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<レジリエントな復興って?>


NPO法人「地球守」および「高田造園」の代表であり、「土中環境」作者の 高田 宏臣さんが、能登半島支援に入っています。


彼が先日、能登半島の先端・珠州で寝泊まりしている、氷点下の車の中から配信した「地球守ラジオ」がすごかった…!



高田さんは今年元旦に起こった震災後、今回で3度目の能登訪問中。年末年始に家族で和倉温泉にいたことから縁がつながり、中長期的にこの地域の支援をすることを決めたそうで、年始からほとんど、地元の千葉にはいません。


高田さんは今、珠州の支援に入っていて、「昔の震災と比べて、同じ震度6の地震でも明らかに液状化と土砂崩れが多いこと」に課題感を持ちました。


もちろん、人命救助、安心できる暮らしを取り戻すことは最優先ですが、その次にあるのは「元通りに復旧する」のではなく、「土中環境からレジリエント(強靭)な復興」「日頃から支え合えるコミュニティの醸成」であるべき。そんな使命感を持って、活動をされています。


印象的だった言葉がいくつかありました。


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1)孤立しても生きていける力


「本当に昔からこの地域(珠州)の集落に根ざして生きてきた人にとっては、普段から冬の備えをしておくのは当たり前。仮にしばらく孤立しても生きていける人も多く、”少し昔に戻っただけ”と仰る人もいた」という言葉。


もちろん、現地の大変な状況を踏まえた上で、の話です。支援は必要だけれど、自動的に「全戸避難をさせなくては」とすることは正解ではない、と。


もちろん、避難したい人については積極的に応援する一方で、残ることを望む人の気持ちは尊重されるべきであるし、それによって起こる「コミュニティの分断」というマイナス面にも留意が必要であると。


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2)水源を守る大切さ


また、「この集落は水源も豊かで、水源に感謝する祭りなどもほんの少し昔まで存在していた。その頃は災害があっても水源さえあれば、自衛隊が水を運んでくる必要もなかった」という言葉も印象的でした。


高田さんは今、市役所からの依頼で、まずは集落の水源の復元をしようとしているそうです。


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3)水の流れに沿う建築


「昔の建築では、液状化が起こらない土地の扱い方をしていた。地面の中で水が滞っている場所で、沈下や吹き出しが起こる。自然にできる水の流れを”止める”のではなく”守る”ことが大事」と仰ったのも印象的でした。


今回も、周りに水路を張り巡らし、滞水しない工夫をしていた古い家の方が倒れていないことを、写真で紹介していました。


金沢城の石垣は、2000年前からある「葺石」という手法を用いた部分はびくともしないけれど、新しく改修した箇所で土手が沈下し、石垣が崩れていました。昔は、土手に水が伝って染み込み、滞水しないことはもちろん、表面は常に潤って植物も生えてくるような「葺石」の積み方をしていました。その部分は強靭です。ところが、葺石の意味がわからず改修工事をした土手(=斜面を重機で締め固め、ナイロンの植生マットを敷いた部分)は、震度5弱でも倒壊しました。


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番組の後半で、鎌倉市で建築士の荒木源希さんが手がける、水源の森を背負う集合住宅 #CrossingSasuke の建築が紹介されました。


鎌倉時代からの日本では、深さ3.5mの地中に石積みをして、水路を張り巡らせ、水の通り道に負荷をかけずに地盤を安定させていました。その上に、何百年と持つ建物を作ってきたそうです。それに倣って現代建築を手がける方がいることに、希望を感じました。


WAKUWORKS株式会社 の和久さんからの解説や、同社が子どもたちに #大地再生 を伝えようと動いていることにも、勇気をもらいました。



自然の流れに人の営みを寄り添わせることは、もはや「環境にやさしい」とか「意識高い系」という話ではありません。


人の暮らしの豊かさ、もっと言えば安全確保や「サバイバル」のために、全人類が必須で踏まえなくてはならないこと。


目には見えない循環、土中や海中の環境について、大人みんなで学び直し、子どもたちにも伝えていきたいなと思います。


そんなこんなを考えるきっかけに、また、復興支援の候補として。地球守ラジオ、ぜひ聴いてください。


https://www.youtube.com/watch?v=S4YO220xggw









追記:


似た視点で、私たちの活動「そっか」でも、今週1/27(土)15時〜、逗子市の観光協会との協働イベントを開催します。


「海の豊かさを取り戻すために流域から考える〜山・森・町・川・海のつながり〜」というイベントです。


磯焼け、砂の流出、酸性化はなぜ起こるのか。どうしたらもっと自然の循環に人間活動を寄り添わせることができるのか。


要事前申し込み、どなたも参加歓迎です!


永井 巧






きびと月の畑氏のポスト


『土中環境』作者の 高田宏臣氏が、能登半島支援に入ってリサーチを行っている。

金沢城の石垣で2000年前からある「葺石」という手法を用いた部分はびくともせず、新しく改修した箇所で土手が沈下し、石垣が崩れていたそう。現代は葺石の意味がわからず、斜面を重機で締め固め、ナイロンの植生マットを敷いた部分は、震度5弱でも倒壊した。

その他、ラジオでは現代の耐震技術、土木の在り方にも言及している。

いくら耐震補強された家でも土中に水が滞水していれば、沈下や液状化して倒壊する。自然にできる水の流れを止めるのではなく、守ることが大事と仰っていたことも印象的だった。

コメント欄にリンクを貼っているので、興味ある人はどうぞ。

(動画の一コマ)


(動画の一コマ)



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