに備えて練習することはもちろん立派なことです。それを止める権利は誰にも無いでしょう。

でも、私が注目したのは、その子の感性です。そのテスト課題曲は私も知っていますが、本当に暗い、悲しみや失望を表現しているような曲なのです。

 曲の良し悪しを言っているのではなく、またテストのことを考えて練習している人を非難しているのではなく、その曲が、元気な小学生にとって、これから始まる楽しい一日の始まりにふさわしいか、奏でたいか、聞きたいか、それをどう感じるか、という点です。


 その子には、音楽自体を生活の中の一部の表現として捉えることができる素晴らしい感性が備わっているのではないかと思います。朝、どんな音楽を耳にしたいか考えてみて下さい。

 それに、今の時代、音楽を聴いてこんな江戸っ子オヤジ的ひと言を言える小学生、なかなかいないんじゃないでしょうか!?(o^-')b 


 音楽に限らず、芸術、アート全般で大切なのが表現力だと思います。キラキラどれだけ間違わないか、という正確さだけでなく、何をどう感じそれを表せるかという部分がとても大切で、それがその人の持ち味ともなってきます。それは、その人それぞれの生活や経験、それに伴い感じてきたことなどが表れるものです。


 私が歌を習い始めたころ先生によく言われたことは、「嬉しいこと、楽しいこと、悲しいこと、淋しいこと、辛いこと、いろんな経験をたくさんしなさい。そうじゃないと歌は歌えないわよ。」ということでした。


 子供の感性は素晴らしいものです。いろいろな経験の引き出しを増やし、その素晴らしい感性を大切に伸ばしていって欲しいですヒマワリ