愛し、愛され、自分を愛する

2016年6月から2017年7月に放送していたPodcastを、

現在の矢野の解説付きでお楽しみいただいています。

第３回「愛し、愛され、自分を愛する」

●幸せになる秘訣は3つの愛にある

矢野は愛には3種類あると考えています。

　愛を受け取る
　自分を愛する
　愛を与える

古今東西、さまざまな偉人たちが幸せの秘訣を説いていますが、それらは次の3つに大別されます。

・幸せの秘訣は、感謝して受け取ることです
・幸せの秘訣は、まず与えることです
・幸せの秘訣は、自分を愛することです

どうやら、幸せの秘訣は、3つの愛にあるようです。

どのような人が、
どの幸せの秘訣を説いているかを考えると、
幸せの秘訣の本質が分かります。

●幸せの秘訣が生まれた背景

「まず与える」を幸せの秘訣と
説いている人の典型は、アメリカの富豪たちです。

どうして、彼らは「まず与える」を
幸せの秘訣と考えるようになったのでしょうか？

彼らは元々私利私欲が強い人たちです。
自分のことしか考えないので信頼を失い、ビジネスで行き詰まった。

そんなとき「損得勘定なしで、お客様に尽くそう」と考えを改めた。
そうしたら、さらにビジネスが飛躍した。
だから、彼らは「まず与える」を幸せの秘訣と考えるようになったのです。

「感謝して受け取る」ことが、
幸せの秘訣だと説いている人の典型は、日本の商人です。
松下幸之助さんや齋藤ひとりさんですね。

商売を始めた人はどんな綺麗事を言おうが、私利私欲の強い人です。
また日本人は滅私奉公の精神を美徳としていますので、損をしてまで尽くして枯渇してしまったのです。

それが「感謝して受け取ろう」と考えるようにした。
そうしたら、商売も人生もうまくいくようになった。
だから、彼らは「感謝して受け取る」を幸せの秘訣だと考えるようになった。

「自分を愛する」を幸せの秘訣
だと説いている典型的な人は、
聖職者や心理職の人たちです。

彼らは自分のことは後にして、
人に尽くして燃え尽きてしまったのです。

そして「自分のことを一番に大切にしよう」と考えるようにした。
そうしたら、自分も周囲の人も幸せになった。
だから「自分を愛する」を幸せの秘訣と考えるようになったわけです。

●愛の偏りと循環

つまり、彼らは、今までとは別の愛に
意識を向けるようにしたことで、
苦境から脱することができたわけです。

幸せの秘訣は
「まず与える」
「感謝して受け取る」
「自分を愛する」
のどれかひとつではありません。

今まで自分がどの愛に偏っていたのか？
それとは別の愛に意識を向けることが、
幸せの秘訣なのです。

そして、3つの愛はつながって循環しています。

愛を受け取る
　↓
自分を愛することで愛を増幅する
　↓
溢れた愛を人に与える
　↓
与えた愛が自分に返ってくる

血流が滞ると病気になります。
水は滞ると、腐ってしまいます。
お金の流れが滞ると、不況になります。

愛も同じなのです。
偏って滞ると、人間関係などに問題が起きる。
循環することで、健全な状態になれるのです。

それでは、3つの愛についてそれぞれ説明しますね。

●「愛を受け取る」には

愛を受け取るには、感謝することです。
感謝は「ありがとう」だけではありません。
感謝には「謝る」という字が入っていますよね。

・感＝「ありがとう」
・謝＝「ごめんなさい」
なのです。

「ありがとう」と「ごめんなさい」の2つがあって、はじめて感謝なのです。
「ありがとう」と「ごめんなさい」には、省略された言葉があります。

・ありがとう。私はあなたの愛を受け取りました。
・ごめんなさい。こんな私でも許してください。受け入れてください。

相手の好意を素直に受け取ることができ、
自分のことを受け入れてくださいと差し出すことができたら……

何があっても、何がなくとも、幸せですよね。
これが、感謝して愛を受け取るということです。

●「自分を愛する」ことは「愛を自己増幅」すること

自分を愛するには2つのことが必要だと矢野は考えています。
・自分を信頼する
・自分をいたわる

自分を信頼するためには、自分の人生に責任を持つことが必要です。
責任を英語でいうとResponsibilityです。

Responsibility＝Response（反応）＋Ability（能力）

つまり「自分の人生に責任を持つ」とは、
自分の身に起きたことに対して、
他人任せにするのではなく、
自分で反応（対処）することなのです。

だから、「何もしなくても私には価値がある」と、
本当に何もしないのは、
自分を愛していることにはなりません。

そして、自分を愛することは、
愛を自己増幅することでもあります。

自己愛の大きな人は、
与えられた愛が少なくとも、
それを自分で増幅することができるのです。

●愛を与える方には2通りある

「愛を与える」には、2つの方向性があります。
愛を仏教用語では「慈悲」と言います。

・慈＝人を楽しませる
・悲＝人を助ける

ですから、愛を与えるには、
人を楽しませるか、
困っている人を助けるか
をすればいいのです。

●3つの愛を実践する

3つの愛を日常生活の中で実践する簡単な方法をひとつずつお伝えします。

・愛を受け取る
「ありがとう」を言う時、
心の中でそれに続けて
「わたしはあなたの愛を受け取りました」
と唱えてみてください。

・自分を愛する
自分のために、時間とお金を使いましょう。

・愛を与える
人を喜ばせること、人助けをしましょう。

人間関係で問題が起きているとき、
愛が3つのどれかに偏っています。

自分がどの愛に偏っているのかを探り、
別の愛を意識した言動をしてみてください。

そうすれば、愛が循環して、幸せになります。

では、音声をお楽しみください。