「なんもしない人(ぼく)を貸し出します。
常時受け付け中です。
国分寺駅からの交通費と、飲食代等の諸経費だけ(かかれば)ご負担いただきます。
飲み食いと、ごく簡単なうけこたえ以外、なんもできかねます」

 

「レンタルなんもしない人」
という人がいることを知りました。

 

人数合わせや、ただそこにいるだけという
存在そのものだけをレンタルするというサービス。

 

「何をしなくとも
人には存在そのものに価値がある」

という心理関係者がよく口にすることを
実践した人ですね。

 

2018年6月にTwitterでサービスの告知を開始し、
マスコミから多くの取材を受けて、
本を出し、コミックにもなり、
TVドラマにまでなっています。

今では、1件1万円で依頼を受けているそうです。

 

さっそく、コミックと本を読んでみました。

 

 

 

 

「なんもしない」に価値はあるのか?

 

そもそも「なんもしてくれない人」を
レンタルする意味があるのか?

不思議じゃないですか?

 

コミックで描かれていたエピソードで

印象に残ったの話が2つあります。

 

そしてそのエピソードに
「なんもしない」ことの本質がある
ように感じます。

 

 

過去に殺人を犯した男性の話

 

依頼者は、自宅にレンタルさんを招き、
自家製の果実酒と手料理を振舞います。

そう、自宅を訪ねてきた友人をもてなすように。

 

 

自分がどうして殺人を犯してしまったのか?

殺人の原因となった母親との関係。

 

友人にこんな話をしたら、
その友人は自分から離れてしまう。

 

でも、レンタルさんは、
自分の過去を知っても、
自分の前に黙って座ってくれている。


「誰にも言えないこと」を聞いてほしい。

 

聞いてもらうことで、
依頼者は人に受け入れてもらえた
経験をします。

 

そのことで、自分の過去と現在と
これからの未来を
受け入れようとしているのです。

 

 

離婚届を提出するのを見届けてほしい

もうひとつが、
離婚届を役所に提出するのを
見届けてほしいという女性からの依頼。

 

別れる夫にプロポーズされたカフェで
レンタルさんと一緒に食事をする。

 

 

食事をしながら、女性は

別れる夫との楽しかった日々を
思い出していきます。

 

結婚生活を嫌な思い出にするのではなく、

喜怒哀楽すべてが詰まった思い出として
大切にとっておく。

 

そのことで依頼者は
未来を向くことができるようになるのです。

 

そして、役所に離婚届を出すのを見届けてもらう。

それは、未来に向かって歩み出す自分を
見届けてもらうことなのだと思います。

 

 

なんもしない価値

この2つのエピソードに

「なんもしない価値」の本質

が現れているように思います。

 

それは

ただ寄り添う

黙って見守る

ということ。

 

このふたつをすることが、
なんもしていない
というように見えるだけなのです。

 

なんもしないことに
価値があるわけではない

勘違いしてほしくないのは、
「なんもしない」ことに
価値があるわけではない
ということです。
 
「なんもしない人」を
どのように使うか?
 
なんもしない人を
価値がある人にするかどうかは、
なんもしない人を
必要とする人次第
なのです。
 
上記のコミックのエピソードでも
それがお分かりになると思います。
 
 
人は存在そのもに価値があります。
それは間違いありません。
 
でもそれは、
「俺は存在そのものに価値があるんだ。
だから何もしなくてもいいんだ」
というのとは違います。
 
何もしないあなたに
価値があるのではありません。
 
何もしないあなたを
価値のある人間だと思ってくれる人がいる
必要としてくれる人がいる
ということが価値のあることなのです。
 

人は人によって活かされる

たとえ、何もしなくとも。
 
レンタルなんもしない人
のコミックと本を読んで、
それを新ためて感じました。

 

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