『「がん活性消滅療法」という選択』という本を読んでみました。

 

 

 


きっかけは、知人からプレゼントされたからです。
本の帯には、余命宣告からの生還者多数!!と気になる記載が。

以下、私の疑問と本から得た情報を記載します。

1.がん活性消滅療法CEATとは?

マイクロ波により、体内組織の水の分子を揺り動かすことで温度を上げる治療。電子レンジもマイクロ波を利用している。

独自の検査方法である共鳴反応検査により、体内にがん腫が存在するか否かを判定し、その量、進行度合いも分かり、どの臓器・部位のがんかも10分以内に判定できるとしている。
検査は、がんの標本と隣接している金属の棒を患者の身体の各部位に近づけ、健診スタッフ(メディエーター)の左手で作ったOリングが開くか否かで判定する。

2001年、CEAT(がん活性消滅療法)がスタートし、17年間で7000症例の実績があるとしている。
2010年にCEATのマイクロ波発生装置の改良が完成。

2.温熱療法(ハイパーサーミア)との違いは?

ハイパーサーミアは、ラジオ波によって、細胞自体を自己発熱させる治療。著者は、この治療効果は、圧倒的とは言えず、放射線療法や抗がん剤による化学療法の補助的な治療法に甘んじていると述べている。

CEATは、温熱効果だけでなく、プラズマ効果があるとしている。

3.余命宣告から治る確率はどのぐらい?

記載なし。

ただし、CEATのがん治癒率をがんの専門病院と比較した表あり(P43)進行度別として前期と後期に分けて数値が載っている。前期、後期の定義は不明。表や数値の解説はないが、後期で比較すると、肺がん、胃がん、肝臓がん、卵巣がん、膀胱がんの効果が高い。反対に乳がんの成績が悪い。

ちなみに、「膵臓がんは、早期発見が難しいため予後が悪く、発見された時には手遅れとされるが、マイクロ波にはよく反応し、食欲があり痛みが無ければ、治癒の可能性は高い」(P183)としているが、P43のがん治癒率を見る限りでは、前期の治癒率68.4%、後期の治癒率8.8%」となっていて治癒の可能性が高いという印象は持てない。
また大腸がんの治療率は、後期で57%との記載がある(P193)があるが、P43の治癒率の数字64.7%と数字が一緒になっていない。どちらかが間違いと考えられます。ちなみに57%が正しいとすると、がん専門病院の治癒率57.2%とほぼ同じになります。

4.大腸がん肺転移で治った人はいる?

記載なし
「大腸がんは肺と肝臓に転移しやすい。CEATはこれらの転移部位としても同様に、正常細胞にダメージを与えずに治療できる」と記載されていますが、大腸の症例としては403例ある中、症例としては1例のみ挙げられており、なぜか結腸癌と同時に発見された子宮、卵巣、腎臓、尿管の治療の話になっており、肺転移や肝臓転移の治療の例示なし。


「進行がんや末期がんの場合でも、手術をせずに、CEATのみで完治できた例はあるが、CT等の画像診断ではっきり確認できるレベル」の場合は「治療期間が長くなる。その間に体力を失い、がん腫が減少しても、生命力が消失する例は少なくない」(P140)

5. かかる費用はどれぐらい?

「月々、10万を超える治療費の支払いが必要になる例は、よほどの緊急時でなければない」としている。よほどってどれぐらいだ?
・手術前の大腸がんのリンパ節等の治療例
  1日2回、27回照射(P139)

アドバンスクリニック東京の場合:
初診料30,000円(税抜き)、再診時10,000円(税抜き)
通院回数は、基本的に週2回をおすすめしている

6. 感想(大腸がんの肺転移治療のために、CEATを試すべきなのか)

 上記の結果、特に大腸がんは肺と肝臓に転移しやすいのに、治った症例が明示されていないため、治った患者はいないのではと予想されます。そのため、いまの所の情報だけでは、大腸がんの肺や肝臓へのCEATの治療は積極的にはお勧めできないのではと思います。
 一方で、共鳴反応検査を利用したがんの超早期発見(と治療)については、例えば、大腸がんの発見としては、従来、便潜血法や、内視鏡がありますが、便潜血法は早期の癌発見が難しく、内視鏡は高いし、体への負担も大きいので、50才、あるいは40才になるまではCEATを試す、あるいは高齢のため内視鏡、手術をする代わりに共鳴反応検査+CEATを試すのはありなのかもしれません。ただ、がんがないのに勝手にがんがあると言われ、がん治療をされた場合は、どのように気づけばいいか分からないのが怖いところです。

 

 

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