「あなたが失敗しているのは、努力が足りないから」

——そんなメッセージを、言葉の裏側に感じたことはありませんか?

 

「やればできる」

「マインドセットを変えれば人生が変わる」

そうした言葉は、力をくれることもある一方で、うまくいかないときに「自分のせいだ」という重荷を背負わせてしまうこともあります。

 

 

この記事では、近年注目を集める「マインドセット理論」と、心理療法の世界で長年の実績を持つ「認知行動療法(CBT)」を比べながら、自分の心と向き合うためのヒントをお伝えします。

 


「やればできる」という言葉の光と影

心理学者キャロル・ドゥイックが提唱した「グロースマインドセット(成長型思考)」は、世界中に広まりました。「才能は固定されたものではなく、努力で成長できる」という考え方は、多くの人に希望を与えてきました。

 

ただ、この考え方が広まるにつれて、少し気になる側面も出てきました。「マインドセットを変えれば何でもできる」という形で語られると、うまくいかない人が「努力が足りない」「考え方が悪い」と感じやすくなってしまうのです。

 

研究の世界でも、「グロースマインドセット介入の効果は、想定より限定的かもしれない」という指摘が出てきています。また、社会的な成功には遺伝的な要因や家庭環境が大きく影響しているという研究もあり、「マインドセットさえ変えれば」という図式では語り切れない複雑さもあるようです。

 

では、同じように「考え方の癖」に着目しながら、なぜ認知行動療法(CBT)は高い評価を得ているのでしょうか。

 


認知行動療法(CBT)が「思考の癖」と向き合う方法

認知行動療法は、「思考・感情・行動」の三角形に注目します。落ち込んでいるとき、私たちの頭の中にはふっとネガティブな考えが浮かぶことがあります。これを「自動思考」と呼びます。

 

マインドセット理論が「ポジティブな考え方に変えよう」とアプローチするのに対して、CBTはもう少し地に足のついたやり方をとります。「この考え方は本当に事実を反映しているだろうか?」と、自分の思考を少し距離を置いて見つめ直すのです。

大切なのは、ネガティブな思考をポジティブに書き換えることではなく、自分の思考のパターンに気づくこと。自分の感じ方の癖を知ることで、その癖に無意識に振り回されることが少なくなっていく——そうした積み重ねが、CBTの目指すところのひとつとされています。

 

CBTが注目される理由のひとつが、その再現性と実績です。うつや不安への対処において多くの研究で効果が報告されており、「誰でも実践できる具体的な手順がある」点も強みとされています。

 


思考の癖は「変えるもの」より「知るもの」かもしれない

興味深いのは、マインドセット理論の研究においても近年、「すでに成功を手にしている人への効果は限定的で、むしろメンタルに課題を抱えている人の方が変化の余地が大きい」という知見が示されてきているという点です。

 

つまり、「考え方を変えて大成功する」というよりも、「自分のネガティブな思考パターンに気づいて、それに引きずられにくくなる」という方向での活用が、多くの人にとって現実的かもしれません。

 

不利な状況をゼロベースに戻す力——派手ではないけれど、じんわりと、でも確かに効いてくる変化です。

 


「書くこと」が、自分の思考の癖を教えてくれる

では、どうやって自分の思考パターンに気づけるのでしょうか。CBTの実践でよく使われる方法のひとつが、「書くこと」です。

頭の中だけで考えていると、ネガティブな感情やぐるぐるした思考はなかなか整理できません。でも、書き出すことで「あ、自分はこういうときにこう感じるんだ」という気づきが生まれやすくなるといわれています。

 

「今日モヤッとしたこと」を一言書くだけでも、スッと自分のパターンが見えてくることがあります。「また同じような場面で、同じように落ち込んでいる」と気づくことが、変化の最初の一歩になるかもしれません。

 

mentment(メンタメンタ)は、こうした「書くことで自分を知る」プロセスをガイドしてくれるアプリです。「今日の気分を一言で書いてみよう」「最近モヤッとした場面を振り返ってみよう」といったミッション形式で、無理なく自分の思考パターンに向き合えるよう設計されています。「何を書けばいいかわからない」という方にも、丁寧な問いかけがあるので、気軽に始めていただけます。

 

あなたの言葉が、あなた自身を助けてくれる——そう感じられる瞬間が、少しずつ増えていくといいですね。

 

 


まとめ

  • 「やればできる」というメッセージは希望を与える一方、うまくいかないときに自己責任感を生みやすい面もあるかもしれません

  • 認知行動療法(CBT)は、思考をポジティブに変えるよりも「自分の思考パターンに気づく」ことを大切にします

  • 「書くこと」は、自分の感じ方の癖を知るための、シンプルで続けやすい方法のひとつです

mentmentは無料でお試しいただけます。まずは気軽に、自分の気持ちを書き出すところから始めてみませんか。

 

最近、AIを使ったメンタルケアサービスをよく見かけるようになりました。

 

「mentment」の開発を始めた10年以上前、AIは世間的にはまだSFの中の技術でしたが、私たちはすでにAIがメンタルケアに貢献できると信じ、サービスの主軸に据えていました。

当時は、ユーザーの状態を分析して最適な質問を提示したり、過去の回答を引用して新たな問いを投げかけたりと、原始的ながらも「ユーザーひとりひとりに寄り添う」ことを目指していました。

 

AIに心を託せるか? 開発者が抱いた疑問

しかし、AIが身近な存在になるにつれて、私たち開発チームの間に一つの疑問が生まれました。

「本当に、AIに心を任せても大丈夫なのだろうか?」

AIロボットのカウンセリングを受ける人

 

私自身、どれだけ可愛く振る舞ってもAIのペットに愛着を感じることができません。AIがどれだけ人間らしく振る舞っても、それは「理解したふり」をしているだけで、本物の心はないのではないか?と考えるようになったのです。

 

理解しているふりをされているというのは気持ちのいいものではありません。そう考えていた矢先、実際にAIによるメンタルケアが、かえって症状を悪化させるという研究論文も出てきました。

 

AIがどれだけ頭が良くても、AIそのものにネガティブな印象を持つ人も少なくありません。だからこそ、「mentment」はAIの便利さだけでなく、「サービスの後ろには、ちゃんと人がいる」という安心感を大切にしたいと考えています。

「mentment」の1000以上のミッションは、心の状態ごとに出題される質問内容は、その一つ一つ、論文を元にして人が作成しています。

 

 

「mentment」は、あなたと向き合うための鏡

他人に自分のことをどれだけ教えても、相手が自分の心を完璧に理解することはできません。もちろんあなたのことを良く知っている人はあなたのことを誰よりも理解するかもしれません。しかし、そこに到達するまではどれほどの時間とエネルギーを必要とすることでしょう。

 

でも、「自分自身」ならどうでしょうか?

 

私たちは、どんな時も自分自身を見捨てることはありません。なぜなら一心同体だからです。それなのに、私たちは上手く自分のことを理解することができません。

 

それは何故でしょうか?自分のことを大切にしないと決めている人なんて、ほとんどいないはずです。それなのに、いつも、自分を後回しにしたり、自分のことを傷つけたりします。

 

実はその多くは、気持ちの問題ではなく、ただ、それが難しいからではないかと思います。自分自身を鏡に写して姿を見ることができても、心を鏡に写して見ることができないのです。それに、直接会話できないので、自分の気持ちがわからないのです。

 

「mentment」は、そんなあなたの心に寄り添い、あなた自身が自分の心と対話するための「鏡」のような存在です。

「mentment」は、質問に答えたり、指示に従い、ミッションをクリアすることでメタ認知能力を鍛え、自分自身をあなたのことを一番良く知り、理解してくれる最強のメンターにしてくれます。

 

心を映す鏡に自分の悩みを打ち明ける人

これからの「mentment」と、あなたへのメッセージ

今後、AIによるメンタルケアには、何らかの規制やガイドラインが設けられるかもしれません。私たちは、そうした変化にも対応しながら、安心・安全なサービスを提供し続けていきたいと考えています。

 

AIがどれだけ進化しても、私たちが何よりも大切にしたいのは 「人と人とのつながり」 です。

 

「mentment」は、あなたの心の声に耳を傾け、あなた自身が心の豊かさを育むお手伝いをします。ぜひ、あなた自身の心を映し出す鏡として、mentmentを活用してみてください。

はじめに

はじめまして。セルフケアのためのメタ認知能力トレーニングアプリ「メンタメンタ(mentment)」を開発している開発者のcoomaです。

 

「もっと色んな人にメンタメンタを知ってもらいたい」という思いからblogを始めました。これから、サービスについて考えていること、そして、メンタルケアに役立つ情報について話していこうと思います。

 

まずはメンタメンタというアプリについてお話しをします。

 

心の安全格差をなくし、誰もが心穏やかに過ごせる社会へ

私たちの願いはシンプルです。

 

「すべての人が心穏やかに過ごせる社会を作りたい」

 

この夢は大きく聞こえるかもしれませんが、決して不可能ではないと信じています。

 

しかし、現実はどうでしょうか。経済的に豊かになっても、心が穏やかになるとは限りません。心のケアは、社会の中で優先順位が低いのが現状です。その結果、現代社会には心の安全における格差が存在しています

 

この不均衡を変えたい。その強い思いが、「メンタメンタ」開発の原点でした。

 

苦しみから生まれた、心の安全への探求

私自身、30年以上前にうつ病を経験しました。当時、カウンセリングはまだ一般的ではなく、手探りで治療を続ける日々でした。薬が合わない時期もあり、なかなか良くならない中で、心理学への興味から、カウンセリングにすがりました。

 

しかし、カウンセラーとの相性が合わず、カウンセリング自体が苦痛に感じられることもありました。それでも私は諦めず、自分に合った心のケアを探し続けました。この過程は、単なる「治療」ではなく、「心の安全を取り戻すための、長く孤独な旅」だったと言えるでしょう。

 

その旅の途中、心の病を抱えた大切な友人を最悪な形で失うという、とても悲しい経験もしました。もし、私や周りの人がもっと心の病に対する正しい知識を持っていたら、もし、彼にもっと寄り添うことができていたら……。そうした後悔は、今も私の胸に深く刻まれています。

 

同時に、当時の私を支えてくれたのは、温かい友人たちの存在でした。彼らの支えを通して、私は「心の安全を取り戻す確かな方法がきっとある」という希望を見出すことができたのです。この希望を、一人でも多くの人々に届けたい。それが、私の強い願いとなりました。

失われた心の拠り所と、予防という新たな希望

昔は、宗教や地域のコミュニティが、人々に心の安らぎを与えていました。仲間意識や認められたい気持ちが満たされることは、心の安定を支える大切な要素でした。しかし、現代社会において、これらの役割を担う存在はだんだん弱くなっています。その結果、人々は孤独を感じやすくなり、自殺する人の割合は増え、社会全体がバラバラになりつつあります。

 

一方で、近年注目されているのが「予防医学」という考え方です。病気や怪我を事前に防ぐことが、健康にとって最も効果的な方法だとされています。しかし、心の健康においては、そのような予防的な取り組みはまだ十分とは言えません。

 

心の病は、治すのに多くの時間と労力がかかるため、発症する前に適切な対策をすることがとても大切です。それなのに、そのための知識やツールが社会に十分に広まっていないのが現状です。

 

メンタメンタが拓く、心の安全が平等な未来

このような社会の状況を踏まえ、私たちは「メンタメンタ」を開発しました。「メンタメンタ」は、科学的な根拠に基づいた認知行動療法やポジティブ心理学の知識を応用した、新しいメンタルケアアプリです。このアプリの目的は、使ってくださる皆さん自身が「自分の中にいるメンター」を見つけ、育てることをお手伝いすることです。

 

「メンター」とは、あなたの深い考えや気持ちを理解し、どんな時もそばにいて、支えとなる存在です。それは、あなたの心の中に確かにいます。24時間365日、決してあなたを見捨てることなく、心の安全を守る力を持っています。

 

「メンタメンタ」は、その内なるメンターを目覚めさせ、成長させるための道しるべとなるでしょう。

 

「メンタメンタ」が採用する主な機能の一つに「筆記開示」があります。これは、自分の感情や考えていることをそのまま書き出すことで、気持ちの整理を促す効果的な方法です。多くの研究で、「筆記開示」は、自分が考えていることを客観的に捉える力(メタ認知能力)を高め、心の状態を改善させることが分かっています。

 

メンタルケアは、もっと楽しく、身近なものへ

「メンタルケア」という言葉から、重苦しいイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本当は、メンタルケアは自分自身と向き合う、心地よく楽しい時間であるはずです。人は誰でも、自分のことを話したい、理解してもらいたいという気持ちを持っています。自分の感情や考えを静かに見つめ、受け入れることは、心の穏やかさにつながります。

 

私たちは誰もが気軽に取り組める「心を育てる新しい習慣」を全ての人に届けたいと考えています。自分自身を深く理解し、ありのままの自分を好きになることは、心の健康だけではなく、他人との繋がりを深め、人生をもっと豊かなものにしてくれるでしょう。

 

私たちと一緒に心の花を育てましょう

私たちは、「メンタメンタ」を通じて「深い心の井戸の底まで、温かい光を届ける」お手伝いをしたいと心から願っています。人生で本当に苦しい時、心は暗闇に閉ざされ、周りの状況が見えなくなることがあります。たとえ誰かが手を差し伸べてくれていても、その存在にさえ気付けなくなります。「メンタメンタ」は、そのような状況にいる人が、少しずつでも自分の内なる声に気づき、再び立ち上がるきっかけを提供したいと考えています。

 

「メンタメンタ」は、一方的なアドバイスはしません。立ちあがろうとしている人が本当に必要としているのは、外からの言葉ではなく、内から湧き上がる声です。誰かの声が響くのは、自分自身の中に同じような答えがあり共鳴する時です。私たちは一人一人が持つ心の底力を信じています。心の静けさの中で、自身の内なる力強い声に耳を傾け、それを育むためのサポートを提供する。それこそが、「メンタメンタ」の使命です。

 

心の安全が、社会の隅々まで平等に届けられるように。私たちは、そのための知恵とツールを一人ひとりの手元に届けるために、精一杯努力します。「メンタメンタ」が、あなたの心の旅を支える信頼できるパートナーとなり、あなた自身の美しい心の花を育てるお手伝いができることを、心より願っています。