第5回 他者との関係について | ”私は在る”に至るまでの軌跡

第5回 他者との関係について

 さて、自己受容はできましたでしょうか?これはHowToというよりは、現状であることを認識し、それに対して善悪を判断したり、拒否したりしない姿勢になります。


 では、現状の自分を受け入れることができたら、次は他者との関係をみていきましょう。

 

 対人恐怖症といった時に、相手との関係ではいくつかの類型ができるかもしれません。


 例えば、ざっくりといえば次のようにわけられるでしょうか。


 1.他人から注意されることや叱られることの恐怖

 2.他人から馬鹿にされることの恐怖

 3.自分自身の劣等感からくる恐怖(どもったり、赤面したり)


 綺麗に場合分けはできていなくて、2と3が組み合わさることもあるでしょう。その他に具体的な状況があればコメントなどいただければと思います。


 最初に1番ですが、これは、第3回 でお話した 課題の分離をすることができます。


 他人(上司)から注意された場合は、何かしらの理由があることが多いです。叱る事自体は上司の課題なので、あなたにはどうしようもありません。叱られる理由を、感情が落ち着いた時に整理してみましょう。そして、あなたにはそれを改善していくことだけが可能なことです。


 理由なく、ただ怒りたいから怒ってくるような人は、自分にはどうしようもないので、気にする必要は一切ありません。


 2番目と3番目ですが、これは原因は同じで、他人と比較したところの自分の位置が低いと考えているときに生じます。


 仕事や学力などで、一定以上のレベルが必要で、あなたにそれが足りていないのであれば、そこを上げられるようにスキルアップを目指しましょう。このブログでも勉強法についても書いていくつもりです。


 それ以外であれば、他人と自分を比較する必要はありません。ここはテキストの第2夜「劣等感は、主観的な思い込み」と第3夜の「承認欲求は不自由を強いる」を読んでみてください。


 仕事を普通にするに足るスキルがあるのであれば、他人との比較は無意味だけでなく有害なので早めに、やめましょう。これも、止めると意識するだけです。


 意識をどのように習慣化するかが難しいところですが、これは、繰り返し脳にインプットしていく必要がありますので、常に身につけているようなもの、例えば、スケジュール帳やあるいはスマホのメモ帳にでも書いて意識するようにしましょう。


 そのときは、「他人と比較することをやめる」ではなく「自分の能力は十分にある」「自分は他人と同じだけのスキルがある」など肯定形の文章となるようにしてください。


 否定形だと脳はそこまで意識できないので、無意識的に他人と比較することが印象づけられてしまいます。


 最後に、ここ数回の記事をまとめますと、第3回では自分の課題と他者の課題を整理し、第4回で、自分の今の状況を受け入れること、そして、今日は他者との関係を整理し、いたずらに自分を卑下することを止める必要性について説明してきました。


 ここまで読んでも、どうしても対人恐怖症がクリアになったという感じはしないかもしれません。次回は、あなたと他者はどのような次元にいるのか、アドラー心理学でいう「共同体感覚」についてお話します。

 

 では、次回は、15日(土)18:30に更新します。