妻がどうやら、何の件か知らないが、俺と話したがっている様子が見てとれた。
俺は、それを不気味に感じて、距離をとっていた。
妻から『ちょっと話そうか。』と言われた。
俺は
『今さら話すことなんかないよ。』と答えた。
そして、その場から逃げた。
その夜…
妻から再び『少し話しないかい』と言われた。
俺は断ったが、しつこい。
仕方なく話を聞くことにした。
妻が
『一緒に地獄に落ちてみるか。』と笑顔で俺に言う。
俺は
『ん?一緒に…地獄に…?』
正直意味がわからなかった。意味はわからなかったけど、とにかく響きからするに、良い話ではないと感じた。
『一緒に地獄に落ちるって…どういう意味?』と聞いてみた。
妻は
『借金は増えるかもしれないけど、もう一度やり直すって意味だよ!』…何故か笑顔で。
俺は、我が耳を疑った。
この人は一体何をいってんだろ?
どうやったら、そんな思考がわいて出てくるんだろ?
しかも、これまで、ずっとそうだった、上から目線でさ。
必死に、必死に、それはもう必死に全力で拒絶した。
『金の問題が解決する訳じゃないし、問題を先伸ばしにしたってどうにもならないだろ?』
『っていうかさ!もう俺が無理。』
と伝えたら…
妻は
少し笑顔を浮かべて『うん。わかったよ。』と、とても優しげな眼差しで俺を見ていた。
その日は、俺も疲れていたのですぐに床についた。