画像引用元:movies.yahoo.co.jp
■原題:Le vent nous emportera
■監督:アッバス・キアロスタミ
■出演:ベーザード・ドーラニー
■1999年 イラン 118分
イランの巨匠アッバス・キアロスタミが、
小さな村を取材しに来たテレビクルーと個性豊かな住民たちの交流を描き、
1999年・第56回ベネチア国際映画祭で審査員グランプリを受賞した人間ドラマ。
首都テヘランから、クルド系の小さな村を訪れたテレビクルーたち。
彼らはこの村独自の風習である葬儀の様子を取材しに来たのだが、
村を案内する少年ファザードには自分たちの目的を秘密にするよう話す。
テレビクルーは危篤状態のファザードの祖母の様子をうかがいながら、
数日間の予定で村に滞在する。
しかし数週間が過ぎても老婆の死は訪れず、ディレクターはいら立ちを募らせていく。
特集企画「そしてキアロスタミはつづく」
(2021年10月16日~、東京・ユーロスペースほか)にて
デジタルリマスター版を上映。
引用元:eiga.com
変わった葬儀に興味を示すテレビクルーたち
首都テヘランから、クルド系の小さな村をテレビクルーのベーザードたちが訪れる。
その目的は、この村の風習である変わった葬儀を特集しに来たのだ。
ベーザードの本当の目的は、危篤状態の祖母を持つ少年ファザードしか知らない。
しかし、数週間が過ぎても少年の祖母の死は訪れず、
ベーザードはいら立ちを募らせていく。
変わった葬儀なのは村が貧乏だから
変わった葬儀が行われるのは、
村が貧乏なせいであると村の教師から聞く。
「情愛を示すために自らの顔を傷つけ、競って泣きはらす。」
「生活の貧しさが儀式になって受け継がれている。」と。
青年の「生死」をみて心変わり
突然、とある青年が穴の中で生き埋めになる。
その青年を助けるのに必死になるベーザード。
そして、ベーザードは、
先ほどまで人の「死」を待っていたのに、
急に人の「生」を望むようになった。
青年を運んだ病院の医師に少年の祖母の診察を頼む。
「生」の手助けをする医師の運転するバイクの後ろに乗る。
そして、少年の祖母の薬を取りに行く。
医師「最も残酷なのは人の死。
なせならこの美しい世界をもう見ることができないから。」と。
ベーザードの中で罪悪感。
もはや、少年の祖母の「死」に意味を見出せなくなった。
少年の家をのぞくと、「死」を悼む鳴き声。
しかし、機材をすでに持ち帰らせた為、撮影ができず、
遠くから葬列に加わる女性のたちの姿をカメラに収めただけ。
アッバス・キアロスタミ監督の、皮肉めいた映画、結構好きです〜♡