<東証株式相場 概要>
●日経平均
11日の日経株価は急反落、終値は前週末比868円45銭(2.19%)安の3万8820円49銭だった。2月21日以来の安値水準。下げ幅は2021年6月21日(953円)以来の大きさだった。前週末8日の米株安や外国為替市場での円高・ドル安の進行を警戒した売りが朝方から膨らんだ。下げ幅は一時1100円を超えた。
8日の米株式市場で半導体株が大幅に下落した流れを引き継ぎ、東京市場でも東エレクやアドテストといった値がさの半導体関連株が大幅安となった。半導体関連株は年初から急ピッチで上昇してきたこともあり、利益確定目的の売りも重荷となった。円相場が1ドル=146円台半ばまで上昇し、トヨタやホンダなど輸出関連株が広く売られた。
日経平均は午後に下げ幅を一段と拡大し、3万8400円台後半まで下落する場面があった。海外短期筋とみられる株価指数先物の売りも膨らみ、相場を下押しした。日銀が3月にもマイナス金利政策を解除するとの見方が引き続き株式相場の重荷となった。相場が午後に入っても下げ渋る様子を見せない中、市場では「海外勢を中心に売りが売りを呼ぶ展開となった」(証券関係者)との見方があった。
東証株価指数(TOPIX)は大幅に反落、終値は前日比59.97ポイント(2.20%)安の2666.83だった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆2687億円、売買高は20億2854万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1397、値上がりは232、横ばいは27。
三井金や豊田通商、INPEXが下げた。一方、大日印や帝人、住友ファーマは上げた。
●新興市場
11日のグロース市場250指数は3日続落、終値は前週末比17.67ポイント(2.34%)安の737.29だった。取引時間中には下落率が3%を超える場面もあった。11日に日経平均株価が1100円を超える下げとなって投資家心理が悪化し、新興株も売りに押された。8日の米株式市場で半導体大手のエヌビディア株が下落し、人工知能(AI)関連銘柄に売りが波及したのも重荷となった。
グロース市場250指数は、チャート分析上で下値支持線となっていた25日移動平均線(745近辺)を割り込んだ。市場では「チャートからも一段安が警戒される水準となり、売りに拍車がかかった」(証券関係者)との声が聞かれた。
グロース市場ではラボロAIが制限値幅の下限(ストップ安水準)で配分されたほか、ヘッドウォが下落した。一方、フリーやファーストAは上昇した。
●国内市況
:株式、債券、為替市場
:話題株ピックアップ【夕刊】
(1):丹青社、大日印、王子HD
(2):任天堂、純金信託、さくらネット
(3):日テレHD、トミタ電機、gumi
<市場別、出来高・売買代金>
<市場別、値上がり・値下がり銘柄数>
<指数、日中推移>
先週末と同様に、先物は一足先に下落中
<米10年国債金利>
<日本10年国債金利>
<為替:ドル円>
<WTI原油先物>
<気づいたニュース>
【其の一】
●日銀の金融政策を巡る思惑
①日銀、3月のマイナス金利解除に傾く政策委員が増加-報道
※賃金上昇加速見通しが理由、円相場上昇で一時146円台回復
日銀が3月に動くか4月に動くかはまだ決まっていない-ロイター
⇒ ブルームバーグ ロイター
②日本国債ショートを最大限に積み上げ、利上げ近いと確信-バンガード
※バンガードのクートニー氏、日本国債先物の下落に賭け
日銀の利上げ判断、春闘の賃金交渉結果が鍵握る
③日銀が国債購入の規模明示、YCC撤廃、新「量的」枠組み検討-報道
④政策正常化めざす日銀に迫る決断の日、世界で最後のマイナス金利に幕
※エコノミストや債券トレーダーは3月か4月の会合での利上げを予想
マイナス金利の評価は賛否両論-主な恩恵は円安、企業利益押し上げ
⑤日銀、そう遠くない将来に正常化へかじ切る可能性高い=経団連会長
【其の二】
●国内経済指標
①GDP改定はプラス転換、日銀決定会合を前に景気後退入り回避
※10-12月は前期比年率0.4%増、前期比0.1%増-設備投資上振れ
3月か4月のマイナス金利解除は既定路線で影響なし
⇒ ブルームバーグ 日経
②マネーストック、M3は前年比1.8%増 伸び率は変わらず=日銀
③2月工作機械受注は前年比8.0%減、14カ月連続マイナス=工作機械工業会
【其の三】
日銀ETFの含み益34兆円 株高で過去最大、活用策を議論
【其の四】
任天堂、マリオの新作映画26年4月公開 宮本茂氏指揮
【其の五】
「君たちはどう生きるか」とゴジラ、アカデミーW受賞-日本映画が快挙
【其の六】
日銀がETF購入を見送り、午前のTOPIX2%超安で異例対応
【其の七】
●中国関連
①中国2月消費者物価、昨年8月以来のプラスの伸び-0.7%上昇
※コアCPIは過去2年余りで最も高い伸びとなった
PPIのマイナスは17カ月連続で、16年以降で最も長い下落局面
⇒ ブルームバーグ ロイター
②香港政府、「国家安全条例」制定急ぐ-中国への「従順」示す
※行政長官、北京から急きょ香港に戻る-立法会で8日審議開始
国家機密のあいまいな定義、メディアや市民社会の自己検閲強める
③中国CXMT、事実上の禁輸リスト掲載も-米商務省検討と関係者
※他の中国企業5社に対する制限も検討されていると関係者
中国の先端半導体開発を抑える新たな動きといえる
④中国万科へ支援強化を、規制当局が大手銀行に要請=関係筋
⑤IT企業団地運営の億達中国、債権者が法的整理申請 香港
【其の八】
●インド関連
①インド株式投信、2月の資金流入は2年ぶり高水準
②インドのモディ首相、150億ドルのインフラ事業表明 総選挙控え
<今週の推移>
●東証日経平均
<今日の売買>
●買い
6532:ベイカレント(買い増し)
8306:三菱UFJ(打診買い)
●売り
なし
<PF成績(○日本株)>
●評価損益:前営業日比:<累計>
⇒ 3月11日:- 1.91%:+20.04%
<ひとりごと>
●本日の日経
●日経、騰落レシオ推移
☆120%以上・・・過熱感あり
=100% ・・・売り買い交錯
☆70%以下 ・・・底入れ?
●押し目到来
アメリカ市場、明日は米CPI発表&アーム(ARM)のロックアップ解除、週末はMSQ
日本市場はアメリカに寄り添って動くだろうし
来週19日は日銀の金融政策決定会合がある
ボラ高の押し目が続きそうやね
<株価に影響?「噂」と「イベント」>
●2023年11月:首相、NTT巡る規制「抜本的に見直す」 衆院予算委
※自民党は11月中にNTT法のあり方に関して提言をまとめる方針
●2024年までに:政府 アナログ規制、99%撤廃決定 24年までに9000件改正
※法律や政省令を2024年の通常国会までに改正する
法令を修正する工程表は年内に定める
●2024年3月4日頃:春の日経平均入れ替え:国内大手証券の予想
※新規採用予想:ディスコ、ZOZO、ソシオネクスト
入れ替え銘柄は3月4日ごろに発表され、
3月29日の終値ベースでインパクトが発生
日経平均、ソシオネクストなど3銘柄採用 定期見直し
※採用:ディスコ、ソシオネクスト、ZOZO
除外:宝ホールディングス、住友大阪セメント、大平洋金属
4月1日の算出から反映
●2024年3月16日:北陸新幹線、金沢―敦賀3月16日開業 JR西日本・東日本
●2024年3月18-19日:日銀、金融政策決定会合
●2024年3月21-26日:トライアルHD、東証グロース上場へ 売上高10年で倍増
※公開価格の決定は3月11-15日、上場日は同21-26日のいずれかを予定
●2024年3月25日:「日経半導体株指数」の公表開始について
※算出・公表を2024年3月25日に開始
●2024年春:CCCと三井住友FG、Vポイントに統一 サービス統合
※2024年春に統合
会員数はTポイントが約7000万人、Vポイントは約2000万人
統合後の会員数は単純合算で約9000万人。
1億人を超える会員を持つPonta(ポンタ)や楽天と同規模の勢力に
●2024年春:セブン銀がATMをプラットフォームに地銀7行と提携-口座開設など
※セブン-イレブンに行けばいろんな窓口業務できる世界へ-松橋社長
24年春から顔認証機能でカードの要らない入出金取引も開始へ
●2024年4月:保険証、24年秋にマイナンバーカードと一体化 政府発表
スマホで保険証、24年4月開始めざす アンドロイド端末
●2024年4月22日:コクサイエレ、ロックアップ解除
●2024年4月25-26日:日銀、金融政策決定会合
●2024年6月13-14日:日銀、金融政策決定会合
●2024年7月:ファストリ株、柳井会長がウエート基準日前後に一部売却 次回7月に思惑も
※次回基準日は7月末、キャップは10%に引き下げられるため
超過回避のハードルは高まる
●2024年7月30-31日:日銀、金融政策決定会合
●2024年9月19-20日:日銀、金融政策決定会合
●2024年9月30日:自民党総裁任期満了
●2024年10月30-31日:日銀、金融政策決定会合
●2024年:スペースXとKDDI、スマホと衛星直接通信 国内どこでも
※衛星通信とスマートフォンを直接つなぐサービスを2024年をメドに始める
ソフトバンクは今秋から国内でスターリンクの法人向け代理販売を始める
●2024年:VW、全固体電池をドイツで生産へ 大量供給見込む
⇒ 2025年以降に全固体電池を搭載するEVを発売する方針
●2024年11月5日:東証、取引時間15:30まで延伸
●2024年12月18-19日:日銀、金融政策決定会合
●2024年内:パナソニックHD、年内にも次世代電池を米ネバダ工場で量産化へ
※同工場の生産能力10%向上に自信-電池子会社CTO
国内生産是非やりたい、これまで育ててきた自負
2030年度に生産能力を現在の4倍に拡大する計画
●2024年末:台湾UMC、シンガポール新工場の用地使用権取得
※同総投資額は50億ドル(約6300億円)、2024年末までに量産開始
●2025年:ソニーグループとホンダ、EVで提携 新会社で25年販売開始
●2025-2026年:ソニーGが金融子会社のスピンオフ検討、上場前提で2-3年後に
●2025年:ルネサス、パワー半導体に900億円投資 大型基板で量産 生産能力2倍に
●2025年3月?:任天堂が新型ゲーム機を年内発売、8インチ液晶使用-英調査会社
※新型機によりゲーム機用ディスプレーの出荷が1460万枚増加の予測
スイッチにも使われる有機ELの次世代機での使用、24年はない
⇒ ブルームバーグ 日経
●2025年4月13日:大阪万博 開催(10月13日まで) 約2820万人の来場を見込む
●2026年:日銀「デジタル円」、3メガ銀と実証実験へ 23年春から
※2年間ほど実験を進め、26年にも発行の可否を判断
●2026年:ホンダ、次世代EVを26年から投入へ-航続距離480キロ以上
※20年代後半に自動運転システム搭載、一般道で手放し運転一部可能に
脱炭素化でEV販売は着実に増加、出遅れ気味の日本勢は開発急ぐ
⇒ ブルームバーグ ロイター
●2026年4月:任天堂、マリオの新作映画26年4月公開 宮本茂氏指揮
●2026年後半:イビデン新工場、半導体部品26年後半にも量産 インテルに対応
※データセンターに使うサーバー向け製品などの需要が旺盛
●2027年まで:米アマゾン、27年までに日本で2兆2600億円投資-データセンターなど
●2027年末:TSMC熊本第2工場稼働、台湾から500人雇用 1700人体制
※第1工場と合わせて3400人が働く
第2工場は27年末に初回の出荷を行い29年末に整備を完了
整備完了から10年以上継続生産する計画
●2027-2028年:トヨタ、EV150万台達成に自信-需要増視野に生産体制も準備
※全固体電池は耐久性の課題を克服、27-28年の実用化にチャレンジ
HVからEVへの移行ペース踏まえ、3年後の需要予測立つ-副社長
⇒ ブルームバーグ ロイター 日経
●2030年1-6月ごろ:政府が大阪IR計画を認定、国内初のカジノが29年秋以降開業へ
※開業:2029年秋から冬ごろ
※開業時期は2030年1-6月ごろの見通し
大阪知事、IR開業ずれ込み「国の審査遅れたから仕方ない」
※30年1-6月ごろにずれ込む見通し
●数年先:EUがAIに包括規制(案) 世界で初、顔認証利用に事前審査も
※成立までに数年かかる(2021年4月から)可能性も。
<●備える●>
①コロナウィルス感染動向
⇒ コロナウィルス新規感染者数
⇒ コロナ終息 ⇒ 金融緩和も終息 ⇒ 不景気の株高も終息 ⇒ 景気上昇の株高への引継ぎ?
②経済指数の動向
⇒ 決算、PMI、消費者指数(信頼感指数、物価指数)、GDP
③セリクラ
①予兆
・一定の価格帯から上がれずに横ばい推移。その中で上髭が散見。
・出来高水準が上がった価格帯で売買が活発。その後、急落局面が来る。
②到来
・相場全体が悲観的な投げ売りに
・株価急落と同時に出来高が増加
⇒ 売買代金5兆円前後(東P)
⇒ 一段深掘りしても出来高が大して増えないのであれば打ち止めの可能性も
③終幕
・売りがなくなり株価上昇
・出来高減少。板が薄い
・VIX指数40台以下を持続
④相場が底入れするパターン
①債券利回りが下がる
②VIXが凄く高くなった後でゆっくり下がりはじめる
③①②のコンビネーションが起きた時
<●相場が動く要素(上昇or下落)●>
①出来高(代金)急伸
②毎月第2金曜日
日本株のSQ(先物・オプションなど決済期日の特別清算指数)
⇒ SQ週の「魔の水曜日」 売り方の仕掛けを警戒
⇒ メジャーSQ(3、6、9、12月の第2金曜日)
⇒ SQ(上記以外の月の第2金曜日)
⇒ ボラティリティが大きくなる傾向あり
●大型株は影響を受けやすい
③毎月第3金曜日
米株のSQ(先物・オプションなど決済期日の特別清算指数)
⇒ メジャーSQ(3、6、9、12月の第3金曜日)
⇒ SQ(上記以外の月の第3金曜日)
⇒ ボラティリティが大きくなる傾向あり
●大型株は影響を受けやすい
▼▲日本株も影響を受けることあり▼▲
④MSCI(世界株価指数)
モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが算出する
株価指数で、MSCIワールドインデックスとも呼ばれる。
機関投資家が多く採用していることから、注目されている。
構成銘柄は四半期ごとに見直され、2月・5月・8月・11月は大きな入れ替えを実施。
新たに指数に組み入れられた銘柄には、組み入れ変更後にパッシブ連動資金
(市場の平均的リターンを追求する運用筋の資金)による大きな買い需要が発生。
入れ替えの銘柄発表は、入れ替え月の15日前後に、銘柄の入れ替えは同月末日。
⑤上場投資信託(ETF)の決算
7月第2週は、主要な日本株の上場投資信託(ETF)の決算日が集中
「分配金支払による売りが、7月1週~2週頭」に出て、株価が下落する傾向あり。
⑥上昇or下落
インフレ=金利上昇 ⇒ 金融関連銘柄は上昇
デフレ=金利下落 ⇒ 金融関連銘柄は下落
⑦夏枯れ相場
出来高減少、ボラティリティが高くなる傾向あり
夏枯れ相場に挑む際の心得
①事前にPFを整理(ブラッシュアップ)
②事前に現金ポジ高める
③押し目拾い銘柄の選択と集中
④買い時は第3水曜日から金曜日?
⑧米レーバーデイ
レーバーデイ(9月の第1月曜)3連休明け
米国の機関投資家が夏季休暇から職場へ戻る
新たなトレンド生まれる傾向がある
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⑨有事(戦争)
①エネルギー、コモディティ(金など)関連上昇
②砲声で買い
③安全資産とされる国債が買われ、金利低下
④サイバー攻撃、セキュリティ関連が上昇
⑤ボラ高く、値動き荒くなる
⑥エネルギー、コモディティ(金など)関連下落、株価上昇
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
<●暴落相場(コロナ相場)で学んだこと●>
①個人の「思い」や「ファンダメンタル」より、「相場の値動き(波)を優先視」
②業績に関係ない理由での株価暴落は、底値で拾える「チャンス」
③保有銘柄暴落時(下げ止まらない)は、持ち続けず「損切り」
⇒ 「資金不足」を招き、次の「チャンス」を逃してしまう。
<●上昇相場の銘柄選び方●>
①「世の動き」から、業績寄与が連想される銘柄の期待感と割安感
⇒ 実態経済(現状の業績)より、期待感が優先される。
⇒ 世の動き(相場)に逆らうと波には乗れない。進化論と同じ。
⇒ 私情を優先すると痛手を負う。
<●経済回復の構造●>
①企業業績の回復(PMIや決算)
②消費者指数(信頼感指数、物価指数)が上昇
③GDPが上昇