(※訪問時期が3月下旬の時間差更新です。)
長崎県平戸市にある、創業240有余年という老舗の和菓子店『牛蒡餅本舗 熊屋』。
店名にも入っている平戸銘菓のひとつ『牛蒡(ごぼう)餅』で特に有名なお店。
牛蒡餅はうるち米の粉から作った餅に白砂糖や黒砂糖を加え、芥子の実を散らして作る素朴なお菓子。
昔は黒砂糖のみを使用して作っており、長いままのものを茶席で亭主が客席にあわせて、切って供していたもので、その色合いや形状が牛蒡に似ていたことが名前の由来。
平戸藩主松浦鎮信公を始祖とする、茶道鎮信流の茶菓子としてや、一般町家の人々も慶事・法事の際のお配り菓子として親しまれ、平戸にのみ現代まで受け継がれてきたそうです。
こちらのお店の牛蒡餅は、第18回全国菓子博において名誉金賞受賞、第19回全国菓子博において名誉大賞受賞、全九州銘菓博覧会において総裁賞受賞と、様々な賞も受賞しているとのこと。
せっかく平戸に来たので買っておきたかった牛蒡餅。
平戸で牛蒡餅といえば真っ先にこちらのお店が出てくるので、行ってみることにしました。
ちなみにお店は平戸の本店以外にも、福岡店と現在は休業中という佐世保店もあるようです。
この日は日曜日、お店には9時前くらいの到着。
かなり年季の入った老舗感満載の店舗、駐車場は店舗の向かいにありました。
店内には牛蒡餅の他、様々な和洋菓子類が並びます。
牛蒡餅の他で特に気になったのは、「カスポール」というお菓子。
これは平戸名物の1つで、通称「カスドース」で知られるものの別称だと思います。
カスドースで有名なお店は蔦屋や湖月堂老舗があり、そちらで購入予定でしたが、食べ比べもしたかったので熊屋でも購入することに。
また牛蒡餅は本来ゴボウが入っていないのが基本のようですが、本当にゴボウを入れてあるバージョンもあったので、そっちを買ってみることにしました。笑
【手造り牛蒡餅(5本入・彩りあわせ)】540円(税込)
内訳は白・黒・桜・ゴマ・抹茶という感じでした。
確かに見た目はゴボウみたいな印象を受けるお餅です。
むっちりもっちりした食感、上品な甘みで優しい味わい。
白は特に素朴であっさりと、黒は少しコクがあり黒糖の風味も広がります。
白と黒にはきんぴらに使うような細切りのゴボウが練りこまれていました。
ゴボウが入ってどう変わるのかというと、味自体にはそんなに影響がなく、あ、ゴボウ!って思える感じです。
桜は葉っぱも練りこまれていて香り高く、ゴマは甘さ控えめで香ばしいです。
抹茶は割と見た目通りではありますが、美味しいですね。
【カスポール】190円(税込)
カステラの記事を乾燥させ、といた卵黄にくぐらせた後、熱した糖蜜の中で揚げるように加熱して卵黄をかため、砂糖をまぶして仕上げるのがカスドースの製法。
サイズは大きめのマッチ箱くらい。
確かに中は乾燥したカステラっぽいパサパサの生地に、砂糖のジョリジョリ食感、強い甘みと卵のまろやかな味わいが広がります。
しっとりしたカステラを食べ慣れていると、食感のギャップにかなり驚きますが、この独特の食感と甘さが慣れると少しクセになってきます。笑
【ブリュレカスポール】230円(税込)
炙りカスポールと思ったのですが、これに関しては完全に別物でした。
生クリームとハチミツ、バターを使った卵液に生地を浸してフレンチトースト風にアレンジしてあり、完全に洋菓子という感じです。
しっとりと少しペタッとした質感で、食感もふわっとしており、何よりキャラメリゼの香ばしい風味が凄まじいです。
香ばしいというか、若干焦げっぽい匂いが広がるくらいがっつり炙られていました。
案外普通のカスポールより、個人的にこちらの方が好みでした。
こちらのお店では麩饅頭も人気だったようなので、次回は未食のお菓子を色々買ってみたいところ。
花かすていらやオランダボーロも気になります。
ご馳走様でした!
熊屋
0950-22-2046
長崎県平戸市魚ノ棚町324