<東証株式相場 概要>
●日経平均
5日の日経平均は続落、終値は前日比347円29銭(0.89%)安の3万8490円17銭だった。半導体関連に加え自動車や鉄鋼など景気敏感株にも売りが広がり相場を押し下げた。日経平均の下げ幅は500円に迫る場面もあった。
前日の米株式市場で主要な米半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下落したのを受け、東京市場でも半導体関連に売りが膨らんだ。海外の空売り投資家から業績面などでの疑問が指摘されたレーザーテクは7.5%安と7日続落した。東エレクとアドテストも下げた。
4日発表の米雇用関連指標で求人件数が減少したのを受け米長期金利が低下し、5日の国内債券市場でも長期金利が低下して1%を下回る場面もあった。これまでの金利上昇局面で買われてきた保険や銀行といった金融株には利益確定売りが膨らんだ。世界景気の先行き不透明感から自動車や鉄鋼など景気敏感株も下げた。
日本時間今夜の米国市場では5月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)全米雇用リポートとサプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数の発表を控える。来週11-12日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて米連邦準備理事会(FRB)高官が公の場で金融政策に関する情報発信を控える「ブラックアウト期間」にも入っている。米国では市場予想を下回る経済統計の発表が増えており、日本株についても積極的に押し目買いを入れる展開にはなりにくかった。ニチレイやイオンなど景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ株の一角には買いが向かった。
東証株価指数(TOPIX)は続落、終値は前日比39.26ポイント(1.41%)安の2748.22だった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆6224億円、売買高は17億1743万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1246と全体の約76%を占め、値上がりは363、横ばいは39。
リクルート、KDDI、ファナック、トヨタ、デンソーが下落した。一方、ファストリ、テルモ、第一三共、ソニーGは上昇した。ソフトバンクグループ(SBG)は午後に上げ幅を広げた。「米投資ファンドのエリオット・マネジメントがSBGに対し、150億ドル相当の自社株買いを開始するよう圧力をかけている」と伝わり、材料視された。
●新興市場
5日のグロース250指数は反落、終値は前日比8.12ポイント(1.29%)安の623.17だった。寄り付き後まもなく一時上昇に転じる場面もあったものの、日経平均株価が下げ幅を拡大するにつれて投資家心理が悪化し、新興株でも運用リスクを避ける目的の売りが出た。市場では「足元で25日移動平均(633程度)が上値抵抗線として意識されている」(証券関係者)との見方もあった。
グロース市場ではQPS研究所やエヌピーシーが下落した。一方、トライアルやステラファは上昇した。
●国内市況
:株式、債券、為替市場
長期金利が1%割れ、円は155円台後半へ反落-株式続落
:話題株ピックアップ【夕刊】
(1):Uアローズ、マクセル、ソフトバンクG
(2):ブックオフG、ビプロジー、東急不HD
(3):三井住友FG、IHI、日経レバ
<市場別、出来高・売買代金>
<市場別、値上がり・値下がり銘柄数>
<指数、日中推移>
<米10年国債金利>
<日本10年国債金利>
<為替:ドル円>
<WTI原油先物>
<気づいたニュース>
【其の一】
●経済指標など
①日銀、早ければ今月会合で国債購入減額を具体的に検討も-関係者
※緩やか・段階的な減額方針の公算大、金利形成を一段と市場に委ねる
市場動向などを直前まで見極めて判断、大きな変動の回避にも配慮
②資産運用特区に4都市、「実現パッケージ」公表-税財政面で支援も
③基本給29年ぶり増加率、4月は前年同月比2.3%増 実質賃金はマイナス
⇒ 日経 ロイター ブルームバーグ
④2023年の出生率1.20、過去最低を更新 東京都は0.99
【其の二】
空売り投資家スコーピオン、レーザーテック標的に-株価一時急落
【其の三】
エリオットがソフトバンクG株積み増し、自社株買い要求-報道
【其の四】
マクセル、発行済み株式の8.2%・50億円上限に自社株買い
【其の五】
財新・中国サービスPMI、5月は54.0に上昇 雇用上向く
<今週の推移>
●S&P500
●東証日経平均
<今日の売買>
なし
<PF成績(○日本株)>
●評価損益:前営業日比:<累計>
⇒ 6月3日:+ 0.80%:+20.25%
⇒ 6月4日:- 0.04%:+20.20%
⇒ 6月5日:- 1.18%:+18.87%
●日経、騰落レシオ推移
☆120%以上・・・過熱感あり
=100% ・・・売り買い交錯
☆70%以下 ・・・底入れ?
●備えている?
来週の国内は、日銀金融政策決定会合とMSQ
来週の米国は、FOMCとCPI(今週、雇用統計など)
市場は「足元のイベントに備えている」ようだね
<株価に影響?「噂」と「イベント」>
●2023年11月:首相、NTT巡る規制「抜本的に見直す」 衆院予算委
※自民党は11月中にNTT法のあり方に関して提言をまとめる方針
●2024年までに:政府 アナログ規制、99%撤廃決定 24年までに9000件改正
※法律や政省令を2024年の通常国会までに改正する
法令を修正する工程表は年内に定める
●2024年4-6月:サムスン電子、今年前半に量産開始-業界最大容量の高帯域幅メモリ
※帯域幅メモリ(HBM)「HBM3E 12H」量産を今年4-6月に開始予定
HBM3Eの販売が年末時点で、HBM全体の3分の2を占めると同社は予想
●2024年6月:バス・トラックに運転記録装置、26年から義務 まず新型車
※道路運送車両法の保安基準を今年6月にも改正
●2024年6月4日:インド総選挙4月19日から、モディ氏3期目狙う 6月4日一斉開票
⇒ ブルームバーグ ロイター
●2024年6月13-14日:日銀、金融政策決定会合
●2024年夏ごろ:新熊本県知事、TSMC第3工場の誘致に前向き-夏ごろ協議の意向
※インフラ整備や人材育成の知見、第2・第3工場でも活用可能と強調
第2工場については県内のダムの余剰水を活用できないか検討
●2024年7月:ファストリ株、柳井会長がウエート基準日前後に一部売却 次回7月に思惑も
※次回基準日は7月末、キャップは10%に引き下げられるため
超過回避のハードルは高まる
●2024年7月26日-8月11日:パリオリンピック開催
●2024年7月30-31日:日銀、金融政策決定会合
●2024年9月19-20日:日銀、金融政策決定会合
●2024年9月30日:自民党総裁任期満了
●2024年10月:楽天グループ 金融事業の大規模再編検討の方針 正式発表
※10月をめどに、楽天銀行、楽天証券HD、楽天カードを一つのグループに
⇒ ロイター 日経 NHK
●2024年10月30-31日:日銀、金融政策決定会合
●2024年:スペースXとKDDI、スマホと衛星直接通信 国内どこでも
※衛星通信とスマートフォンを直接つなぐサービスを2024年をメドに始める
ソフトバンクは今秋から国内でスターリンクの法人向け代理販売を始める
●2024年:VW、全固体電池をドイツで生産へ 大量供給見込む
⇒ 2025年以降に全固体電池を搭載するEVを発売する方針
●2024年11月5日:東証、取引時間15:30まで延伸
●2024年12月18-19日:日銀、金融政策決定会合
●2024年内:パナソニックHD、年内にも次世代電池を米ネバダ工場で量産化へ
※同工場の生産能力10%向上に自信-電池子会社CTO
国内生産是非やりたい、これまで育ててきた自負
2030年度に生産能力を現在の4倍に拡大する計画
●2024年末:台湾UMC、シンガポール新工場の用地使用権取得
※同総投資額は50億ドル(約6300億円)、2024年末までに量産開始
●2025年:ソニーグループとホンダ、EVで提携 新会社で25年販売開始
●2025-2026年:ソニーGが金融子会社のスピンオフ検討、上場前提で2-3年後に
●2025年:ルネサス、パワー半導体に900億円投資 大型基板で量産 生産能力2倍に
●2025年3月?:任天堂が新型ゲーム機を年内発売、8インチ液晶使用-英調査会社
※新型機によりゲーム機用ディスプレーの出荷が1460万枚増加の予測
スイッチにも使われる有機ELの次世代機での使用、24年はない
⇒ ブルームバーグ 日経
任天堂がスイッチ後継機を今期内発表-営業益は24%減の4000億円
●2025年4月13日:大阪万博 開催(10月13日まで) 約2820万人の来場を見込む
●2025年夏までに:iPhoneにマイナンバー搭載 身分証明機能、25年夏までに
●2025年末:巨大ITの独占是正新法を閣議決定 AppleやGoogle念頭
※会期中に成立すれば、2025年末までに施行する見通し
●2026年:日銀「デジタル円」、3メガ銀と実証実験へ 23年春から
※2年間ほど実験を進め、26年にも発行の可否を判断
●2026年:ホンダ、次世代EVを26年から投入へ-航続距離480キロ以上
※20年代後半に自動運転システム搭載、一般道で手放し運転一部可能に
脱炭素化でEV販売は着実に増加、出遅れ気味の日本勢は開発急ぐ
⇒ ブルームバーグ ロイター
●2026年:ホンダが無人タクシー支援 遠隔監視、分業モデル前進
※帝都自動車交通、国際自動車と協力して2026年に都内での開始をめざす
●2026年4月:任天堂、マリオの新作映画26年4月公開 宮本茂氏指揮
●2026年後半:イビデン新工場、半導体部品26年後半にも量産 インテルに対応
※データセンターに使うサーバー向け製品などの需要が旺盛
●2027年まで:米アマゾン、27年までに日本で2兆2600億円投資-データセンターなど
●2027年末:TSMC熊本第2工場稼働、台湾から500人雇用 1700人体制
※第1工場と合わせて3400人が働く
第2工場は27年末に初回の出荷を行い29年末に整備を完了
整備完了から10年以上継続生産する計画
●2027-2028年:トヨタ、EV150万台達成に自信-需要増視野に生産体制も準備
※全固体電池は耐久性の課題を克服、27-28年の実用化にチャレンジ
HVからEVへの移行ペース踏まえ、3年後の需要予測立つ-副社長
⇒ ブルームバーグ ロイター 日経
●2028年までに:インテルなど15社、半導体「後工程」研究組織を設立
※2028年までに技術を実用化して工場への導入を目指す
⇒ ブルームバーグ 日経
●2030年1-6月ごろ:政府が大阪IR計画を認定、国内初のカジノが29年秋以降開業へ
※開業:2029年秋から冬ごろ
※開業時期は2030年1-6月ごろの見通し
大阪知事、IR開業ずれ込み「国の審査遅れたから仕方ない」
※30年1-6月ごろにずれ込む見通し
●数年先:EUがAIに包括規制(案) 世界で初、顔認証利用に事前審査も
※成立までに数年かかる(2021年4月から)可能性も。
<●備える●>
①コロナウィルス感染動向
⇒ コロナウィルス新規感染者数
⇒ コロナ終息 ⇒ 金融緩和も終息 ⇒ 不景気の株高も終息 ⇒ 景気上昇の株高への引継ぎ?
②経済指数の動向
⇒ 決算、PMI、消費者指数(信頼感指数、物価指数)、GDP
③セリクラ
①予兆
・一定の価格帯から上がれずに横ばい推移。その中で上髭が散見。
・出来高水準が上がった価格帯で売買が活発。その後、急落局面が来る。
②到来
・相場全体が悲観的な投げ売りに
・株価急落と同時に出来高が増加
⇒ 売買代金5兆円前後(東P)
⇒ 一段深掘りしても出来高が大して増えないのであれば打ち止めの可能性も
③終幕
・売りがなくなり株価上昇
・出来高減少。板が薄い
・VIX指数40台以下を持続
④相場が底入れするパターン
①債券利回りが下がる
②VIXが凄く高くなった後でゆっくり下がりはじめる
③①②のコンビネーションが起きた時
<●相場が動く要素(上昇or下落)●>
①出来高(代金)急伸
②毎月第2金曜日
日本株のSQ(先物・オプションなど決済期日の特別清算指数)
⇒ SQ週の「魔の水曜日」 売り方の仕掛けを警戒
⇒ メジャーSQ(3、6、9、12月の第2金曜日)
⇒ SQ(上記以外の月の第2金曜日)
⇒ ボラティリティが大きくなる傾向あり
●大型株は影響を受けやすい
③毎月第3金曜日
米株のSQ(先物・オプションなど決済期日の特別清算指数)
⇒ メジャーSQ(3、6、9、12月の第3金曜日)
⇒ SQ(上記以外の月の第3金曜日)
⇒ ボラティリティが大きくなる傾向あり
●大型株は影響を受けやすい
▼▲日本株も影響を受けることあり▼▲
④MSCI(世界株価指数)
モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが算出する
株価指数で、MSCIワールドインデックスとも呼ばれる。
機関投資家が多く採用していることから、注目されている。
構成銘柄は四半期ごとに見直され、2月・5月・8月・11月は大きな入れ替えを実施。
新たに指数に組み入れられた銘柄には、組み入れ変更後にパッシブ連動資金
(市場の平均的リターンを追求する運用筋の資金)による大きな買い需要が発生。
入れ替えの銘柄発表は、入れ替え月の15日前後に、銘柄の入れ替えは同月末日。
⑤上場投資信託(ETF)の決算
7月第2週は、主要な日本株の上場投資信託(ETF)の決算日が集中
「分配金支払による売りが、7月1週~2週頭」に出て、株価が下落する傾向あり。
⑥上昇or下落
インフレ=金利上昇 ⇒ 金融関連銘柄は上昇
デフレ=金利下落 ⇒ 金融関連銘柄は下落
⑦夏枯れ相場
出来高減少、ボラティリティが高くなる傾向あり
夏枯れ相場に挑む際の心得
①事前にPFを整理(ブラッシュアップ)
②事前に現金ポジ高める
③押し目拾い銘柄の選択と集中
④買い時は第3水曜日から金曜日?
⑧米レーバーデイ
レーバーデイ(9月の第1月曜)3連休明け
米国の機関投資家が夏季休暇から職場へ戻る
新たなトレンド生まれる傾向がある
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⑨有事(戦争)
①エネルギー、コモディティ(金など)関連上昇
②砲声で買い
③安全資産とされる国債が買われ、金利低下
④サイバー攻撃、セキュリティ関連が上昇
⑤ボラ高く、値動き荒くなる
⑥エネルギー、コモディティ(金など)関連下落、株価上昇
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⑩3月はボラ高
①MSQ
②年金のリバランス
年度末を控え、年金(GPIFなど)はPFのリバランス行う
信託銀行の動きは年金基金などの売買を反映するとされる。
③米国
4月の納税を控え、納税資金捻出売りを警戒
<●暴落相場(コロナ相場)で学んだこと●>
①個人の「思い」や「ファンダメンタル」より、「相場の値動き(波)を優先視」
②業績に関係ない理由での株価暴落は、底値で拾える「チャンス」
③保有銘柄暴落時(下げ止まらない)は、持ち続けず「損切り」
⇒ 「資金不足」を招き、次の「チャンス」を逃してしまう。
<●上昇相場の銘柄選び方●>
①「世の動き」から、業績寄与が連想される銘柄の期待感と割安感
⇒ 実態経済(現状の業績)より、期待感が優先される。
⇒ 世の動き(相場)に逆らうと波には乗れない。進化論と同じ。
⇒ 私情を優先すると痛手を負う。
<●経済回復の構造●>
①企業業績の回復(PMIや決算)
②消費者指数(信頼感指数、物価指数)が上昇
③GDPが上昇