家族療法 ジェノグラム(家系図)を学ぶ  学園長 | メンタルサポート総合学園(クマの手カフェ) カウンセラー養成プロコース 在校生の心の気づき・成長ブログ!

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メンタリストやカウンセラーとして必要なことを学び、お店での体験などリアルな在校生や卒業生・スタッフの目線で綴っていきます。

 

ジェノグラム(家系図)」は、マレー・ボーエンの家族システム論(1978)
から派生しました。

 

ジェノグラムは、システマティックで、シンプルに
家族の全体像を整理・マニュアル化することのできる、
誰にでも使いやすい家族療法の大変有益なツールです。

 

ジェノグラムは、<3世代以上>の家族メンバーと、
そこでの人間関係を書いた「家系図」を指します。


「家系図」には、<家族関係>あるいは・および、
<世代 間関係>が「図」で描かれたものを言います。

近代的家族は、夫婦と子どもとからなる<核>家族ですが、
<核>家族ではなく、
「3世代以上」の<拡大>家族メンバーを対象としたところに、
その特徴があります。

 

それは、3世代以上にわたる家族の「骨格・構造(論理)」を明らかにします。
が、同時に、そこから家族関係における「血肉(情緒)」も見え、
感じられてきます。

 

「図」で具体的に示されてるので、目で見て理解しやすく、
ボーエン派家族療法の臨床実践家だけでなく、
誰にでもわかりやすく、使いやすいという利点があります。

ジェノグラムは、家族療法の<入口>として、入りやすいツールです。

 

「ジェノグラム」の理解、分析、読みを広めたのはマレー・ボーエンですが、
その活用には、以下のような具体的利点があります。

 

ジェノグラムは、『見立て』のための最良のツール(の1つ)です。

「見立て」の仕方がわからなかったり、
「見立て」で困っている対人援助職の人に 、お勧めです。

 

家族の『歴史』の中で、家族の問題、悩み、症状が、
どのように出来上がってきたのか、見ることができます。

それは、問題、悩み、症状の「世代間伝承・連鎖」の理解を可能にする
<直接因果論>的見方によるものです。

まるで、仏教の「因果応報」を見るような気にさせられます。

 

<直接>因果論とは異なる『循環的』因果論的にも、
家族の病理や課題を理解するツールとなります。

「循環的因果論」は、家族療法にオリジナルな見方で、
大変有益です。

 

ジェノグラムを用いて、その見方を繰り返しトレーニングします。

 

家族の中で、歴代繰り返される・循環する『パターン』

 

たとえば、(血の繋がっていない)養子に入った子どもや大人が、
その家族に代々続く病気を患う、といったことが
たくさん報告されています。

 

それは、遺伝ではなく、
(代々続く)家族の「環境」や「見えない力動」が
影響したと考えられます。

 

家族力~家族の癒し力、ク リエイティビティ、協力・共同・協働力、
再生力、関係・つながり力、コミュニケーション力、潜在可能性を
見出しやすくなります。

 

 

ロールプレイングなどでトレーニングを重ねると、
「ジェノグラム」が、家族と、家族の個々人、家族の問題、悩み、症状、
またその癒しや解決可能性について、
『自ずと話し始める』ということが起きます。

 

それには、セラピストは、「ジェノグラム」に目を向けるだけでなく、
それを真ん中に置いて、
多くの家族メンバーとたゆまぬ・地道なコミュニケーションを
繰り返し行うようにします。

 

「ジェノグラム」を見て、名人占い師をまねて、
即、「あーなるほど、わかった」、ということを しないようにします。

 

ソクラテスやニコラス・クザーヌスやビオンのように、『わからない」を、大切にし、

家族メンバーと、そして「ジェノグラム」と、コミュニケーションを重ね、
ジェノグラムを通じた理解を共有します。

 

 

それが、「ジェノグラム」と取り組む基本姿勢となります。