『もし僕が「正しい」「善い」「美しい」と自分で思うものを、他人の顔色を気にして目指さないのだとしたら……僕はいったい何のために生まれてきたというのだろう』
『正義の教室』飲茶 著より
今回は、私たちが生まれてきた理由を哲学してみます。
・あなたにとっての「正しさ」とは何ですか？
何が「正しくて」、何が「間違っている」
と考えていますか？
・あなたにとって「善い行い」とは何ですか？
何が善で、何が悪ですか？
・あなたは、どのような人を
どのようなことを「美しい」と感じますか？
自分が「正しい」と思う
「善い」行いをして、
「美しい」人やものに囲まれて生きること。
それが幸せなのではないでしょうか。
けれど、人によって、
正しさ、善、美しさ
の基準はさまざまです。
時代や地域によっても変わります。
たとえば、戦時中は
敵を殺すことが善で、
平和時は悪になります。
戦後から昭和40年代までは、
和食より洋食の方が頭が良くなる
（「正しい」食事）と考えられていましたが、
今では世界中で和食がブームになっています。
平安時代の美女は
現代ではオカメ（ブス）です。
このように、正義、善悪、美醜の
基準は、時代とともに移り変わりますし、
国や地域によっても異なります。
ですが、3つのどれに
こだわりを持っているのかは
個人による違いが大きいように思います。
そして、その人がこだわりを持っている
正、善、美の中に、
その人の「本質」というか
「幸せの形」があるように思います。
矢野がこだわるのは「美しさ」。
私にとって、美しいものは、
正しさも善さも満たしている。
私の好きな画家
アンドリュー・ワイエスの詩
平凡なものがいい
だけどそれを見つけるのは難しい
平凡なものを愛し
それに信頼をおくと
その平凡なものが
普遍性をおびでくる
ワイエスは、美女や風光明媚な景色は
描きません。
どこにでもいる平凡な女性
どこにでもあるような景色
を描きます。
だけど、美しい。
だからこそ、美しい。
美しいものは、
私たちの身の回りに
当たり前のようにあるのです。
私たちが、それに気づき
それに信頼をおけば
それは私たちに普遍的な
幸せをもたらしてくれます。
ワイエスの絵を観て
詩を読んで
そう感じました。
そして、私が最もセラピーというか
生き方そのものに影響を受けているのが、
ミルトン・H・エリクソン。
彼のセラピーに対する信念です。
その人が持っていないものを
与えることが心理療法ではない。
また、その人の歪んでいる部分を
矯正することでもない。
その人が持っているにもかかわらず、
持っていないと思っているものを、
どうやってその人自身が
使えるようにしていくのか。
そこを援助するのが心理療法です。
ワイエスとエリクソンが
私の中にある
美意識に気づかせてくれました。
そして、それは私にとって、
美しいだけでなく
正しいことでもあり
善いことでもあります。
私は、その美意識に則って
生きていくことを心がけています。
私がセラピーをしたり
心理学講座をするのは、
ご相談者さん受講生さんの
中に隠れている
本当の美しさを見つけ出すため
なんです。
その埃の中に埋もれていた
美しさを探し出したとき
至上の喜びを感じます。
ですから、私がおこなっている
あなたが自分の本当の素晴らしさに気づいて
それを活用することで
周囲に幸せを広げていけるようにサポートする
ことを目指しています。
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