<東証株式相場 概要>
●日経平均
 8日の日経株価は3日ぶりに反発、終値は前日比743円36銭(2.06%)高3万6863円28銭と、1990年2月20日以来、約34年ぶりの高値を更新した。前日の米株高を受けて朝方から一部の値がさ株に買いが先行した。日銀がマイナス金利政策の解除後も金融緩和的な姿勢を続けるとの観測が強まると、株価指数先物に短期筋の買いが入り一段高となった。日経平均の上げ幅は一時800円を超え、心理的な節目の3万7000円に接近する場面があった。
 7日の米株式市場でダウ平均は最高値を更新した。画像処理半導体のエヌビディア株などハイテク株がけん引し、ナスダック総合指数も上昇。東京市場でも東エレクやアドテストが買いを集めた。英半導体設計大手アーム・ホールディングスが米国時間7日夕に発表した決算が市場予想を上回り、同社株が米時間外取引で急騰するなか、アームを傘下に抱えるソフトバンクグループ(SBG)株も物色が活発、前日比732円(11%)高の7,350円で終えた。
 日経平均は後場にかけて上げ幅を広げた。日銀の内田真一副総裁が8日午前に奈良県金融経済懇談会で挨拶し、マイナス金利解除後について「どんどん利上げをしていくようなパス(道筋)は考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになる」との認識を示した。株価指数先物の売り方の買い戻しを伴って、買いが買いを呼ぶ展開となった。
 東証株価指数(TOPIX)は続伸、終値は前日比12.68ポイント(0.50%)高2562.63と、90年2月28日以来、約34年ぶりの高値を更新した。
 東証プライムの売買代金は概算で5兆5622億円と2023年11月30日以来の高水準。売買高は20億9634万株。東証プライムの値上がり銘柄数は584と全体の3割ほど、値下がりは1013、横ばいは60だった。
 ファストリやトヨタ、協和キリンが上げた。一方、KDDIやスズキ、花王は下げた。
●新興市場
 8日のグロース市場250指数は続落、終値は前日比0.78ポイント(0.11%)安708.96だった。東証プライム市場の大型株に資金が向かう一方、新興市場の銘柄は積極的な買いが見送られた。日経平均株価の大幅高に連動して買いが優勢になり、グロース250指数は上昇する場面もあった。
 グロース市場ではQPS研究所やカバー、ABEJAが下落した。一方、エレメンツやジーエヌアイ、フレクトは上昇した。
 8日に東証グロース市場へ新規上場したウェリタスは、公開価格(1000円)の2倍にあたる2001円で初値を付けた。その後も買いが集まり、S高となる500円高の2501円まで上昇し、取引を終えた。
●国内市況
  :株式、債券、為替市場
  :話題株ピックアップ【夕刊】
    (1):協和キリン、日電波、SBG
    (2):テルモ、オリックス、SUBARU
    (3):任天堂、日本製鉄、清水建

<市場別、出来高・売買代金>
  

<市場別、値上がり・値下がり銘柄数>
  

<指数、日中推移>
  
<米10年国債金利>
  
<日本10年国債金利>
  
<為替:ドル円>
  
<WTI原油先物>
  


<気づいたニュース>
【其の一】
   日銀マイナス金利の解除後、「どんどん利上げ」考えにくい-内田日銀副総裁
    ※国債買い入れ不連続にせず、緩和修正時にETF購入やめるのが自然
     賃金と物価の好循環「素地が整ってきた」、春闘は重要なファクター
      ⇒ ブルームバーグ  ロイター  日経
【其の二】
   23年の経常黒字、9割増の20.6兆円 資源高一服で輸入減
    ⇒ ロイター  日経
【其の三】
   ●中国経済指標
     ①中国の消費者物価、2009年以来の大幅下落-デフレ圧力拭えず
       ※1月の消費者物価指数、前年同月比0.8%低下-予想0.5%低下
        デフレ期待の定着リスク防ぐため、迅速で積極的措置必要との指摘も
         ⇒ ブルームバーグ  ロイター
     ②中国乗用車販売、1月は前月比14.1%減少 バッテリーEVが不振
【其の四】
   紅海の商船攻撃で石油製品輸送遅延、欧州市場に打撃=IEA幹部
【其の五】
   第一生命H、9日からベネフィトTOB開始-異例の対抗案に軍配
    ※ベネフィト親会社のパソナグループも、第一生命Hの提案が
     ベネフィトの企業価値向上に資するとの結論に至ったと発表
      ⇒ ブルームバーグ  ロイター
【其の六】
   ●決算
     ①ルネサス 第4四半期
       ※19年ぶり復配、社長「慎重に上げる」 M&Aと両にらみ
     ②NTT 第3四半期
       ※4-12月期(3Q累計)最終は前年同期比2%減益
     ③ソフトバンクグループ 第3四半期
       ※SVF回復で5四半期ぶり黒字-精力的な投資活動へ
     ④SUBARU 第3四半期
       ※今期営業益300億円上振れ 円安・売上構成改善が寄与
     ⑤本田技研 第3四半期
       ※上方修正、円安や値上げ効果 北米好調で前年比6割増益
        発行済み株式の0.7%・500億円を上限に自社株買い
     ⑥日産  第3四半期
       ※4-12月期営業益65%増、通期販売計画を下方修正
 

 

<今週の推移>
 ●S&P500
  
 ●東証日経平均
  


<今日の売買>
 ●買い
    6532:ベイカレント(買い増し)
    8104:クマザワHD (買い増し)
 ●売り
    6532:ベイカレント(損切)
    8104:クマザワHD (損切)


<PF成績(○日本株)>
 ●評価損益:前営業日比:<累計>
   ⇒ 2月 5日:+ 0.04%:+16.26%
   ⇒ 2月 6日:+ 0.15%:+16.65%
   ⇒ 2月 7日:- 0.18%:+16.61%
   ⇒ 2月 8日:+ 0.27%:+17.13%


<ひとりごと>
 ●本日の日経

    寄与度上位の5銘柄が日経平均を544円押し上げ、本日上昇分の73%を占める
   


 ●日経、騰落レシオ推移
   


 ●終了

  本業の出張(2泊3日)を終え帰宅、来月の出張は3泊4日の予定

 

 

 

<株価に影響?「噂」と「イベント」>

●2023年11月:首相、NTT巡る規制「抜本的に見直す」 衆院予算委
        ※自民党は11月中にNTT法のあり方に関して提言をまとめる方針
●2024年までに:政府 アナログ規制、99%撤廃決定 24年までに9000件改正
         ※法律や政省令を2024年の通常国会までに改正する
          法令を修正する工程表は年内に定める

●2024年2月:TSMC進出の熊本で半導体関連展示会初開催 24年2月

●2024年2月6日?:TSMC、第2工場も熊本・菊陽町に建設 2月発表か
          ⇒ ヤフーニュース  日経

●2024年3月4日頃:春の日経平均入れ替え:国内大手証券の予想
          ※新規採用予想:ディスコ、ZOZO、ディスコ
           入れ替え銘柄は3月4日ごろに発表され、
           3月29日の終値ベースでインパクトが発生

●2024年3月16日:北陸新幹線、金沢―敦賀3月16日開業 JR西日本・東日本

●2024年3月18-19日:日銀、金融政策決定会合

●2024年春:CCCと三井住友FG、Vポイントに統一 サービス統合
       ※2024年春に統合
        会員数はTポイントが約7000万人、Vポイントは約2000万人
        統合後の会員数は単純合算で約9000万人。
        1億人を超える会員を持つPonta(ポンタ)や楽天と同規模の勢力に

●2024年春:セブン銀がATMをプラットフォームに地銀7行と提携-口座開設など
       ※セブン-イレブンに行けばいろんな窓口業務できる世界へ-松橋社長
        24年春から顔認証機能でカードの要らない入出金取引も開始へ

●2024年4月:保険証、24年秋にマイナンバーカードと一体化 政府発表
       スマホで保険証、24年4月開始めざす アンドロイド端末

●2024年4月25-26日:日銀、金融政策決定会合

●2024年6月13-14日:日銀、金融政策決定会合

●2024年7月30-31日:日銀、金融政策決定会合

●2024年9月19-20日:日銀、金融政策決定会合
●2024年9月30日:自民党総裁任期満了
●2024年10月30-31日:日銀、金融政策決定会合

●2024年:スペースXとKDDI、スマホと衛星直接通信 国内どこでも
      ※衛星通信とスマートフォンを直接つなぐサービスを2024年をメドに始める
       ソフトバンクは今秋から国内でスターリンクの法人向け代理販売を始める

●2024年:VW、全固体電池をドイツで生産へ 大量供給見込む
      ⇒ 2025年以降に全固体電池を搭載するEVを発売する方針

●2024年11月5日:東証、取引時間15:30まで延伸

●2024年12月18-19日:日銀、金融政策決定会合

●2024年内?:任天堂が新型ゲーム機を年内発売、8インチ液晶使用-英調査会社
        ※新型機によりゲーム機用ディスプレーの出荷が1460万枚増加の予測
         スイッチにも使われる有機ELの次世代機での使用、24年はない
          ⇒ ブルームバーグ  日経
●2024年内:パナソニックHD、年内にも次世代電池を米ネバダ工場で量産化へ
       ※同工場の生産能力10%向上に自信-電池子会社CTO
        国内生産是非やりたい、これまで育ててきた自負
        2030年度に生産能力を現在の4倍に拡大する計画

●2024年末:台湾UMC、シンガポール新工場の用地使用権取得
       ※同総投資額は50億ドル(約6300億円)、2024年末までに量産開始
●2025年:ソニーグループとホンダ、EVで提携 新会社で25年販売開始

      ソニー・ホンダEV、北米で生産 25年にネット販売

●2025-2026年:ソニーGが金融子会社のスピンオフ検討、上場前提で2-3年後に
●2025年:ルネサス、パワー半導体に900億円投資 大型基板で量産 生産能力2倍に

●2025年4月13日:大阪万博 開催(10月13日まで) 約2820万人の来場を見込む

●2026年:日銀「デジタル円」、3メガ銀と実証実験へ 23年春から
        ※2年間ほど実験を進め、26年にも発行の可否を判断

●2026年:ホンダ、次世代EVを26年から投入へ-航続距離480キロ以上
      ※20年代後半に自動運転システム搭載、一般道で手放し運転一部可能に
       脱炭素化でEV販売は着実に増加、出遅れ気味の日本勢は開発急ぐ
        ⇒ ブルームバーグ  ロイター
●2026年後半:イビデン新工場、半導体部品26年後半にも量産 インテルに対応
        ※データセンターに使うサーバー向け製品などの需要が旺盛

●2027年まで:米アマゾン、27年までに日本で2兆2600億円投資-データセンターなど

●2027-2028年:トヨタ、EV150万台達成に自信-需要増視野に生産体制も準備
         ※全固体電池は耐久性の課題を克服、27-28年の実用化にチャレンジ
          HVからEVへの移行ペース踏まえ、3年後の需要予測立つ-副社長
           ⇒ ブルームバーグ  ロイター  日経

●2030年1-6月ごろ:政府が大阪IR計画を認定、国内初のカジノが29年秋以降開業へ
            ※開業:2029年秋から冬ごろ

            大阪IR「開業は2030年前半に」 米MGMのCEO

            ※開業時期は2030年1-6月ごろの見通し

          大阪知事、IR開業ずれ込み「国の審査遅れたから仕方ない」
           ※30年1-6月ごろにずれ込む見通し
●数年先:EUがAIに包括規制(案) 世界で初、顔認証利用に事前審査も
     ※成立までに数年かかる(2021年4月から)可能性も。

 

 

<●備える●>
 ①コロナウィルス感染動向
   ⇒ コロナウィルス新規感染者数
   ⇒ コロナ終息 ⇒ 金融緩和も終息 ⇒ 不景気の株高も終息 ⇒ 景気上昇の株高への引継ぎ?
 ②経済指数の動向
   ⇒ 決算、PMI、消費者指数(信頼感指数、物価指数)、GDP
 ③セリクラ
  ①予兆
   ・一定の価格帯から上がれずに横ばい推移。その中で上髭が散見。
   ・出来高水準が上がった価格帯で売買が活発。その後、急落局面が来る。
  ②到来
   ・相場全体が悲観的な投げ売りに
   ・株価急落と同時に出来高が増加
             ⇒ 売買代金5兆円前後(東P)
     ⇒ 一段深掘りしても出来高が大して増えないのであれば打ち止めの可能性も
    ③終幕
   ・売りがなくなり株価上昇
   ・出来高減少。板が薄い
   ・VIX指数40台以下を持続
 ④相場が底入れするパターン
  ①債券利回りが下がる
  ②VIXが凄く高くなった後でゆっくり下がりはじめる
  ③①②のコンビネーションが起きた時


<●相場が動く要素(上昇or下落)●>
 ①出来高(代金)急伸
 ②毎月第2金曜日
    日本株のSQ(先物・オプションなど決済期日の特別清算指数)
   ⇒ SQ週の「魔の水曜日」 売り方の仕掛けを警戒
   ⇒ メジャーSQ(3、6、9、12月の第2金曜日)
   ⇒ SQ(上記以外の月の第2金曜日)
   ⇒ ボラティリティが大きくなる傾向あり
     ●大型株は影響を受けやすい
  ③毎月第3金曜日
  米株のSQ(先物・オプションなど決済期日の特別清算指数)
   ⇒ メジャーSQ(3、6、9、12月の第3金曜日)
   ⇒ SQ(上記以外の月の第3金曜日)
   ⇒ ボラティリティが大きくなる傾向あり
     ●大型株は影響を受けやすい
     ▼▲日本株も影響を受けることあり▼▲
 ④MSCI(世界株価指数)
   モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが算出する
   株価指数で、MSCIワールドインデックスとも呼ばれる。
   機関投資家が多く採用していることから、注目されている。
   構成銘柄は四半期ごとに見直され、2月・5月・8月・11月は大きな入れ替えを実施。
   新たに指数に組み入れられた銘柄には、組み入れ変更後にパッシブ連動資金
   (市場の平均的リターンを追求する運用筋の資金)による大きな買い需要が発生。
   入れ替えの銘柄発表は、入れ替え月の15日前後に、銘柄の入れ替えは同月末日。
 ⑤上場投資信託(ETF)の決算
    7月第2週は、主要な日本株の上場投資信託(ETF)の決算日が集中
   「分配金支払による売りが、7月1週~2週頭」に出て、株価が下落する傾向あり。
 ⑥上昇or下落
  インフレ=金利上昇 ⇒ 金融関連銘柄は上昇
   デフレ=金利下落 ⇒ 金融関連銘柄は下落
 ⑦夏枯れ相場
   出来高減少、ボラティリティが高くなる傾向あり
   夏枯れ相場に挑む際の心得
    ①事前にPFを整理(ブラッシュアップ)
    ②事前に現金ポジ高める
    ③押し目拾い銘柄の選択と集中
    ④買い時は第3水曜日から金曜日?
 ⑧米レーバーデイ
   レーバーデイ(9月の第1月曜)3連休明け
   米国の機関投資家が夏季休暇から職場へ戻る
   新たなトレンド生まれる傾向がある

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 ⑨有事(戦争)
   ①エネルギー、コモディティ(金など)関連上昇
   ②砲声で買い
   ③安全資産とされる国債が買われ、金利低下
   ④サイバー攻撃、セキュリティ関連が上昇
   ⑤ボラ高く、値動き荒くなる
   ⑥エネルギー、コモディティ(金など)関連下落、株価上昇

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


<●暴落相場(コロナ相場)で学んだこと●>
 ①個人の「思い」や「ファンダメンタル」より、「相場の値動き(波)を優先視」
 ②業績に関係ない理由での株価暴落は、底値で拾える「チャンス」
 ③保有銘柄暴落時(下げ止まらない)は、持ち続けず「損切り」
   ⇒ 「資金不足」を招き、次の「チャンス」を逃してしまう。


<●上昇相場の銘柄選び方●>
 ①「世の動き」から、業績寄与が連想される銘柄の期待感と割安感
   ⇒ 実態経済(現状の業績)より、期待感が優先される。
   ⇒ 世の動き(相場)に逆らうと波には乗れない。進化論と同じ。
   ⇒ 私情を優先すると痛手を負う。


<●経済回復の構造●>
 ①企業業績の回復(PMIや決算)
 ②消費者指数(信頼感指数、物価指数)が上昇
 ③GDPが上昇