高知県高岡郡中土佐町にあるところてんの専門店『高知屋』。
創業は大正10年(1921年)と約100年の歴史あるお店。
現店主(3代目)の祖父母(初代)がところてんを製造し、天秤棒で売り歩いたのが創業のキッカケだそうです。
瀬戸内海特産である「天草」のみを原材料に使用し、創業当時より現在まで変わらず、全ての作業を秘伝の手作り製法にこだわっているお店。
高知屋は製造・卸売をメインに行っており、スーパーなど県内外の小売店での販売や、飲食店への出荷がメインとのこと。
しかし約10年前に製造工場の近くに直営店舗を設けたところ、沢山の客が来店して話題となり、テレビや雑誌、新聞など数多くのメディアに取り上げられる名物店に。
その影響もあって、近年はネット販売も開始したそうです。
今回は久礼大正町市場に遊びに来たのですが、直営店がそのすぐ近くにあるので、せっかくなので行ってみることにしました。
場所は土佐久礼駅が最寄りで徒歩7分ほどの距離。
駐車場は近くに無料で止められる場所がいくつかあります。
この日は平日の金曜日、お店には8時半頃に訪問。
店内で食べることも出来るようですが、今回は買って車で食べることにしました。
通常ところてんとタレのセット1人前は200円ですが、食べやすいようにカップに入れてくれたものは220円(税込)でした。
正直ところてんはそんなに食べる機会が無いので知識は皆無なのですが、ところてんも地域によって黒蜜や酢醤油、味噌など様々な食べ方があり、高知においては出汁で食べるのが定番だとか。
こちらのお店のところてんのタレも、じゃこや鰹節等の出汁をベースに、醤油を合わせたものだそうです。
そして薬味として生姜と、多分「ぶしゅかん」の皮を削ったものが入っていました。
「ぶしゅかん」というのは、正式名称『餅柚(もちゆ)』という酢みかんの一種で、高知県ではよく食べられるご当地柑橘。
ところてんはよく見るツルツルと澄んだ白っぽいものではなく、ザラザラとした表面にうっすら茶色に濁った色味。
タレと絡んでいるのでところてんそのものの風味はよくわかりませんが、高知屋のところてんは独特の磯の香りがあるのも特徴的だそうです。
なんだかサクサクとした歯切れの良い食感に、つるんとした喉越し。
タレは出汁の風味と旨味が抜群に効いていて、塩気は控えめなのでそのままごくごく飲めるさっぱりとした味わい。
ぶしゅかんと生姜の味わいがまた爽やかで、暑い夏に食べるのにピッタリという美味しさでした。
ところてんは今までスイーツのように黒蜜で食べてばかりでしたが、こういう食べ方もありだなと、新しい世界を知ることができました。
ご馳走様でした!