廊下のにおい。

毎朝教室につくより先に、

授業が終われば真っ先に、

帰るときには最後まで。

ぼくの身体をつつむ空気。



教室よりもほんの少し、味気ない。

外の空気よりは淀んでて、

体育館よりは軽やかな、

廊下のにおい。


連れション仲間と闊歩する。

馬鹿げた話はトイレ前。

きらいな先生はやり過ごして、

気になるあの子に横目をやる。


帰り際、結局あいつがいつもいて、

おせっかいを焼きにくる。

いつものジャージ、大きなバッグ。

バシンと肩を叩かれて、

大きな声で、じゃあねっていう。


でも今日は、制服と彼女。

私、部活休みなの。

そう。

うん。

廊下の、においがした。


じゃあ、一緒に帰る?

うん。

小さな声と、そっとぶつかる肩。

いつものにおいがした。