<東証株式相場 概要>
●日経平均
6日の日経平均は3営業日ぶりに反落、終値は前日比193円50銭(0.53%)安の3万6160円66銭だった。米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測が後退し、前日の米株式市場で主要3指数がそろって下落した流れを引き継ぎ、東京市場でも売りが優勢だった。前場には下げ幅が300円に迫る場面があったが、後場は下げ幅を縮小した。午後の取引時間中にトヨタが2024年3月期の業績予想の上方修正を発表し、上場来高値を付け、相場全体を支えた。
FRBのパウエル議長は米国時間4日夜の米テレビ番組で「経済が強い状況においては、いつ政策金利の引き下げを始めるかという問題にじっくりと対処することができるように感じる」と述べた。5日発表の1月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が市場予想を上回ったこともあって、早期の利下げ観測が後退。米長期金利が上昇し、6日の東京市場でも株式の相対的な割高感を意識した売りが優勢だった。
売り一巡後は下げ渋った。トヨタが13時25分、24年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比84%増の4兆5000億円になりそうだと発表した。従来予想から5500億円上方修正したうえ、市場予想を上回ったことから好感する買いが集まった。トヨタは上場来高値を更新し、時価総額が日本企業として初めて50兆円を超えた。
市場では「トヨタの決算は投資家心理を明るくする内容で、国内外で重要イベントを通過し、不安材料が少ない中で買いが入りやすかった」(証券関係者)との声が聞かれ、日本株相場全体を支えた。
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反落、終値は17.46ポイント(0.68%)安の2539.25だった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆274億円、売買高は19億1158万株。東証プライムの値下がり銘柄数は1233、値上がりは385、横ばいは40だった。
ダイキンやファストリ、KDDIが安い。ファナックや安川電、ソニーGが下落した。ヤマトHDやアステラス、エーザイも売られた。一方、三菱重が大幅高。アドテストや東エレク、スクリンなど半導体関連株の一角も上昇した。資生堂やキッコマンのほか、SUBARUやホンダも買われた。
●新興市場
6日のグロース市場250指数は3日続伸、終値は前日比1.14ポイント(0.16%)高の716.41だった。前日の米株安を受けて国内新興市場でも売りが先行したものの、次第に新興株の出遅れ感に着目した買いが優勢になり、指数は小幅高に転じた。市場では「足元で日経平均株価の上値が重い展開となっており、値動きが軽い新興銘柄を選好する動きも出始めているようだ」(証券関係者)との声が聞かれた。
東証グロース市場ではカバーやフリー、ジーエヌアイなどの主力銘柄が上昇した。一方、弁護士COMやGMO-FGは下落した。
●国内市況
:株式、債券、為替市場
:話題株ピックアップ【夕刊】
(1):デクセリ、スクエニHD、三菱重
(2):レンゴー、カルタHD、トヨタ
(3):冶金工、ヤマトHD、アステリア
<市場別、出来高・売買代金>
<市場別、値上がり・値下がり銘柄数>
<指数、日中推移>
<米10年国債金利>
<日本10年国債金利>
<為替:ドル円>
<WTI原油先物>
<気づいたニュース>
【其の一】
●国内経済指標
①12月の実質賃金は1.9%減、2カ月ぶり減少幅縮小-所定内給与が堅調
※実質賃金のマイナスは21カ月連続-名目1.0%増、所定内給与1.6%増
共通事業所ベースでは名目1.5%増、一般労働者の所定内給与2.0%増
⇒ ブルームバーグ 日経
②消費支出、23年平均は前年比2.6%減 物価高響き3年ぶりマイナス
③塩ビ輸出、インド向け7割に拡大 農業インフラ需要伸び
※23年の塩ビ輸出量は前年比12%増の65万2662トン、4年ぶりに前年を上回る
④1月の輸入EV販売、BYDが2割占める 欧州勢もけん引
【其の二】
中国の政府系ファンド、ETF買い増しへ-本土株上昇
※CIC傘下の中央匯金投資、ETFの保有拡大続ける
中央匯金がETF買い増しを明らかにしたのは昨年10月以来
【其の三】
KDDIがローソンにTOB、コンビニの新しい価値模索
※TOBは5日終値に19%のプレミアムを乗せた価格に
それぞれが展開する金融サービスをどうするかの疑問も-アナリスト
⇒ ブルームバーグ ロイター
【其の四】
TSMC熊本工場にトヨタ出資、 デンソー、ソニーも追加出資
【其の五】
斎藤経産相、キオクシアとWD合弁会社への支援決定
⇒ ブルームバーグ ロイター
【其の六】
紅海・アデン湾通る船舶は全て被害受けるリスク免れず-海運業界団体
※フーシ派による攻撃の巻き添えで被害を受けるリスクあると注意喚起
フーシ派はイエメン沖合185キロまで攻撃可能-業界団体の最新指針
【其の七】
韓国電池3社そろって減収 23年10-12月、EV販売失速
【其の八】
●決算
①トヨタ 第3四半期
※最高値更新で時価総額50兆円超え-今期業績予想上方修正
②三菱重工 第3四半期
※1株を10株に分割、通期上方修正も-株価33年超ぶり高値
③任天堂 第3四半期
※任天堂スイッチ、7年目でも堅調-次世代機については語らず
③JR九州 第3四半期
※純利益9割増、鉄道・旅行需要回復で
④ニチレイ 第3四半期
※純利益11%増 2年ぶり最高、24年3月期
<今週の推移>
●S&P500
●東証日経平均
<今日の売買>
●買い
6532:ベイカレント(買い増し)
●売り
6532:ベイカレント(損切)
<PF成績(○日本株)>
●評価損益:前営業日比:<累計>
⇒ 2月 5日:+ 0.04%:+16.26%
⇒ 2月 6日:+ 0.15%:+16.65%
<ひとりごと>
●本日の日経
●大きな変化の波が到来か?
トヨタ、三菱重工以外にも好決算の企業が多く存在
日経、TOPIXは反落したが、出来高・売買代金とも増加
(※注:値下がり銘柄数が過半を占める)
出張中に話題が盛りだくさんで、備忘録遅くなった
お疲れ様でした
<株価に影響?「噂」と「イベント」>
●2023年11月:首相、NTT巡る規制「抜本的に見直す」 衆院予算委
※自民党は11月中にNTT法のあり方に関して提言をまとめる方針
●2024年までに:政府 アナログ規制、99%撤廃決定 24年までに9000件改正
※法律や政省令を2024年の通常国会までに改正する
法令を修正する工程表は年内に定める
●2024年2月:TSMC進出の熊本で半導体関連展示会初開催 24年2月
●2024年2月6日?:TSMC、第2工場も熊本・菊陽町に建設 2月発表か
⇒ ヤフーニュース 日経
●2024年3月4日頃:春の日経平均入れ替え:国内大手証券の予想
※新規採用予想:ディスコ、ZOZO、ディスコ
入れ替え銘柄は3月4日ごろに発表され、
3月29日の終値ベースでインパクトが発生
●2024年3月16日:北陸新幹線、金沢―敦賀3月16日開業 JR西日本・東日本
●2024年3月18-19日:日銀、金融政策決定会合
●2024年春:CCCと三井住友FG、Vポイントに統一 サービス統合
※2024年春に統合
会員数はTポイントが約7000万人、Vポイントは約2000万人
統合後の会員数は単純合算で約9000万人。
1億人を超える会員を持つPonta(ポンタ)や楽天と同規模の勢力に
●2024年春:セブン銀がATMをプラットフォームに地銀7行と提携-口座開設など
※セブン-イレブンに行けばいろんな窓口業務できる世界へ-松橋社長
24年春から顔認証機能でカードの要らない入出金取引も開始へ
●2024年4月:保険証、24年秋にマイナンバーカードと一体化 政府発表
スマホで保険証、24年4月開始めざす アンドロイド端末
●2024年4月25-26日:日銀、金融政策決定会合
●2024年6月13-14日:日銀、金融政策決定会合
●2024年7月30-31日:日銀、金融政策決定会合
●2024年9月19-20日:日銀、金融政策決定会合
●2024年9月30日:自民党総裁任期満了
●2024年10月30-31日:日銀、金融政策決定会合
●2024年:スペースXとKDDI、スマホと衛星直接通信 国内どこでも
※衛星通信とスマートフォンを直接つなぐサービスを2024年をメドに始める
ソフトバンクは今秋から国内でスターリンクの法人向け代理販売を始める
●2024年:VW、全固体電池をドイツで生産へ 大量供給見込む
⇒ 2025年以降に全固体電池を搭載するEVを発売する方針
●2024年11月5日:東証、取引時間15:30まで延伸
●2024年12月18-19日:日銀、金融政策決定会合
●2024年内?:任天堂が新型ゲーム機を年内発売、8インチ液晶使用-英調査会社
※新型機によりゲーム機用ディスプレーの出荷が1460万枚増加の予測
スイッチにも使われる有機ELの次世代機での使用、24年はない
⇒ ブルームバーグ 日経
●2024年内:パナソニックHD、年内にも次世代電池を米ネバダ工場で量産化へ
※同工場の生産能力10%向上に自信-電池子会社CTO
国内生産是非やりたい、これまで育ててきた自負
2030年度に生産能力を現在の4倍に拡大する計画
●2024年末:台湾UMC、シンガポール新工場の用地使用権取得
※同総投資額は50億ドル(約6300億円)、2024年末までに量産開始
●2025年:ソニーグループとホンダ、EVで提携 新会社で25年販売開始
●2025-2026年:ソニーGが金融子会社のスピンオフ検討、上場前提で2-3年後に
●2025年:ルネサス、パワー半導体に900億円投資 大型基板で量産 生産能力2倍に
●2025年4月13日:大阪万博 開催(10月13日まで) 約2820万人の来場を見込む
●2026年:日銀「デジタル円」、3メガ銀と実証実験へ 23年春から
※2年間ほど実験を進め、26年にも発行の可否を判断
●2026年:ホンダ、次世代EVを26年から投入へ-航続距離480キロ以上
※20年代後半に自動運転システム搭載、一般道で手放し運転一部可能に
脱炭素化でEV販売は着実に増加、出遅れ気味の日本勢は開発急ぐ
⇒ ブルームバーグ ロイター
●2026年後半:イビデン新工場、半導体部品26年後半にも量産 インテルに対応
※データセンターに使うサーバー向け製品などの需要が旺盛
●2027年まで:米アマゾン、27年までに日本で2兆2600億円投資-データセンターなど
●2027-2028年:トヨタ、EV150万台達成に自信-需要増視野に生産体制も準備
※全固体電池は耐久性の課題を克服、27-28年の実用化にチャレンジ
HVからEVへの移行ペース踏まえ、3年後の需要予測立つ-副社長
⇒ ブルームバーグ ロイター 日経
●2030年1-6月ごろ:政府が大阪IR計画を認定、国内初のカジノが29年秋以降開業へ
※開業:2029年秋から冬ごろ
※開業時期は2030年1-6月ごろの見通し
大阪知事、IR開業ずれ込み「国の審査遅れたから仕方ない」
※30年1-6月ごろにずれ込む見通し
●数年先:EUがAIに包括規制(案) 世界で初、顔認証利用に事前審査も
※成立までに数年かかる(2021年4月から)可能性も。
<●備える●>
①コロナウィルス感染動向
⇒ コロナウィルス新規感染者数
⇒ コロナ終息 ⇒ 金融緩和も終息 ⇒ 不景気の株高も終息 ⇒ 景気上昇の株高への引継ぎ?
②経済指数の動向
⇒ 決算、PMI、消費者指数(信頼感指数、物価指数)、GDP
③セリクラ
①予兆
・一定の価格帯から上がれずに横ばい推移。その中で上髭が散見。
・出来高水準が上がった価格帯で売買が活発。その後、急落局面が来る。
②到来
・相場全体が悲観的な投げ売りに
・株価急落と同時に出来高が増加
⇒ 売買代金5兆円前後(東P)
⇒ 一段深掘りしても出来高が大して増えないのであれば打ち止めの可能性も
③終幕
・売りがなくなり株価上昇
・出来高減少。板が薄い
・VIX指数40台以下を持続
④相場が底入れするパターン
①債券利回りが下がる
②VIXが凄く高くなった後でゆっくり下がりはじめる
③①②のコンビネーションが起きた時
<●相場が動く要素(上昇or下落)●>
①出来高(代金)急伸
②毎月第2金曜日
日本株のSQ(先物・オプションなど決済期日の特別清算指数)
⇒ SQ週の「魔の水曜日」 売り方の仕掛けを警戒
⇒ メジャーSQ(3、6、9、12月の第2金曜日)
⇒ SQ(上記以外の月の第2金曜日)
⇒ ボラティリティが大きくなる傾向あり
●大型株は影響を受けやすい
③毎月第3金曜日
米株のSQ(先物・オプションなど決済期日の特別清算指数)
⇒ メジャーSQ(3、6、9、12月の第3金曜日)
⇒ SQ(上記以外の月の第3金曜日)
⇒ ボラティリティが大きくなる傾向あり
●大型株は影響を受けやすい
▼▲日本株も影響を受けることあり▼▲
④MSCI(世界株価指数)
モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが算出する
株価指数で、MSCIワールドインデックスとも呼ばれる。
機関投資家が多く採用していることから、注目されている。
構成銘柄は四半期ごとに見直され、2月・5月・8月・11月は大きな入れ替えを実施。
新たに指数に組み入れられた銘柄には、組み入れ変更後にパッシブ連動資金
(市場の平均的リターンを追求する運用筋の資金)による大きな買い需要が発生。
入れ替えの銘柄発表は、入れ替え月の15日前後に、銘柄の入れ替えは同月末日。
⑤上場投資信託(ETF)の決算
7月第2週は、主要な日本株の上場投資信託(ETF)の決算日が集中
「分配金支払による売りが、7月1週~2週頭」に出て、株価が下落する傾向あり。
⑥上昇or下落
インフレ=金利上昇 ⇒ 金融関連銘柄は上昇
デフレ=金利下落 ⇒ 金融関連銘柄は下落
⑦夏枯れ相場
出来高減少、ボラティリティが高くなる傾向あり
夏枯れ相場に挑む際の心得
①事前にPFを整理(ブラッシュアップ)
②事前に現金ポジ高める
③押し目拾い銘柄の選択と集中
④買い時は第3水曜日から金曜日?
⑧米レーバーデイ
レーバーデイ(9月の第1月曜)3連休明け
米国の機関投資家が夏季休暇から職場へ戻る
新たなトレンド生まれる傾向がある
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⑨有事(戦争)
①エネルギー、コモディティ(金など)関連上昇
②砲声で買い
③安全資産とされる国債が買われ、金利低下
④サイバー攻撃、セキュリティ関連が上昇
⑤ボラ高く、値動き荒くなる
⑥エネルギー、コモディティ(金など)関連下落、株価上昇
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
<●暴落相場(コロナ相場)で学んだこと●>
①個人の「思い」や「ファンダメンタル」より、「相場の値動き(波)を優先視」
②業績に関係ない理由での株価暴落は、底値で拾える「チャンス」
③保有銘柄暴落時(下げ止まらない)は、持ち続けず「損切り」
⇒ 「資金不足」を招き、次の「チャンス」を逃してしまう。
<●上昇相場の銘柄選び方●>
①「世の動き」から、業績寄与が連想される銘柄の期待感と割安感
⇒ 実態経済(現状の業績)より、期待感が優先される。
⇒ 世の動き(相場)に逆らうと波には乗れない。進化論と同じ。
⇒ 私情を優先すると痛手を負う。
<●経済回復の構造●>
①企業業績の回復(PMIや決算)
②消費者指数(信頼感指数、物価指数)が上昇
③GDPが上昇