再び金の話に逆戻り。

それもそのはず、家計の危機に対して、有効な対策が何も行われていないのだから。


俺は、単純に、妻にも家計を助けるべく働いてほしかった。だけど、それは妻に自分で決断してほしかった。

俺から言われて仕方なく…ではなく、ちゃんと自分の頭で考えてほしかったんだ。

妻は金の話をふってきたが…
俺は、また同じ返ししかしない。
『あなたはどうしたら良いと思う?』

妻は暫く考え込んだ後、『私が働くしかないよね。』

俺は
『今の俺にはどうしようないから、働いてくれたら助かるよ。』と妻に伝えた。

学校のママ友も、ほとんどが働いているとのことだったし、むしろ今までさほど働いていなくても何とかなったのは、妻のやりくりのお陰だったのだろう。

そう。ようやく働く気になってくれたのだ。

これで何とかなるかなぁって思って一安心。

だけど、なかなか話が前に進まない。

一向に働き出す様子がないんだ。

とても不安だった。学校関係の支払いが出来なくて、子供たちが嫌な思いしたらどうしよう?
支払いが出来なくて、カードが使えなくなったらどうしよう?ガソリンも入れられなくなって、車が動かなくなったら会社にも行けないよ…

だけど、なかなか働き始める様子がない。


でも、一生懸命今探してるはずだから、追い詰めちゃいけない。だから、じっと待った。
昨晩、妻に話した効果もあってか、しばらくは妻は金の話しはしなくなった。

毎晩のように聞かされてた金の話を聞かなくて良いだけで、家の居心地は格段によくなった。


妻も、昼間の子供の話などを食事中にしてくるようになった。そういう話は大歓迎。
楽しいと感じられる時間だった。


でも…やっぱり、こんな時は長く続くはずもなく…

数日後、また金の話が始まった。
お金がたりない。お金がたりない。

そう繰り返す妻に聞いてみた。

普段はただただ我慢して相槌打ってるだけの俺だったけど…
『なら、どうしたら良いと思う?』

妻は無言。

『って言うかさ、俺の収入が今すぐ上がらないことは分かってるよね?』『苦労をかけてしまっていることはわかってるし、申し訳ないと思うよ。』
『俺はね、特に子供も小さかったし、あなたが家で子供と一緒にいたいって希望だったから、それを了解してきたよ。』
(当時は、下の子が小学校高学年になっていた)
『だけど、前から言ってたよね?それは家計が問題ないならって条件付きだったでしょ?』

『あなたは、この今の、家計の危機に対して、一体何を努力しているの?』

妻は
『私は、精一杯節約してます!もうこれ以上出来ないっていう位に!』

俺は
『そうかそうか。で、その節約の効果はどの位あるの?』

妻は答えた。
『多分、200円か300円は違うはず』

俺は
『なるほどね。なら、あなたの家計に対する貢献額は、多くても300円ってことなんだね。』
『あなたは、それが精一杯なんだよね?それで満足しているってこと?』

妻は
『私は完璧に、やれることは全部やってるから、今以上には出来ません!』

実に尊大な態度。

俺は
『なら、お互い精一杯やってるんだし、これ以上どうにもならないんなら、今のまま頑張るしかないってことだよね。』

妻はなにも答えず、そのまま狸寝入りを始めた。

だから、俺も言いたいことは言ったし、その日は寝た。