傾聴は家族には効かない
カウンセリングに絶対必要な傾聴共感。
傾聴共感だけをする心理療法もあるくらい効果があります。
ですが、この最強ともいえる傾聴は
家族には効果がないことが検証されています。
ワシントン大学心理学名誉教授ジョン・ゴットマンの研究です。
配偶者に怒鳴られている状況で
相手の話を傾聴して共感しろというのは
暴力を振るわれても逃げるな、
殴り返すなと言うに等しい。
と、ゴットマンは言います。
さらに残念なことに
傾聴を実践できた数少ないカップルを
追跡調査したところ
効果があったのはごく短期間で、
争いがたちまち再燃したのだとか。
いやはや、多くのご夫婦が身に覚えがあるのではないでしょうか。 
どうして、夫婦や親子では傾聴共感が効果がないのか？
では、なぜ、家族の間では傾聴共感が効果がないのでしょうか？
それは、お互いが当事者だからです。
自分のことを責められているのに
黙って耳を傾けて、共感までできる人はいないでしょう。
文句を言われたら、自分を守るために 人は反撃します。
カウンセラーが相談者さんに、
傾聴共感ができるのは、
他人事だからです。
自分が責められているわけではないから、
冷静に聴いて共感できるわけです。
家族の問題こそカウンセリングを受けましょう
というわけで、
家族の問題を家族の中で解決しよう
とするのは、とっても難しいです。
話し合いは、喧嘩をエスカレートさせる
原因になることが、ほとんどです。
家族の問題こそ、
心理カウンセリングを受けましょう。
話を聴いてもらい、共感してもらうことで、
気持ちが楽になり、気づきが生じます。
たとえ、それが
ほとんど解決不可能な問題であっても
「わかってくれる人がいる」 と思うと、
気持ちが楽になり、
乗り越える勇気が湧いてくるものです。